おやつ問題
夢中になるほど美味しいものにはおおきな代償を払わねばなりません。
うさぎの場合、肥満だけではなく胃腸の動きが悪くなったり歯が伸びすぎてしまったりと命に関わる事態が起きる可能性があるのです。
本来うさぎは木の皮や根っこ、硬い野草を食べる体なのです。
今このときも野生のうさぎは野原や里山でぱりぱりもぐもぐ食べているのでしょうね。柔らかな新芽や木から落ちた果実なんて年に一度の大ごちそうでしょう。
そういう食生活だと胃腸が良く動き、飲み込んだ毛も繊維質と一緒に排泄されやすくなるし、どんどんのびる歯も適正な長さに保たれるそうです。
飼いうさぎの場合、食餌は下僕が準備したものがすべてです。
摘み草をしたり、牧草栽培キットで牧草を調達する下僕もいるでしょう。でも大抵は購入した干牧草とドライフードを準備することになります。
牧草は大切な繊維質をとる主食として一日中食べ続けられる量が必要です。ドライフードは体重の1.5から3%が目安だそうです(そして成分表示にも目を凝らす)。
人参とかキャベツとか、人間が改良した美味しい野菜は糖分が多く、繊維分が少ないためあまりやってはいけないらしいです。
芋類も糖質が多くとても危険です。いわんや甘いビスケットやドライフルーツをや、です。
理想はペットショップなどで与えられる食餌で、淡々と必要なものを食べさせるのが良いのでしょう。
しかし、こうなると下僕にとってはもはや修行です。
だって、美味しいのは目を輝かせて大喜びで食べてくださる(あ、食べさせちゃったのね)し、かわいいお手々を膝に乗せてもっと出すように仰せになりますから。
Bunnyの喜びはSlaveの喜びですから。
ぐっとこらえるのはなかなか大変です。
私はフードドライヤーまで買ってしまい、人参やリンゴをせっせと乾かしました。
ドライパイナップルも作りましたがあまりに美味しい(砂糖菓子のように甘い)のでさすがにやめておこうと下僕がいただきました。
その後獣医さんから「ドライフルーツを知るとあっという間に牧草を食べなくなります」と言われたので、その言葉を心の中で何度も唱えてフードドライヤーからは遠ざかっております。
(ピーターラビット2で悪ぴょんたちが狙うのはお野菜なんかではなくドライフルーツでした。映画の作者たちは本当にわかっているなあと妙に感心してしまいました)
今は、牧草を主原料に作られているビスケットやビワやクズやオリーブの葉を乾燥させたもの、期間限定で発売される高級牧草などをおやつにしています。
葉っぱ類は生でもよいのでしょうが、うちのうさぎは乾燥している方が好きみたいです。
ビワの葉は実家から持ってきて、裏の産毛をブラシできれいに落として天日干しで作っています。この作業もやや修行です。
クズの葉は買っています。あんなにはびこっているものを。
都市部の線路脇にも生えたりしていますが人通りが途切れないし排気ガスまみれなので横目に見て通り過ぎています。
どこかで苗売ってないかな?