怖いこと
最怖なのはうさぎが体調不良でじっとしていることで、どこかおかしいおそろしい感じがみぞおちのあたりに暗い重い金属のようにずしりと入ってくる。
あれは一番怖い。
でも今回はそういうのではなく、気軽な、うさぎのことがちょっと怖いと思うこと。
うさぎはほとんどいつもとてもかわいいのです。
うちのうさちゃんはその中でも黄金比というか、うさぎらしくてきれいな顔立ち。スタイルもいいですよ。きれいだなあと毎回感心しながらずっと見て居られます。
(顔立ちやスタイルが黄金比かどうかは私はもちろん重要視しませんけれども)
ということで、うさぎを見て居るときはたいてい幸せな気分になるのですが、時々怖くなることがあります。
それはうさぎがじっと宙をみつめていたり、模様もなにもない壁にむかってすこし顔をあげてみじろぎもしないようなとき。
耳をたててうたっちしてあたりを見回したり、耳を立てたまま体を伏せたり。そして足ダンを始めるとき。全身に緊張が走って、目も突き出して見えます。
あわててケージに走り込んで体を震わせていることすらある。
何の不穏を察したのか、回りを見ても耳を澄ましても私にはわかりません。
足ダンで何かを知らせようとしてくれているのですから「うさちゃん、ヘンなの」なんて不真面目に受け流しはしませんよ。「なにかあるの?大丈夫だよ」と声をかけますが、そんな感じが続くと少し怖くなります。階段のほうからすうーっと冷たい風が入ってきたりするとなおさら。
そうこうするうちにしばらくすると普段の様子に戻るのですがやはりなんだったのか下僕にはさっぱりわからないのです。
その後に異変が起きたこともありませんし。
また、多分に下僕側の体調によってうさぎの様子の解釈が変わります。
自分の体調が良くないとなんだか先々に自信が持てなくなり、うさぎの不安につられてしまうし、うさぎがくしゃみを一回しただけでもすごく心配になるのに、調子が良いときはおおらかに冷静に見て居られます。
あとは、噛みウサギになったとき。
ブラッシングで毛がよくとれるので夢中になってしまうことがあります。うさぎはうんざり。
「いい加減にして!」と腕を噛んでくるのです。本気噛みではないですが結構痛くて怖い。
噛む前に大きく口を開けるのがスローモーションのように見えて「しまった、やりすぎた」と思いますがもう遅いです。
遊びに夢中になっているところにうっかり手を出したり、縄張りに急に手を入れてしまったときにも「くわっ」とやられて怖いです。
まあ、怖いと言ってもこんなものです。怒っているところもかわいいですから。
足ダン/スタンピング:両後足(又は片足)で地面をたたいて音をだすこと。能の足拍子のようなインパクトで素早く地面をしっかり叩きます。仲間うちに危険を知らせる音です。危険なとき以外でも怒りを表したり、単に合図として軽く音を出すこともあります。