おなかの動き
「消化管うっ滞」 消化管の動きが低下、停滞してしまう状態。
人間だってストレスで下痢をしたり便秘になったりと消化管の動きが変わることは多々ありますが、ウサギのうっ滞はそのレベルを超えた命定めともいえる胃腸の不具合です。
ウサギは草食動物で、一気に獲物を腹一杯食べるタイプではなく常に食べている動物です。常に入ってくる繊維質が消化管をしっかり動かすのです。
食べないと消化管の動きは低下し、半日から一日くらいの短い時間で命に関わる事態になることもあります。
うっ滞の原因は様々です。環境変化、極端な寒暖差、騒音等のストレス、繊維質の少ない食べ物、運動不足、体の他の部分の不調などたくさんあります。
持って生まれた胃腸の機能も大きく関係していると思います。
口から入ってくる草は、消化されて必要なビタミン類は盲腸糞として再摂取され、不要な繊維質がよく見るウサギの糞となってコロコロ、コロコロ排泄されます。
ウサギは排泄場所を決める動物ですが、くつろぎスペースでぐっすり眠っているとコロン、ご飯を食べているとコロン と排泄場所以外でも糞をすることが多いです。不衛生だと思われる方も多いと思いますが、下僕的には糞がたくさんあるととても嬉しいのです。嬉しくてうさちゃんを褒めてしまいます。
時間を決めて下僕は小箒とちりとり(割箸とゴミ箱のときも)を持って部屋を見回ります。一回リセットしておくと糞が出ていない時にわかりやすいのです(というか掃除が当たり前だろ、ですね)。
うっ滞に気づく症状は、食べようとしない、つらそうにうずくまって元気がない、体が冷たい、糞が出ていない・・・など。
ああ、こんなこと、書きながらぞっとしてしまう・・・。
変なところでおしっこの粗相をしている、なんだか知らないうさぎのような無表情さがある なども目安になります。
大好物を口元に持って行ってもフッと顔を横や下にむけてしまうあの恐ろしさ。
お腹の音を聞いてみますが、どんなに耳を澄ましても聞こえない・・。
お腹がどんな風に動いていないのか、強制的に流動食を食べさせてよいのか などは診察や検査を受けないとわかりません。

うさぎを保温してやり病院に向かう準備を始めます。準備しながら下僕のみぞおちあたりも重くなり、自分の心臓の音が耳に響いてきます。
今回急に冷え込んだ朝、うさちゃんはうっ滞になっていました。うさちゃんは胃腸は丈夫なほうで牧草をよく食べてくれるのでちょっと油断していました。もうシニアうさぎのうさちゃん、室温は低くなくても外気温が急に下がると影響されると獣医さんも言っていましたが寒さが堪えてしまったのかもしれません。
先代のうさぎも寒波のときはしばしばうっ滞になっていました。実家のうさぎは歯の不正咬合があったので慢性的にうっ滞気味で、しょっちゅう通院しては薬を飲ませていたものです。
さて、うさちゃんを朝いちばんで病院に連れて行き、レントゲン検査や点滴をして強制給餌をしてもらい飲み薬をもらってきました。病院から帰って数時間したところでうさちゃんは突然スイッチが入ったように水を飲み始め、やがて生牧草(少しだけど栽培していてよかった)も食べ始めました。その後糞も出てきて下僕はまずは胸をなで下ろしたのです。

次の朝うさちゃんのトイレにはたくさんの●がありました。糞も出たしトイレまで移動する活力もでてきたのでした。薬を飲ますために捕まえるのも大変でした。
まずは、良かった。でもまだ少しのことでじーっと心配のまなざしでうさちゃんを観察してしまう。うっとうしいでしょうね、でも堪忍しておくれ。
ウサギの飼育書にうっ滞予防のことが書いてあります。
繊維質の豊富な牧草を食べさせ、糖分の多いオヤツは無しか極めて少なくすること、運動させることなどなど。
その章の最後に「あなたの部屋がゴージャスな●でいっぱいになりますように!でもできればウサトイレの中にいっぱいでありますように!」と書いてあります。
本当に幸運なことにうっ滞が解除されたときその文章を読むと文字が光って笑っているようにみえますよ。