褒める: ナスサラダ
ちょっと思い出してみてください。
最近誰かを褒めたのはいつですか?
以前、大きな病院でこんな場面に出くわしました。
病院のロビーに車椅子に座った年配の女性がいました。付き添いの方がどこかへ行っているのか、一人でした。
そこへ同年代の女性が駆け寄りました。あぁ、付き添いの方が戻ってきたのかな。
駆け寄ったその女性、車椅子の女性の前に屈みこんで真っすぐ顔を見て「とっても素敵なセーター!」と明るい声を上げました。
やっぱりあの人が付き添いの方なのね、と思った瞬間、駆け寄ったのと同じスピードで、彼女は女性の前から去って行きました。
知り合いではなく、たまたま通りかかった人だったのです。車椅子の女性のセーターが素敵で、それを伝えたくて、彼女のもとへ走り寄ったのでした。
残された車椅子の女性は、ほんの一瞬呆気にとられた顔をして、そして、うれしそうな顔で自分のセーターを撫でました。
私はめったに褒められることがないので、「誰か褒めてよ」と思うことがよくあります。いや、褒めてもらいたければもっと頑張れよ、という話なのですが。
ただ、「褒めて!」という欲求をなだめすかしながらふと思うことがあります。
「そういう私は、誰かを褒めているかしら?」
日本人は褒めるのが苦手、という人がいます。
人種や国籍で一括りにしてしまうのはいいアイデアではないけれど、それでも
私がカナダで経験したことをもとに考えると、やはり、お国柄や環境によって、ちょっとした差はあるかな、と思います。
カナダ人は、たまたま街ですれ違ったような人にいきなり褒められるということがままあります。
鮮やかな赤のセーターを着て街へ出た時は、日に何度も声をかけられました。茶葉を買いに行った紅茶屋さんの店員さんや、カフェで隣に座ったおばあちゃん、駐車場で隣に車を停めていたおばさままで。
「あなたのセーター、素敵な色ねぇ」
「ありがとう。でも、ちょっと派手じゃないかなあ」
「そんなことないわよ。きれいな赤があなたの黒い髪によく合ってる」
それこそ褒められ慣れていなかった私ですから、最初は面食らいました。それでも面白いもので、段々と素直に喜べるようになり、そのうえで、拙いながらも会話を広げられるようにもなりました。
褒められ慣れていないのに突然褒められてしまうと、妙に照れてしまったり、ともすると「きっとお世辞よ」なんてひねくれた考えをしてしまうことさえあります。
それでも、それがたとえ日本でもカナダでも、真っすぐに褒められたらやっぱりうれしいものなのです。
褒められ慣れていないなら、まずは褒めてみようと思います。別に、お世辞やおべっかを言う必要はありません。素敵だと思ったら、素直に素敵だと伝えればいいだけです。美味しいと思ったら美味しいと、似合ってると思ったら似合うと、好きだと思ったら好きだと言えばいいだけです。
とはいえ、それをするのはちょっとこっ恥ずかしいということはわかっているけれど、なんだか、それをすると、その褒め言葉が巡り巡っていつかみーんなが褒めて褒められて…となるような気がします。
さて、今日ご紹介するのは『ナスサラダ』です。
火を使うわけでもなく、とても簡単な一品ですが、妹に教えたら「ナスのアレ、作ってみたら美味しかったよ!」と、珍しくお褒めの言葉をいただいた次第。
そろそろナスの旬も終わりますが、名残りを惜しみながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
ナスサラダ
- ナスのへたを切り落とし、ピーラーなどで皮をむきます。
丸のままで10分ほど水に浸けておきましょう。
浮かび上がらないよう小皿などをかぶせるといいのですが、それでも
皿の端からすり抜けて浮いちゃいますよね、ナスって(涙) - ドレッシングを作っておきましょう。
まず、ボウルでハーブ塩、酢、デイルマスタードを混ぜておきます。 - 2のボウルにオリーブ油を少しずつ加えながら混ぜ、しっかりと混ざり合ったら、ツナを加えます。
- ナスの水気をふき取り、ラップで包みます。空気抜きのために、楊枝で二か所くらいに穴を開けておきましょう。
- 4のナスを、600Wのレンジで3分ほど加熱します。
- ナスが柔らかくなったらレンジから取り出し、ラップをはずします。
熱いのでやけどに気を付けて! - 6のナスを楊枝を使って縦方向に割きます。
- ナスの粗熱が取れたら皿に盛り付け、ドレッシングをかけて出来上がりです。
毎週お知らせししていますが、11月16日(土)にカイゴ・デトックスin京都を開催することになりました。
現在、クラウドファンディングで参加申し込みとご支援を受け付けています。
5,000円以上のご支援で、in京都イベントへご参加いただけます。
尚、このクラウドファンディングで集まった支援金は、今回以降のカイゴ・デトックスの運営費用の一部として使わせていただきます。
オバフォーサイトでも後日改めて参加者募集をしますが、クラウドファンディングでご支援くださった方にはそのリターンとして優先的にお席をご用意プラス小さなギフト(お礼の手紙+東京回の記事録)が付きますのでちょっとお得です。
尚、in京都は定員40名のイベントです。 定員に達し次第募集を締め切りますので、参加を希望される方は早めにぜひクラウドファンディングからお申込みください。
(今回5,000円以上のご支援を下さった方でin京都には参加しないという方は、
次回以降のカイゴ・デトックスへ優先的にご案内いたします)
今回は、canvaskyotoさんの素敵なケータリングビュッフェでランチを楽しんだ後にトークミーティングとなりますので、美味しいランチとぶっちゃけトークによる楽しいデトックスタイムになること請け合いです。
ぜひ、ご参加ください。
既に沢山の方からご支援、in京都への参加表明をいただいています。どうぞ、プロジェクトサイトをのぞいてみて下さい。11月に皆さんにお会いできることを、デトックスフォー一同楽しみに待っています。
ミカスでした。
kokomo
私も海外にいたときに通りすがりに褒められた経験ありです。「そのシャツ素敵!」とか「あなたの髪の毛、ミゾグチの映画に出てくる人みたいで素敵!」とか口に出すとほんの一言二言なのにぱああっと気持ちが明るくなったり。知人から褒められると「どうせ社交辞令だし」と思いがちなのですが、見知らぬ人からの褒め言葉は客観性が高いだけにぐっときますねー。褒められて嫌な気持ちになったことはないし、逆にこちらが褒めて嫌そうな顔になった人もいなかったです。こうやって褒め合えば、混雑時に肩がちょっとぶつかっただけで「ちっ」という人も少なくなって、ちょっとは住みやすい世の中になるのでは....
身近な人には素敵だと思ったらそれを口にするようにはしていますが、見知らぬ人にをいきなり褒めるのはなかなかハードルが高い。車椅子の方に褒め言葉を残していった方は、それがご自分にとって自然なことだったんでしょうね。見習いたいです。
ミカス様、料理が上手でセンスがいい、文章上手すぎ、努力家(10kg減)...まだまだありますが、今日はこのくらいで。
ミカス Post author
kokomoさん
見ず知らずの人にいきなり褒められるって、最初は本当に驚きますよね。
何て答えたらいいのかもわからずにしどろもどろになったものですが、慣れてくると日本スタイルの謙遜などどこへやら、「ありがとう!」と答えられるようになったし、他の人を素直に褒めることも簡単になりました。
でも、日本はまだそこまではいってませんね。
たまたますれ違う人の洋服を褒めたりしたら警戒されちゃうでしょうか?
まずは自分の周りから、褒めていきたいです。
kokomoさん、いつも的確で素敵なコメントをありがとうございます。そのひと言ひと言に、聡明な女性なのだろうなあ、と思いを馳せていますよ。
お会いする日が来たら、褒め殺し合戦をしましょうね。