ジョンよりポール。
ジョン・レノンに憧れていたのになあ。
どっちかというと、ポールなんて商業主義にどっぷり浸かった下らない奴だ！とか言っていた気がするんだよなあ。それに比べて「ジョンは素晴らしい！個人の尊厳とか、愛とかそういうものをジョンはわかっている！」とかなとか言ってなかったっけ、おれ。
それが最近聞くのはポールばっかり。ポールの『Let Me In』のイントロのチャイムで目覚め、『ロンドン・タウン』で出勤。車を運転する時には『Jet』は欠かせないのである。
甘い歌声で、軽快なテンポのヒット曲が次から次へと繰り出されてくる様子を見ていると、本当にうまい、本当にすごいと思ってしまう。歌について語るよりも、シンプルにいい曲をコンスタントに発表してきたポールのすごみを感じてしまうようになったのかもしれない。
だけど、これに似たような感じをどこかで感じたことがあるなあ。なんだろう。
たとえば、あれほど好きだったソニー製品を買わなくなったことにも似ているような気がする。今のようにソニーの人気が凋落する前の話。
以前は、「ソニー製品は壊れやすい」とか言われていても、「それでも、かっこいいんだよ」とか「それでも革新的なんだよ」ということの方が大切だった。ところが、三十を超えたあたりで、「いやいや、長くじっくり使えることのほうが大切だ。やっぱりパナソニックかなあ」なんて考えることが増えた。
ジョンより、ポールっていうのは、歳を取った証拠なのか？ 気持ちが保守的になったってことなのか。いろいろ考えたのだけれども、逆に目先のかっこよさではなく、出来上がった作品をじっくり見つめる余裕ができたという結論に自分では行き着いたのだった。
もちろん、本当のところはわからない。わからないけれども、まあ、ジョンよりポールって、論より証拠みたいで、ちょっとおもしろいなあと思う今日この頃である。
ちなみに、これを書いている今も、僕のiPhoneからは『バンド・オン・ザ・ラン』が流れているのである。
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植松眞人（うえまつまさと） １９６２年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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れこ
この話題、コメントせずにはおれません…！
何と言いましょうか、人生のその時その時でジョン派だったり、ポール派だったり、
コロコロ変わっちゃうんですよね～。
私は以前読んだ、ジョンの最初の奥さんが書いた本のイメージが強くて、
（ジョンは情熱的だったが、焼きもち焼きで女癖が悪かったとかなんとか）
「ジョンってば女の敵！なにさ！やっぱりポールの方が紳士よね！」
と思ってきた今日この頃でした。
が、先週封切られたビートルズの映画を観た途端、私の中でジョン熱が再発。
もちろん４人そろってのビートルズであって、誰を見てもかっちょいいのですが、
自分ってばいい加減！なにさ！
あ、確かに家電は前ほどSONYを買わなくなってしまいました。なぜだ。
okosama
uematsuさん、こんばんは
ジョンよりポール、ですか？
ジョンもポールも、ではなくて？
より広く軽ろやかな方に向くのは、歳をとった証拠だと思います、私は。
もともとポール派ですが、My LoveよりSilly love songsがいいわと思う今日この頃です。
uematsu Post author
れこさん
最初はやっぱり４人そろったビートルズですよね。
で、その後、ジョンが好きだとか、ポールがいいとか、ジョージも外せないとか、ひょうきんなリンゴよねとか。
全員の才能とキャラが立っているっていうのが魅力ですね。
ソニーを買わなくなったのは、やっぱりソニーのキャラが立たなくなってきたからかもしれませんね。
uematsu Post author
okosamaさん
僕もMy LoveよりSilly love songs派です。
でも、中学の時、最初に一番聞いていたのはジョージなんですよね。
ギターは泣いている、とか、大好きでした。
リンゴは歌手としてよりも役者として好きだったなあ。
「おかしなおかしな石器人」とか妙な映画によく出ていた気がします。
と、考えると結局全員好きなんじゃないの？ってことですよね（笑）
まぁ
植松さん、初めまして。
ジョン派かポール派かって昔はよく語られてましたよね。
私は二人とも好きなんですが
どちらかと言うとジョンに傾倒してました。
ジョンが亡くなって彼を神格化してたんですが、20数年前ポールのライヴを観て圧倒されポールの魅力を再確認。
それ以来、ポールが来日する度ライヴに参戦してるわけですが
70歳を越えてパワフルな彼を観ていると
つくづくジョンが早逝したことが残念です。
uematsu Post author
ジョンが亡くなったのは僕が高校生の頃。やっぱり、インパクトが強かったですねえ。
ジョンの場合は、政治的な色合いもあり、イメージが肥大化した部分もあるのかもしれません。
しかし、それにしても、ポールはいつまでも元気でパワフルですね。
憧れます