いつか「報われない」と泣く日 :車麩の玉子とじ
北京オリンピック真っ只中、たまたまつけたテレビで羽生結弦選手がインタビューを受けていました。
フィギュアスケート男子シングルで4位入賞。もちろんそれは素晴らしい成績です。でも、ソチ、平壌と続けて金メダルを獲得した彼にとっては大変悔しいものだったのだろうと容易に想像することができます。インタビューの中で彼は言いました。
「報われない努力だったかもしれないですけど、でも…」
「あるある! 報われないなぁ、と思うことってあるよねぇ」テレビの中の羽生選手に向かって声を上げてしまった私ですが、次の瞬間、自分に向けて更に大きな声を上げてしまいました。「いや、そういうあんたは報われるだけの努力をしているのか?」
数々の大会で好成績を収め、オリンピックで頂点に立つために彼がどれだけの努力をしてきたのか。そりゃあ並大抵なものではないということは誰にでもわかります。なんなら、私のような人間が簡単に「わかるよ」と言ってしまったら罰が当たるのではないかと思うくらい、それはそれはすごいものなのだと思います。
そんな羽生選手に対して「わかる、わかる。報われないよねぇ」とは、一体何様のつもりなのか、私よ。
「報われる・・・努力や苦労に対して、相応の成果が返ってくること」だそうです。
だとしたら、些細な努力しかしない私に些細な成果しか返ってこないのは至極妥当なことで、そういう意味では私は報われているのかもしれません。かなり嫌味な考え方ですが。
オリンピックの会場では、いや、オリンピックにたどり着くまでのさまざまな段階でも、沢山の人が「なぜ報われないのだろう」と痛恨の涙を流したり、「やっとここまでたどり着けた。私の努力は報われた」と愉悦の涙を流したりしているのでしょう。
「報われた」「報われない」どちらも、きちんと努力を重ねた人にのみ許される言葉なのだと思うと、「報われない努力だったかもしれないですけど…」と声を詰まらせる羽生選手にすら(誤解を恐れずに言うのなら)私は羨ましいと感じてしまうのです。私もいつか心から「報われないなぁ」と泣けるほどちゃんと努力できる日がくるのかしら。いや、できれば「やっと報われた」と泣きたいけれど。
ちなみに、サッカーのアルゼンチン代表、リオネル・メッシ氏はこんなことを言っています。
「努力すれば報われる?そうじゃないだろ。報われるまで努力するんだ。」
これはこれで最大限の努力をしている人にしか言えない凄いセリフです。
さて、今回の一品は「車麩の玉子とじ」です。
料理にも時々「報われた・報われない」と感じることがあります。色々な材料を揃え、面倒な手順もとばすことなく調理したのに、不味くはないけど美味しくもない。これは本当に報われません。逆に、少ない材料ととてもシンプルな手順でちゃちゃっと作れてしまう料理の方が時にとても深い味に仕上がることがあって、料理とはなんとも厄介なものだなと思います。
「車麩の玉子とじ」も、ちゃちゃっと出来るのに調味料の配合が決まるととても滋味豊かな一品に仕上がります。
車麩の玉子とじ
- 長ねぎを斜め切りにし、卵をボウルに溶いておきます。
- 鍋に、だし汁、酒、砂糖、醤油を入れて火にかけます。
- 1が沸いたら火を弱め、車麩を加えます。
- 車麩が柔らかくなったら長ねぎを加えます。
- 長ねぎがクタクタになってしまわないうちに溶き卵を鍋に流し入れて蓋をし、
卵に7割方火が通ったら火を止めてしばらく置きます。余熱で卵に柔らかく火が通ったらできあがりです。
長時間煮ると車麩が煮汁を吸い込んで煮汁がなくなってしまうので、ねぎや卵はやや早めに鍋に加えて下さい。
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