独断的ミラノ奥座敷
外壁に彫刻がほどこされているような重厚で歴史を感じさせる建物があるのは、ほんの中心部だけで十分歩ける範囲。そこら中に犬のウ○チが転がっているので、全神経の2割ほどを地面に向けながらのドゥォモを中心とする一般的表面的観光は、さすがミラノ4年目ともなるとなんだか飽き足らなくなってきた。
そんなわけでイタリア人友、エリザベッタことエリーザに聞いてみた。
「ミラノ中心地で、かつ静かで観光客があふれていなくて、かつゆったりと食事が楽しめて、かつミラネーゼたちの実生活を垣間見れるようなところにつれてって~!」
そんな不可能とも取れる私の要求に対して、翌日「了解」の返信メール。
エリーザはミラノ出身ではないので、お行儀の悪さとプライドの高さに時折いらっとするミラネーゼたちの悪口まで言いあえる、スペシャル級のイタリア人友なのだ。
彼女の案内で私たちが向かったのはミラノ中心地にある「ヴィッラ ネッキ カンピリオ」。
1900年代初め、イタリアのミシンの会社を設立したネッキ家。鉄製品を扱うので戦争の特需も
あって大儲けしたお家柄。当時の最先端テクノロジーを駆使して作られお城のようなその邸宅には、美術館級のお宝が詰まっているんだもの。子孫がいなかったネッキ夫妻没後、住人がいなくなったといってもこのまま廃墟化するのはあまりにも価値がありすぎ。
そこで少し手を入れて2008年より邸宅博物館として一般公開されるに至ったそう。
まずは入口でチケットを購入後、素晴らしく手入れされたお庭にあるレストランでお昼の予約。お天気にも恵まれ、ミラノ中心街からほんの数分なのに、きらきらと太陽の木漏れ日が別世界を演出してくれているよう!やっぱりミラノ、懐深いわ~!
犬のウ○チで汚い、やら、お行儀が悪い、なんて言って悪かった!
まずは、お庭をゆっくり散歩。その間、エリーザがイタリア語の解説を速攻英語で翻訳してくれる。私のイタリア語力ではパンフレットの細かな解説読むのに1日かかりそうだもの。そのうえ、私の変な英語もさっさと理解してくれるばかりでなく、時折私の発する「なんですの、これ???」やら「ちょっと、これすごいわ!」などの大阪弁も素早く感知して的確な答えを返してくれるというウルトラ級の言語能力の持ち主なのだ。エリーザは娘の親友であるフランチェスカのママ。この先もケンカしないで仲良くしてね~!
ミラノで初めて屋外温水プールを作ったそう。 建設が1932年から始まっているから、その時代に温水プールを作ったっていうから当時の相当なテクノロジーを駆使したもよう。
ここからの、邸宅をバックに花々が生い茂る眺めは、ため息が出るほどのすばらしさ。
お庭見学の後は邸宅内見学スタート。 ここからは完全イタリア語ガイド付き。玄関口でまずイタリア人ガイドの注意事項。
「写真を撮るには5ユーロ払ってください。」
5,6人のイタリア人のグループと一緒だったが、その時ばかりは唯一の外国人の私を凝視していたのはまちがいないわ!
「なんでんねん~ 感じ悪いやおまへんか???」
説明によると、この邸宅を維持するのに1日2000ユーロ(30万弱)かかるらしい。なので多くの資金が必要だそう。「一人でも多くの日本人やら外国人を誘ってほしい」と最後は熱いまなざしで見つめられたわ。そうなのね、文化を継承していくために頑張っているのね、と妙に納得。
言いたいことは言わせてもらうが、反省やら納得やらの切り替えが早いのも大阪おばちゃんの特徴なのよ~!
これは応接室。まるでお城なみ!実際にお姫様が遊びに来られていたそう。お姫様用の寝室まである。
それにしても、このイタリア人ガイド、この邸宅を相当愛している模様。ガイドの長く熱い解説から解放された後は予約していたレストランに直行。
お味はさておき雰囲気と、それに何より客層が最高であちこちでしゃれたビジネスマンがワイン片手に商談中!
すきっ腹にプロセッコと呼ばれるスパークリング白ワインが心地よくしみこむのがわかる。
なにわのおかんは、根拠もなく 近いうちにこの商談に加わる! ことを密かに決意したのでありました~!
それにしてもイタリア男というのは うつくしおますな!!!
ヴィラ ネッキ カンピリオ のウエブサイトはこちら→★
mity(ミティ)さんのプロフィール
1966年大阪市内の下町生まれ、下町育ち。「ひま!」を持て余して、野生児のように自由な少女期を送る。同級生だったオッチャン(夫)の仕事の都合で、海外生活は18年。
関西人的思考、生き方は海外では案外やりやすい、と実感を強めている今日この頃。現在はイタリアミラノ在住、3人の子供とワン連れのたくましくも美しい現在進行形大阪のおばちゃん。
★質問やコメントなどどうぞ♪ mityさんが実際に答えてくださいまよーー!ミラノマダム事情もどうぞ。mityさんが知っているかどうかはわからんけど(笑)
iris
ミラノ!むかーし、5時間だけ(笑)滞在したことあります!鉄道乗り継ぎの合間をぬって。
オシャレスナップみたいなミラネーゼを一目見ようと、勇んで向かうと、日曜日でそんな女性は一人もいなかった…。ドゥオモにも登れず…。唯一開いてた靴屋さんの靴はみんな8センチピンヒールだった…。
私がみることがなかったミラノを見せて下さいね〜(^^)
mity
おしゃれなミラネーゼがいるにはいますが、私のような「普通のおばちゃん」もいっぱいいます~!私の周りのイタリア人たちは「ヒールなんか足痛くてはけるか!」っていう人たちばかり。自慢にもなりませんが。。。
地元のイタリア人たちは案外大阪人と通じるところが多くて、なんや~このままでええんや~、と実感深める今日この頃。
あ~、大阪のおばちゃんでよかった! これからもよろしくお願いします!
じじょうくみこ
mityさん、連載楽しみにしておりました♪
えー、1回目からお聞きしたいポイント満載ですが
1こだけ選んでおたずねしますと
「うつくしおますイタリア男」について
ぜひともくわしくお聞きしたく(笑)
mity
じしょうくみこさま
今回初めての連載でちょっと欲張っていろんなことかきすぎました~!
イタリア男についてはここが「ほぼ女性誌」である以上、避けては通れない話題とはおもっておりました。
追々ご紹介いたします!
これおからもよろしくお願いいたしまーす!