第170回 もうあきらめた、つもり。
まゆぽ:
「してないこと」とか「あきらめた」とか
後ろ向きのお題が続いて申し訳ないです。
そういう星回りなのか、コロナの影響なのか、
とうとうほんとにオリンピックやっちゃいそうで憂鬱なのか、
たぶん全部だと思うけど。
私は実家を出て以来ずっと、公共料金系の領収書をスクラップしてました。
電気、水道、ガス、電話など全部。
スクラップ帳はとんでもない厚さになってました。
そりゃそうだよ、30年分以上だもん。
でもね、捨てたの、それ全部。
プライバシー情報かしらと思って、ある日、
人間シュレッダーとなって片っ端から破いて捨てた。
いつかばあさんになったら、これを入力してグラフ化したりして
楽しもうと思っていたわけなのだけれど、
実際ばあさん年齢になってみたら、
そんな暇じゃないことがわかったからね。
それにばあさんだからって、過去にばかり興味があるわけじゃない。
ばあさんにも未来はあるのよ、当たり前だけど。
そりゃ若い人と比べたら短い未来だろうけど、
あることはあるわけで、
これから何しようかなあって考える方が楽しいとわかった。
だから、ちょっと「過去」を捨てる的な意味もあって、
公共料金データ化&分析計画をあきらめたんだー。
つまみさんのあきらめたこと、
あきらめきれないことなどを教えてくださいな。
つまみ:
公共料金の領収書をとってるって件、
その壮大な野望(?)も含めて、前に聞いたよね。
おもしろいというか、フシギな分析願望だなあと思ったけど
そうか、捨てちゃったんだね。
日々、小さなあきらめの連続だよねえ、人生。
あきらめないと前に進めないってのもあるとも思う。
年々、自分のキャパが小さくなってる気がするし。
私は、自分が書いた文章で活字になったもの
(配布物にしたり、雑誌に掲載されたり)
はけっこうとってたけど、なんかもういいやと思うようになってる
そういえば。
文章を書くことを仕事にしたいという野望は
もうかなり前になくなって
オバフォーや図書だよりで、見方によっては「ちまちま書くこと」で
満足してるんだけど、これもある種のあきらめ?
同時に、誰に頼まれなくても、Twitterとかでも
なんか書きたい、という欲望はあきらめられない、かも。
あれ?なんかマジメじゃね?私。
そして、マジメだと歯切れ悪いわ。
まゆぽ:
「あきらめる」とか「放棄する」っていう行為の前で
なんとなく厳粛な気持ちになるのかな。
「文章を書くこと」と「文章を書くことを仕事にする」の間には
意外に深くて暗い川があるんじゃないかと思う。
好きなことをちまちま書くこと、
そしてそれを人に読んでもらえることの意味や価値って
けっこうでかいと思うよ。
「大きくなったら〇〇になりたい」って思わなくなってだいぶ経つけど
今は「生まれ変わったら〇〇になろう」って思うこと多いな。
これも、現実的には無理だからっていうあきらめだよね。
でもあきらめたふりしてまだあきらめてないのは
「猫拾う」ことかも。
猫のいない生活が半年以上になって、
楽は楽なのね、エサがないとか、砂買わなくちゃとか
トイレ掃除だ、留守番はかわいそうだとか気を揉まなくていいから。
それでも「猫、落ちてないかなあ」とはいつも思っています。
つまみ:
「文章を書くこと」と「文章を書くことを仕事にする」の間の川については
30代から40代にかけて特にずっと考えて、50で結論が出た気がしてて
それは「お金のための文章はもういい」で、その青臭さは
自家中毒を起こしそうなレベルなんだけど
そう言いつつ、その間に深くて暗い川はない気がする、とも思うんだよね。
そのあたりはうまく説明できないな。
いつか説明できたら、するね。
猫かー。猫だよねー。
猫飼い(だった)人の心中が想像でき過ぎてツラいくらい。
猫は罪な存在だなあと思う。
天から降って、まゆぽさんの前に着地することを願ってやまない。
まゆぽ:
天から降ってきたらいいね、本当にそう思う。
30年近く考えて出た結論は簡単には説明できないだろうけど
休日の昼下がりに静かなカフェで、そういう話を聞けるようになったら
じっくり聞かせてもらいたい。
あきらめたり、あきらめるのやめたり、
ちまちまじたばたしながら人生は続く。
★「チチカカ湖でひと泳ぎ」を盛り上げてくださる
佐藤知津子さんの作品。
今回からお庭やご近所の植物スケッチも掲載していきます。
知津子さんの作品は、こちらのサイトで購入できます。
オバフォ屋雑貨店
新商品、追加しましたよ!
(HPはこちらです ⇒ ★)
Jane
雑談を聴いているお陰で、それぞれのお声が聞こえてくるように読みました。私も諦めきれないことを始めたら、案の定諦めたくなったけど、何事もそんなに早く諦めたらいかんだろうと、諦めるのを諦めたけど、ほぼ毎日諦めたい気持ちと闘っている今日この頃です。若くないんだから諦めるなら早い方がいいんじゃない?っていう考え方もあるし。
まゆぽ Post author
Janeさん、こんにちは。
雑談も聴いていただいてうれし恥ずかしでもうれしいです。
諦めのタイミングって微妙に難しいですね。諦めることなんていつでもできるから、もうちょっと頑張ろうとか思ってしまいがちですが、時間も体力も気力も限りがあるから撤収は早いほうがいい気もします。でも、ずるずると続けていたらいきなりガラス天井が突破できたりする時もたま〜にはあったりして、そうなるともうその快感は忘れられないし。諦めずにいてストレスはないか、楽しめているか、が判断基準でしょうかねえ。