ゾロメ的つれづれ・ずれずれ・ブレブレ日記⑫ 人生は読書日記だ!
◆6月某日 ロクデナシ小説編
佐藤正午『鳩の撃退法 上下』を読む。
饒舌で、まわりくどくて、時系列や人称が定まらず、感情移入できる登場人物がいなくて、主人公は刹那的で不健康で、エロい描写には妙に力が入った、ミステリーなのか主人公をダシにした作者の脳内妄想ダダ流しなのかわからない、手の込んだサプライズみたいな小説だ。
でも、それらはもれなく誉め言葉だったりする。おもしろかった。最後の妙なせつなさったらない。さすが、『Y』『ジャンプ』の佐藤正午だ。してやられた感MAX。
◆6月某日 シュール児童書編
『特急おべんとう号』(岡田よしたか 文・絵)の中の「全日本おべんとうマラソン」を、2時間目には1年2組、6時間目には1年1組に読み聞かせ。
世界初のおべんとうのおかずたちによるマラソン大会。シュールな設定と展開、既成概念という額縁からはみ出した絵に、時折挿入されたとぼけた関西弁が映える映える。
「あーっ、なんちゅうことしてくれんねん」(コロッケ談)。
最初こそ、その自由過ぎる世界観に目が「??」マーク気味の子どもたちだったが、徐々に前のめりになってきて、どちらのクラスでも大ウケした。●●が1位でゴールインしたところなんて、拍手したり「やったー!」と叫ぶ子までいた。自分が書いたわけじゃないのに、してやったり感MAX。
◆6月某日 立ち読み雑誌編
久しぶりに本屋さんで雑誌の立ち読み。
小粋なマダム系、こってりゴージャス系、ことさら現役アピール系、こだわりナチュラル系・・年齢層が高め想定のファッション誌もいろいろあるが(「こ」始まりで形容してみた)、残念ながらどれにもあまりそそられない。
いちばん好感が持てたのは『FUDGE』。以前からHPの街角スナップを見るのが好きなのだ。ちょっと見はナチュラルテイストでも「ばっさばっさ感」がない。軽い分、清潔感が増す感じ。
でも実際に購入した雑誌は『天然生活』。家中、片づけたいところ満載なので、つい。
◆7月某日 人柄が出る人生相談編
『ジェーン・スー 相談は踊る』を読む。
同名のラジオ番組、実は聴いたことがない。だが、同じTBSラジオの『たまむすび』で知ったジェーン・スーさん、そして人生相談というジャンル、どちらも気になるので、こりゃ読むしかないべ、と。
業界っぽい人だと思ってた。アタマの回転が早く、ラジオで流暢にしゃべり(私にはLiLiCoさんと声の区別がつかない)、コメントもTwitterの文脈もキャッチーで、自虐的な自己分析も悲愴過ぎず下品にもならず・・って、バランス良すぎて逆にイヤラシいわ!と言いたいぐらいなのだが、この本を読んで、無骨なくらいマジメで・・要するにいい人なのだと思った。
いや、実際はどうかはわからないという考えもある。「実はいい人」というキャラ設定をして業界を生きていく戦略は充分ありだと思うし、間違ってもいないし。でも、毎回ほぼ変わるお相手「代行MC」(←このネーミングはわかりづらいと思う)が予定調和の、いかにも人生相談の模範回答的定型句をコメントしたときでも、安易に乗っからず、必ず自分の気持ちと照合するあたりに、誠実な人柄がにじみ出ていると思う。
そんななか、印象に残った三言。
「我慢の投資は回収できない」
「好きに勝ち負けがある感じが悔しい」
「生え抜きが一番使い物にならない」
最後のは膝を打った。強打した。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
KO
FUDGEは最近よく読んでいます。
ファッション雑誌の中では対象年齢からおおきくはずれていても、一番好きです。
たまたま長い待ち時間があり、天然生活も読みました。
おかげで空いた時間に片付けを始めました。
煮詰まると片付けがしたくなるのが不思議です。
サヴァラン
FUDGE
あの中に登場する「人の雰囲気」が好物です。
「好きよーーー♪」って、手を振るために本屋さんで開きます。
しかし。
あの表紙の角ばったフォントは、
あれ、中身とバランスとれてますか?
他には少し前までの「giorni」。
この表紙デザイン、
ごちゃごちゃして安っぽくてヘンーーーーと思っていたら
最近変わったようで。よしよし。
表紙のフォントとデザインの美しさは、
実は「きょうの料理」が秀逸だな~と。
あら。なんのハナシだったかしら(‘◇’)ゞ
つまみ Post author
KOさん、コメントありがとうございます。
FUDGEのタイトルを出すこと、実はちょっと躊躇したのですが、同世代の友人からも「私も好き」と賛同をもらったところでした。
KOさんのコメントで一気に強気に!?
煮詰まると片づけたくなります。
私の場合、精神がとっちらかってしまうことが「煮詰まる」なので、せめて物理的には片づけたくなる、代替行為みたいなものなのかなあと思っています。
つまみ Post author
サヴァランさん、こんにちはー。
おおっ!フォントとは、さすがの目のつけどころ。
そう思って見ると、ちょっとそぐわない気がしてきました。
FUDGE、若干、削り感もあるフォントですね。
「きょうの料理」の表紙、検索しました。
落ち着いた佇まい。
「今日」じゃなくて「きょう」だと、京にも、きよう(器用)にも、きょうという人名にも思えて、幻惑されます!!
あら。私もなんのハナシだったかしら。