Posted on 2016年4月9日 by あきら

握手もセックスも弱いところをさらしてくっつけあう。弱い方に心があるからでしょうか？

およそ8カ月のごぶさたとなりました。みなさま、今日もまた、ほどよい憂いと人には言えぬ満たされない思いを抱えてお過ごしでしょうか？

こんばんは、カリーナです。

あきらさんとのやりとりは、ずっーーと続いていたんです。でも、次第にツイッターのDMでやりとりするようになり（あきらさんは、ゴロッと横になってスマホで送っているらしい）。なかなか、まとまった記事になりにくかったのでした。

でも、こういったダラけたやりとりのなかにも忘れてしまうにはもったいないものもあり、忘れてしまわないと困るものもあり…ちょっと整理してじっくり読んでみました。そしたら、面白かった。その後、それぞれ加筆や修正もしました。

というわけで、これからまたしばらく、夜のオバフォー「Sex and the Age」がつづきます。よかったら、のんびり、ゆったりお読みください。

１回めからご覧になる方はこちらからどうぞ。今回は、あきらさんからわたしへのメールです。

【あきら→カリーナ　2015・4・8 3:04AM】

こんばんは。

ワタシね。去年の秋に弱って寂しくなってから、優しくするのもちょっとだけ上手になった気がする。ホントかなぁ。笑 　ブログにも書いたんだけど、優しさや思いやりの宛先になったり、何処かの宛先に届けたりすることで、生かされているんだなぁと、この頃実感しています。

先日、ワタシと同年配の女性でお母さまの看護をなさっている方と久しぶりにおはなしをしてね。彼女が「母が望むかどうかわからないけど、もうすこし世話をしたいからお母さんに胃瘻をしてもらいました」と仰ったの。言われてみれば納得できたのだけど、個人的な感覚からすると初めは意外な気がしたんだよ。

我がことにしても、家族も自分も確実に歳をとってゆくし、病気かどうか、ベッドサイドにいるかどうかということだけでなく、生きていることはケアの現場にいるということなんだなぁと思ったの。

そんなこんなで、ホスピスケアの徳永進さんと哲学者の鷲田清一さんの「ケアの宛先」という本も読みました。

その中でね、哲学で答えが出てない最大の課題のひとつが心とからだの問題だと。心があってからだがあるのか、それはひとつのものなのか、本当はからだしか無くて心は影みたいにくっついているのか？　ってこと。

でねでね、その中でね、

「生まれること死ぬことと深く結びついているのがセックスですけど、人間だけが向き合ってするんですよ。・・・統合失調症のお子さんは手のひらを開いてハイハイできなくて拳骨のようにとじてしまう。握手もセックスも弱いところをさらしてくっつけあう。弱い方に心があるからでしょうか？

いちばん弱いところを無防備に開くことで、相手への信頼を表現する。人間だけが信頼という文化を作ってきたんです。」

「以前、対談した時に心は皮膚と皮膚、肌と肌が触れ合うところにある、と仰っていたと思います。…つらい思いや恥ずかしい思いをして「チクショー」って思わず言葉がもれる時には、こころは歯と歯のあいだにあるんです。

表面と表面の接触が高まったときに合掌になるんですよ。・・男女が舌と舌をからみあわせるのは、これだって心的なものの交換ですよね。心がつながっているということの確認をしているわけでしょ。

「皮膚と皮膚が、表面と表面が合わさるところに魂が生まれる」と言ったのはミシェル・セールというフランスの哲学者。」

とかいうくだりが出てきて、とっても興味をひかれたし、「セックス＆ザ・エイジ」的な着目じゃないかな、と。

身をゆだねる能力は生きていく上で必要だと思うし、ゆだねたいという欲求もここにきて強くなってる気がするの。マッサージだとかネイルをしてもらうとかエステだとか何かそういうものが欲しくなる。切実に撫でられたい。ゆだねる側じゃないかもしれないけど犬猫を撫でるとかも通じてるよね。高齢になって世話をしてもらうにしても、上手にゆだねられるって重要なことだと思う。からだも心も。

若い時から実感としてわかっている人は当たり前にわかってるんだろうけど、キスもセックスなんだなと。あと舐めるも。赤ちゃんが何でも舐めてしまうのともつながってるのかな？　まぐわう (目合う）。みつめあう。さするとか撫でるとか。

セックスも心のケアかなぁ？　とすればやはりセックスしたいなぁ。

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