牧草
「ウサギの主食はキャベツとかニンジンではなくて牧草です」と言われて久しく、牧草にもいろいろな種類が出ています。
イネ科、マメ科、一番、二番、三番刈。
イネ科にはチモシー、オーツヘイ、イタリアンライグラスなどがありマメ科はアルファルファが代表的です。マメ科はアミノ酸含有量が多く嗜好性も高いのですがカルシウム含有量も高めとのこと、うさちゃんも大好きですが調子に乗って与えていると石灰尿が増えます。
一般的に主食としてすすめられているのはチモシーの一番刈です。
一番刈は種をまいて最初に育った牧草を刈ったもので、硬さがあって茎もしっかりしています。二番刈は一番刈を刈った株に再度生えてきたもので茎が細めで柔らかめ。硬い牧草が苦手なウサギが好んで食べることもあるようです。
牧草栽培キットで最初に伸びてきた葉っぱをうさちゃんが食べつくしても(一番刈)残った株からまた生えてきてもう一回くらい食べられます。これが、二番刈なのか!と理解できました。その後も栽培キットの残りを庭に埋めて置いたらしっかりとしたイネ科らしい草が生えました。初夏にうさちゃんが少し体調不良だった時に刈り取って食べさせたところ、大喜びで食べてくれて食欲の呼び水になりました。
緑の茎に鋏を入れたら切り口からじゅわっと水分があふれ出てきて、新鮮そのものの牧草でした。たった10本くらいですけど。
(その後の二番刈も期待しましたが猛暑でだめでした)

うさちゃんは硬めの茎をパキポキ食べるのが好きみたい。口の端から突き出ている牧草の端がケージ網や牧草入れにコツンコツンぶつかるとパキポキ、コツコツと音が部屋にそーっと響きます。(そーっと響くとは変ですけど、軽い小さな音なのに他にない音で確実に聞こえるのです。うさちゃんが牧草をしっかり食べてくれるのは下僕の何よりの喜びなので、うれしい、いい音です)
うさちゃんが食べているのはチモシー一番刈ではなくオーツヘイという牧草です。うさちゃんの好き嫌いではなく、下僕がチモシーアレルギーで、牧草箱に入れておくだけでも何となく呼吸が苦しくなるのです。触ると手も痒くなります。
(アレルギーでなくても細かい切れ端がとげのように指に刺さり、麦わら色なので見えなくて困ることがあります。牧草はあまり素手で触らないほうがよさそうです)。
定番通年牧草のほかに季節限定的で定番で食べさせるほどの量がないデザート牧草があります。人気です。頑張って買った牧草は新鮮な緑茶のようないい香り、見た目もぱりっとおいしそう。
もっと少量でパックにきれいにそろえて詰められて「ご贈答用」の海苔とか新茶とかそういう貴重品のたたずまいがあるデザート牧草もたまに食べさせます。
開封しているだけでうさちゃんは目を輝かせて、下僕の手元まで伸びあがって立ったまま少し飛んじゃいます(うさちゃん釣り)。
初めてのものでも食べる前から確実においしさがわかるようです。

実家に居たうさぎは歯の不正咬合で牧草が食べられませんでした。
おなかも壊しやすかったのですが、牧草をいろいろ試してみるという考えがなかった当時の下僕です。
今、食べやすそうな牧草を見ると「これ食べさせてやりたかったな」と思います。
丁寧に作られた牧草を日本中から取り寄せできるなんて、世の中はやっぱり進歩しているみたいです。