ママのぬくもり
先月以降関東地方は気温が低めの日が多く、去年より10日はやくうさちゃんにヒーターを出しました。ヒーターの箱には「ママのぬくもり」と書いてあります。
あー、うさちゃんはどんな子うさぎだったのかしら。同じような柄のきょうだいがいて、どの子より元気よくおっぱいを飲んで跳ねていたに違いない。
先代うさぎも今のうさちゃんも大人うさぎになってからうさぎ専門店から購入しました。うさぎ専門店のうさぎは初めてでした。
実家のうさぎは小鳥店に居たり、ホームセンターで里親募集中のうさぎだったのでした。
先代うさぎが家に来てから数日して大きな封筒に入った「ウサギの血統書」が郵送されてきました。 へえーっと驚きつつ読んでみるとブリーダーの名前とうさぎの両親から曾祖父母までの個体の色や大きさが書いてありました。Doeが雌、Buckが雄であること、ウサギブリーダーをRabbitryというということも知りました。Rabbitryの住所は隣県の区でした。友人も住んでいるような身近な区で、先代うさぎは面長でしゅっとして都会っぽいのに「ご近所さんなのね」とぐっと親しみがわいたものです。
今いるうさちゃんの血統書にも同様に曾祖父母まで書いてあり、祖父母と両親の間で色が変わってうさちゃんのきれいな色になったことがわかりました。Rabbitry の住所は?ん?日本の書き方じゃない、IL?イリノイ州?アメリカなの?!
もちろんGoogleMapsを見ました。そこはアーミッシュの町でストリートビューでみるとどこまでも広い農地にすーっと直線道路、道路沿いにポツンポツンとシンプルで大きい木造の農家が建っています。どの家も庭も簡素ですが整えられていて馬車も写っていました。
記載されていた場所には道路から奥まったところに母屋があり、庭に馬車が駐めてあり、柵で囲まれた広場に馬が放されていました。
青空も地面も広々して緑の木々に少し風が吹いているように見えました。
うさちゃん、ここから車にゆられて、飛行機で14時間も飛んで(しかも貨物かもしれない)日本について検疫で留め置かれて、そうやって来たの。自家用車に乗っても緊張する(今は結構慣れてます)うさちゃんがそんな長旅をしてきたの。

そう思うとかわいさが一層増して、夢を見るみたいに良いことばかり想像しながらネットを掘っていくと現実は複雑なようでした。
アーミッシュ文化では農耕や動物飼育が盛んだけれど、動物はペットというより家畜であり、ブリーダーにも様々あるようで、ウサギに限らず家庭経営の目立たないブリーダーもいて問題点も多いと書いてありました。そ、そうなのか・・。
そしてそういう問題に対処するために、欧米の一部ではペットショップそのものが禁止になっているようでした。イリノイ州でも。ペットを飼いたい人は保護団体経由で、だそうです。確かになあと思いました。
行く先のないペットが出ないようにするのはいいことだよなあ・・。
などと偉そうに考えましたが、うさちゃんはばっちり商売コースにのっています。商売コースではあるけれど大変な手間をかけられ、大切に手から手に渡されてうちに来てくれました。
電化製品のない自然の音や光に囲まれて育ったはずなのに、今はお気に入りの場所はテレビの真横です。よほど怖い音がしない限り下僕が何を観ていようとまーったく意に介さず眠たそうに口をもぐもぐさせています。
だけど、もしかしたら、下僕が不在で家が静かになっているときはあの広い農場の記憶がよみがえっていたりして・・。

ということで「ママのぬくもり」寄り添いヒーターを出すときしまうとき毎回下僕はうさちゃんの長旅を思い、あの広々とした農場を思うのです。

















































































