佐野元春と吉増剛造
NHKの対談番組で佐野元春と吉増剛造が互いに詩を朗読していた。佐野元春のスタイリッシュな詩の朗読は、彼が20代の頃からずっとライブパフォーマンスとして続けてきたポエトリーリーディングの流れの中でごく自然なものだった。片や吉増剛造の詩の朗読も彼が書き手として死に物狂いで書き綴ってきた言葉に新たな命を吹き込む儀式のように見えた。
そして、互いの誌を聞きながら互いがこみ上げる喜びに突き動かされているような表情をしているのがとても感動的だった。言葉によって繋がり、言葉によって動かされ、言葉によって新しい可能性に気付かされる。そんな瞬間を切り取った番組だった。
佐野元春は『SOMEDAY』が大ヒットしたころにはすでにニューヨークで孤高のアルバム『VISITORS』に手をかけていたし、吉増剛造は詩作を写真は映画、音楽といった領域にまで出張りながらもがいていた。そのもがきの末に二人が出会い、互いに違う顔をした言葉をぶつけ合いながらも理解し、リスペクトしている様が芸術のあるべき姿として感動を呼び起こしているのだと僕は思った。
4月2日の深夜にこの番組は再放送される。できるだけ多くの人に見て欲しい。
(※4月3日午前0時~)
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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まんじゅ
植松さんのファンです。このコラムを毎週とても楽しみにしています。
再放送、見ました。
お二方の表情の若々しさに驚きました。相方の朗読を聴いて嬉しそうに口元をほころばせていらっしゃるのを見て、私まで思わずにんまりとしてしまいました。たいへん貴重な映像でした。
教えてくださって、ありがとうございました。
uematsu Post author
まんじゅさん
読んでくださってありがとうございます。
また、佐野さんと吉増さんの番組の感想をありがとうございます。
ほんと、二人とも若々しくて好奇心旺盛で、そして創作意欲が衰えないというところが共通点ですよね。
先日、佐野元春のデビュー40周年武道館コンサートにも出かけたのですが、
若々しくて、しかもきちんと今を歌っている姿に感動しました。