ウサクサイ
猫好きのかたは猫吸いという言葉をご存知だと思います。
猫吸い:猫の体に顔を付けて息を吸うこと
ウサギにも同じことをする下僕がいて、ウサ吸いといわれています。
私は猫にはすでに若干アレルギーあり、ウサギにもアレルギーになったらとても悲しいので猫吸いもウサ吸いもしたことはありません。
布団や毛布にだって顔を付けて吸い込むことはしないので「猫吸い」「ウサ吸い」はちょっと実感をともなわない行動です。
ですが。
ウサギの匂いはどんなだろうと思ってくんくんしてみることはあります。
ウサギの匂いは おひさまが乾かしたシーツみたい? 日向の干し草みたい? ナッツ? 桃みたいな甘いかおり?
とかわいいかんじを思いつくまま書きましたが、じつはウサギ本体は無臭なのです。ひっそり、ひそやかに無臭。目立たないように、無臭。
くんくん、「おおー、何にも匂わない」。
ウサギ本体がにおうときは、環境整備不行き届きかウサギの毛繕いなどがうまくできていないとか体調が今ひとつだとか、そういう場合です。
おかしな匂いの時は心配モードになってあちこち調べて(嗅ぎ回って?)しまいます。
ウサギ本体は無臭でもウサギまわりの牧草や野菜は香りがしますし、尿は結構な匂い(基本落ちてないけど盲腸糞もね)がします。
なのでそういったものが混ざり合って「ウサギのいる環境」は「ウサギのいない環境」とは違う匂いになります。
玄米が炊き上がる香りが台所から漂ってくると「ん?うさちゃんの匂いに似てる」と思います。

それでもそんなに強い匂いはしません。とくに関東の冬、室内の湿度は加湿しても20%台だったりします。そんなときはますます匂わない。カラカラの部屋で林檎の皮とかイチゴのヘタを干すので(もちろんうさちゃんには届かないところで)、うさぎ部屋は甘い良い香りがほんのりします。
ぱりぱりになったらうさちゃんに食べさせますが、干してあるところに近づくとうさちゃんは察して下僕の足下に瞬間移動してきます。
うたっちしたり、じーっと見つめてくるしぐさはたいへん可愛いですが、手からぱりぱりをとっていく素早さとか、思わず「ふんがっ」と鼻が鳴ってしまうところにウサギなりの強さを感じます。食べた直後はうさちゃんもイチゴの香りがします。
香るイチゴとかわいいうさぎなんて夢のようだよ。
うさちゃん自身はすぐに毛繕いをしてリセットしているようですが。

さて、ウサくささ、下僕達はウサギが居る匂いはおそらく好きだろうし、家じゅうがウサくさいわけではありませんが、とんでもないと思う人もいるでしょう。
嫌がる人はいる(多いかも)という想像力は私にも一応残っていますが、ウサくささに気づくたびに「あー、ウサギが一緒に暮らしている!」「しかも元気な感じ!」と嬉しく思うほうがまさってしまうのです。