毒を吐き出して : 介護トークミーテイングへのお誘い
前々回の記事や『介護の言葉』でもお知らせしましたが、
7月末に、介護する人、介護することについて考えるトークミーティングを開催することになりました。
このミーティングのきっかけは、私の愚痴でした。
介護についてとある人から言われた言葉に腹を立てた私は、
『介護の言葉』の対談相手もしていただいた月亭つまみさんに、乱暴な言葉を使って愚痴を言いました。
子が親の介護をするのは当たり前。
親に対する感謝の気持ちがあればどんなことでもできるはず。
「そんな言葉にさぁ『うるせぇ!きれいごと言いやがって!』と思ってしまったんだよ…」と言う私に
「それは腹が立って当たり前だよ。うるせぇ!だよね」と寄り添ってくれたつまみさん。
そこから私たちは、介護するということを美談に仕上げようとする人、美談であるべきと思う人がいかに多いか、
そして、そのせいで介護する人が自分の黒い気持ちに罪悪感や自己嫌悪を抱いてしまうのだということを話し合いました。
身内の介護をしていると、どうしようもなく追い詰められてしまうことがあります。
例えば、怒りにまかせて暴言を吐き暴れる母と対峙する時、私はいつも心の中で「誰か助けて」と念じ続けています。
誰か助けて。私は壊れてしまう。誰か助けて。私は母を壊してしまう。
でも、その「誰か」が誰なのかがまったくわからないのです。
本を読んでも、ネットを検索しても、介護される人のための情報は色々あっても、
介護する人を救ってくれる情報やシステムはほとんどありません。
それでも、自分が壊れてしまいそうな状況の中で「感謝の気持ちがあるなら何でもできる」と言われ、
相手を壊してしまいそうな自分に怯えているのに「介護、偉いわねぇ」と美化される。
みんな、どうしているんだろう?
みんな、大丈夫?
そんな話をカリーナさんにしたところ、「イベントしようよ!」。
カリーナのひと声…
自分の愚痴から始まった話が一気に大きな話になってしまったことに、そりゃあ戸惑いました。
でも、こんな好機はないとも思いました。
介護する人を救うシステムなんて私には作れっこない。
でも、お互いのどろどろした気持ちに寄り添うことはできるかもしれない。
つまみさんが私にしてくれたように。
というわけで、7月末、都内・新橋でトークミーティングを開催します。
題して『カイゴ・デトックス ―黒い気持ちに黒く寄り添う』。
このミーテイングのルールはいたってシンプルです。
『否定しない。非難しない。美化しない』
介護真っただ中の方、今の辛さやドロドロした気持ちを吐き出してみませんか?
過去に介護経験がある方、あの時の気持ちを思い出してみませんか?
介護未経験の方、介護する人、介護することの現実を覗きに来ませんか?
美味しいランチとおやつを食べながら、一緒にお話ししましょう。
オバフォーからは、月亭つまみさん、Cometさん、カリーナさん、私ミカスが参加します。
(他のメンバーも何人かサポート参加してくれますよ)
詳細と参加申し込みの受付は7月2日(月)のオバフォーサイトにてお知らせします。
ご参加いただける人数に限りがありますので、お申し込みはお早めに。
皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
ミカスでした。
追伸
介護真っ只中の方、このミーテイングを口実に、数時間でも介護から離れて自分のための時間を持ちませんか?
他の家族に頼む。ショートステイを利用する。デイケアを利用する。
もしあなたがこれまでそれを躊躇していたのだとしたら、どうか勇気を出して一歩踏み出してください。
そして、会場で「思い切って一歩踏み出しました!」と私に声をかけてください。
あなたを待ってます。
いまねえ
ミカスさん、つまみさん、こんにちは。
「介護する人を救ってくれる情報やシステムがない」
まさしく、そうなんですね。
親の介護が必要になったとき子供が何人かいたとしても
兄弟皆で仲良く、とはいかない部分があります。
コック多けりゃ料理はめちゃめちゃ、船頭多けりゃ船沈む、
というとおり誰か中心になる人がでます。
親も平等に頼るわけではない、
最も身近に接する人に頼るわけですし。
他の兄弟や親せきとは情報共有はするけれど、
同じ親の子であっても中心となる人との負担の差は大きく、
日常生活で接する人と、そうでない人とは
どうしても伝わり切れない部分があることは
肝に銘じておかねばと思う。
今、義母の介護を義兄夫婦中心にその弟夫婦である
私たちが向き合うことになって、改めて
介護する側(中心的な役割を負う人)へのサポートを
考えさせられることとなりました。
義母が発する「毒」に侵されて追い詰められたような表情の
義兄夫婦が口ケンカするのを止めることはしないけど
どうしたらよいのかとも思うのです。
ミカス Post author
いまねえさん
1人きりでする介護も大変ですが、複数の人が関わることによる複雑さもありますよね。
とはいえ、大抵の場合、介護は主たる介護者とその他という形になります。
皆が満足する形というのは難しいですが、とにかく、介護の実態がどういうものかを全員が知っておくことが大切だと思います。