in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #3
~ 16年振りの帰郷。どさりと送られてきたおばばの靴たち ~
「もうね。あたくしは終活ですからね。
店じまいはさっさときれいさっぱりね。
あたくしのお靴。ちゃ~んとまだ履けるでしょ!
ま、生前贈与ってことです!せ・い・ぜ・ん・ぞうよ!」
終活とか
生前贈与とか
大きな声では言わない方がいいことを
大きな声で言っている母のしごとはいつもながら早い。
実家は帰るたび、こざっぱりと風通しのいい風情になる。
しかし。
「終活」だの「生前贈与」だのと言って、
今まで履いていた靴の大半をわたしに送り付けた送った母の下駄箱には
何やら「新しい」靴が増殖を始めている。
おばば、今の気に入りはロジェ・ヴィヴィエ。
もともとはわたしが、「いいわ~きれいだわ~でも買えっこないわ~」と
憧れていたこちらの靴を
「ふ~~~ん」と冷めた横目で見ていた母が
「決めた!あたくしはもうここのお靴だけ履くことにする!」と宣言をして
はじめは大阪、次に東京
靴のためなら、にしひがし。
それが先ごろ、地元の名古屋にもこのお店が入るようになって
「なんだかっ。。つまらないわね」と
「あたくしのロジェ・ヴィヴィエ」感に悔しさを滲ませつつ
でも、さっさと新しいお店の方ともため口で話すようになりつつ
おばば79歳、
どうかすれば学生さんの一か月分の下宿代
払えるんじゃないのぉ???(あほかいな!)っていう
将来ある若者ひとり、住めそうな靴で、
今日もデパートを「心身の健康のために」行脚する。
さて、季節はすっかり秋。
秋ね~ 秋。。。
年がら年中秋風が吹くお財布の娘は おばば靴から「秋」を探す。
はてさて。おばば靴 どう履くか。。。
そういえば
おばばのお古服ってのもあったな。
このおばば服
ツインセットの中身がありえないアメリカンスリーブ垂乳根風。
おばばがあるときこの上下(あくまで上下)を着てお食事に行き
お店の入り口で「コートをお預かりします」と言われたらしい。
この上着、何があっても「お預け」は………できますまい。
似たようなはなしをかなり前の林真理子さんのブログで読んだ。
林さんがとあるお寿司やさんで赤ワインを注文し
お給仕の方があやまって林さんの白いジャケットにワインをこぼしてしまった。
お店の方は恐縮して「すぐに奥できれいにしてまいります」と言い
林さんはたしか下にノースリーブのインナーをお召しだったとかで
「いいです!だいじょうぶです!」とそれを固辞。
しばらく「お脱ぎください」「いえ脱ぎません」の問答ののち
たしかあのときは林さんが根負けされたんじゃなかったかな。
そういえば林さん
お着物の時のお草履が大きいので
お料理屋さんで履物を脱ぐのがとてもお嫌なのだとか。。
今日のお題* おんなには脱げないワケがある。
フランス好き 舞台バレエ好き アート建築好きのみなさま、
どうぞお出かけください。まさに万華鏡の楽しさです。(サヴァラン)
【サヴァランのやさぐれ中すday 】更新予定~
第1火曜 …「もってけBENTOU」
第2火曜 …「サヴァランは見た!」
第3火曜 …「おばばの靴」
第4火曜 …「やっぱりおやつ♡」
いつでもどこでもやさぐれサヴァラン♪
旧コンテンツはこちらです。→ 「晴れ、時々やさぐれ日記」
パプリカ
サヴァランさま
お久しぶりです。
いつもサヴァランさんの
『美・食・住』ワールドには
圧倒されて読ませていただいております。
本日の
お母様の美術品クラスのパンプスコレクションシリーズも
ため息混じりで読ませていただいておりましたが、
途中、サヴァランさんのキャラ変更かと思うような
記述がみられ、喜びいさんでコメントうちはじめました。
が、
結果、すんでのところで間違いに気づき、
教養のなさをさらけ出すハメになる所でしたが、
でもその間違いが自分でもあまりに可笑しくてコメントさせていただきます。
お母様の素晴らしく魅惑的なドレスについて
サヴァランさんの教養溢れる記述
『アメリカンノースリーブ垂乳根風』を
↓
『アメリカンノースリーブ taretiti風』
と読んでしまったのです。(爆)
母 たらちね … 絶妙な表現になな、ナント
あらためてお詫び申し上げます。
やっぱり、サヴァランさんのキャラ変更はありませんでした。
これからも際どい、ディープでスリリングな教養表現を楽しみにしております。
サヴァラン Post author
パプリカさま!
コメントありがとうございます!
いえいえいえ間違いだなんてとんでもありません!
だって、わたしと母は
見まごうことなきtaretiti母娘ですもの~~~\(^o^)/
それにしてもこのワンピース
デザイナーは何を考えてこのかたちにしたのやら。
もしかして布が足らなかった?
いや実は、授乳用だった???
いろいろなぞはつきませんが、タグにあるpoiって
「それから」とか「その後」などの意味があるそうで
後期高齢親子の前途を暗に示しているようないないような(´艸`*)
また鋭いご感想をいただけると嬉しく存じます~~~♪
パプリカ
サヴァランさま
“poi” とはそういう意味だったのですね。
それから、その後…
なんという意味深なロゴでしょう!
ツインを着た状態は シック な装い、
入口で上着を預けた瞬間に 殿方の眼を釘付けに…
食事を終えてレストランを出た二人は…
その後 ”poi” ですよね。
後期高齢者なんて失礼な!
お母様、いつまでも艶やかに…
サヴァランさんも負けてはダメですよ。
サヴァラン Post author
パプリカさま
おはようございます♡
「(おばばに)負けてはダメですよ」。
ああ、なんと力強い応援をいただけたことか!!!
今日もこれから、おばばと会う用事があるのですが
パプリカさんのこの言葉を胸に丁々発止でがんばります!ふがっ!!!
(あ。ポイワンピ。上着は死んでも脱げませんの。母娘ともども。
おばばもきっかりそう申してました。
「これは人前では死んでも脱げない。公害になってはいけないから」と。
この「死んでも」という言葉
おばばが言うとリアル過ぎて別次元の笑いがとれます(´艸`*))
カレイドスコープ
ロジェ・ヴィヴィエのお写真、使ってくださってありがとうございます。
永遠のデザインですね!
サヴァラン Post author
まあ!!
カレイドスコープさま!!
コメントをありがとうございます!
そして
こちらこそ
お写真を拝借させていただきましてありがとうございました。
このシルクスクリーンのロジェ・ヴィヴィエ。
まさにまさにヴィヴィエを代表する永遠のアイコンシューズですよね。
中世の男性貴族の靴を思わせるバックル
それでいて女性の足を最大限に美しく見せてくれるモダンで斬新なつくり。。。
背景のデザインもモンドリアン調で
拝見したときからずっとずっと印象に残っておりました。
ブログはいつも本当に楽しみに読ませていただいております。
最近のパステルの記事もスーピエールの記事も
「そこ!そこ!そこに触れたい!そこを覗いてみたい!」と思う記事ばかりで
こちらにいながらにしてパリの街を歩いてまわっているような錯覚に陥ります。
どうぞ今後とも
万華鏡のように魅惑的なフランス情報をお送りいただけると嬉しく存じます。
そしてよろしければ
当webマガジンへもお運びください。
このたびは本当にありがとうございました。