冬の花
2月になりました。明るい時間は少しづつ伸びてきましたが寒さはMAX本番ですね。通勤で歩く道沿いの植栽に山茶花が多く植えられている場所があり、椿ほど派手ではないけど冬の寒くて花の少ない季節に、ふと気が付くと濃いピンクの花を咲かせてくれています。

実は植栽の山茶花を長い間一重の椿だと思って見ていたのですが、枯れた花の花びらがパラパラと地面をピンク色に染めているのを見て、花ごと落ちていないから椿じゃなくて山茶花だと気が付いたのでした。山茶花、ゴメン!
そんな山茶花を見るとつい頭の中で「さざんかさざんか咲いた道~♪」と童謡の「たきび」を唄ってしまうまでがセットの私の冬の通勤の日常。頭の中で歌いながら通勤できる毎日が本当にありがたいと感謝している今日この頃なのです。

実は1年半くらい前から急に股関節が悪くなり、去年の4月頃にはたった1~2段の階段さえ上るのが怖いくらい痛みが強くなっていました。ネットの情報や知り合いの伝手を使って良さそうな股関節外来を2か所ほど受診した結果、先天的に股関節の形が悪く痛みが強いのでもう手術適応でしょうとの診断。
仲良しのにゃんこ先輩も数年前から股関節が悪くなっていて、私の股関節痛と診断の話をしたところ「2人で定年した後に一緒に手術を受けるのもありだなぁと思ったけどね」と。えっ、なんだか合宿みたい!と大部屋のベットに二人並んで入院している姿を想像してちょっと楽しくなりましたが、痛みの具合を考えると私は2年以上も待てなさそう。

手術を受けることに関しては全く抵抗はなくすぐにでも受けたいとすら思ったのですが、私の職場の状況的にちょっと難しく、また年末年始がカレンダー的に長期に休みがとれそうだったので、私の中で年末年始に手術を受けようと決めました。
そんな話を上司や周りのスタッフにもして少し時間がたったある日、私は溜めていた業務を一人片付けていると、若いスタッフが声を掛けてきたのです。「ゆみるさんの手術の時ににゃんこ達のお世話をする人は決まっていますか?」と。

更に「ゆみるさんなら助けてくれるお友達も多いと思いますが(そんなことはありません、キッパリ!と私の心の声)、私もお手伝い出来るのでその時は声をかけて下さいね」と続けてくれるました。思いがけない優しい言葉に還暦まであと2年のおばちちゃんは「え~ん、嬉しくて涙が出ちゃう!その言葉で治っちゃうかも」と実際に涙ぐんでしまうくらい嬉しかったのです。
彼女はとても礼儀正しくスタッフ誰に対しても感じよく接してくれます。そしてとにかく姿勢が良いのです。空手をずっと習っていて、素人が見てもわかる体幹が整っている感じの無駄のない姿勢の良さ、。彼女を見る度に何かに似ていると感じながらも何かが思いつきませんでした。

「その言葉で治っちゃうかも」と言いましたがが、本当にその数か月後に痛みがほぼなくなったのです。階段での痛みはもちろん、床に落とした物を拾うにも気合を入れて覚悟を決めないとかがむことが出来ないくらいだったのに。
実は手術を受けるにあたりネットで情報収集を始めていました。すると手術を受けた後のリハビリは手術前の筋力で差が出るとあり、ネットで調べたものや同僚が知り合いの理学療法士さんから聞いたという筋トレを3種類に絞り(股関節用の筋トレってすごくたくさん出てきたんです)合わせて5分ほど1日2回朝と晩に気休めくらいで始めたら、なんと2週間くらいで階段を上る時の痛みが明らかに減ってきたのです。

結果が出ればやる気も出るもので1日10分のミニミニ筋トレを継続(まあ1日たったの10分でしたしね)して3か月ほどたったある日、朝の通勤途中で足の痛みや違和感を忘れていたことに気が付いたのです。う~ん、これなら定年まで手術しなくても大丈夫そう。そう思って一番初めに優しい気遣いをくれた彼女に報告しました。私にかけてくれた気遣いの言葉が本当に嬉しかったことも一緒に。
そうして年末になり駅前の花屋さんの前を通りかかると正月用の切り花が目に留りました。青々とした松の枝や南天のたっぷり実った赤い実と一緒に日本水仙の切り花がたくさん店頭に活けられていました。すぅーとまっすぐに伸びた茎の清々しい水仙の花。あっ、彼女がいた!と思ったのです。更にもっと例えて言うなら床の間に置かれた一輪挿しに活けられた水仙の花。(でもお顔は大輪の八重椿のような華やか美人なのですよ。)

年が明けて水仙の花に似てると思ったと彼女に伝えようとしたら、ガーン!なんと年度末で退職して地元に帰るとのこと。「ゆみるさんの手術の話を聞いたので年度末まで伸ばしたんです。にゃんこ達のことがあるから」と最後まで私と猫達を気遣ってくれていた水仙の君。

水仙の君と一緒働けるのもあとひと月ほど。まっすぐに伸びたその姿を目に焼き付けておかなくちゃと思いながら、送別の品に添えるカードには、気遣いへの感謝と水仙の君のやさしさが素敵な未来と出会いを約束していると書こうと思います。これからお正月に水仙の花を見る度に彼女のことを思いだすのだろうなと少し寂しくなった1月なのでした。
















































































