Posted on 2022年12月13日 by ミカス

手放せるものは手放す:スペアリブのトマト煮

今月から父の訪問診療をお願いすることになりました。
ちょうど今日がその日でした。
約束の時間より少し早くお医者さんと看護師さんがやって来て、体温や血圧を測り、父に問診をし、問題のある部分をチェックし、処方箋を出して帰って行かれました。
この楽ちんさは何?

これまで父は、町のデマンド交通(乗り合いの格安タクシー)を使って町内のかかりつけ医院に1人で通っていました。ところが、最近脚の弱りがあまりにもひどく、そろそろ私も一緒に行かなければならないと考え始めたところで医院からお知らせが送られてきたのです。
それまで診察してきた医師が高齢になったため引退。その代わりに若い医師(家族ではない)が跡を継ぐとのことでした。そして、それを機に訪問診療を始めるというのです。渡りに船でした。
しかもその医院は、父がお世話になっているケアマネージャーさんが所属する居宅介護支援事業所の運営母体。早速ケアマネさんに相談をすると、「訪問診療担当の者を説明に行かせます!」と即答いただき、あっという間に今日の診察となりました。

正直に言うと、父や母の介護について何かやらなければならない事が生じると(病院へ連れて行かなければならないとか何らかの手続きをしなければならないとか)、「ああ、嫌だな」と思ってしまうことがしばしばあります。いや、しばしばというより、ほぼ毎回。両親の介護について「やれねばならない事」の中に楽しいことなんて一つもないのです。

父の通院の付き添いについても、待ち時間がちょっとでもあると不機嫌になる父の顔や、薬局で売られているのど飴を大量に買えと命じる不遜さ(父は糖尿病)を思い浮かべては何とも憂鬱な気持ちになっていました。しかし、偶然のタイミングとはいえ、その憂鬱さを手放せる機会がもたらされたのです。これは乗っかっても罰は当たらないでしょ。

介護する人がその全てを自分が請け負わなければならないと思い込んでしまうというのはよくあることです。そのために自分のための時間が根こそぎ削り取られてしまったり、逆に何もかも放り出して介護を止めてしまいたくなるのです。
全てから解放されるわけではないけれど、手放せるものは手放してしまいませんか。
「こんなに大変な介護の諸々に、手放せるものなんてあるの?」と思う方は、ケアマネさんやかかりつけのお医者さんに聞いてみましょう。「もういっぱいいっぱいです。私に手放せるものは何かありませんか?」いいんです、手放せるものは手放して。あなたがすべてを抱え込む必要はない。ない!

さて、今年最後の在宅デトックスのお知らせです。
「手放せと言われてもそんなに簡単じゃないよ」という方、「それでも手放すことに罪悪感を抱いてしまう」という方、介護について色々な思いを抱いている方、ぜひご参加ください。毒出し忘年会をしましょう。

在宅デトックス12月回のお知らせ
日時: 12月27日(火)　21:00～　※大体1時間半くらいです。
テーマ: 『今年の毒、今年のうちに』
詳細とお申込みはこちらをご覧ください。
今月は夜の回です。
今年一年はどんな年でしたか?どんなことがありましたか?
しんどかった事、不安な事、腹の立つ事、心にたまった苦い毒を来年に持ち越さず、今年のうちに吐き出してデトックスしましょう。
過去に介護経験のある方、現在介護真っ最中の方、介護未経験だけど興味がある方、全て大歓迎。
初参加の方もお待ちしています。

さて、今日ご紹介するのは「スペアリブのトマト煮」です。筋力をつけるため、高齢者こそ肉を食べるべきという話を聞いて、夕食に肉料理を出すことを心掛けています。幸い父は、84歳とは思えない食欲をキープしているので、食べやすい大きさにさえすればボリュームたっぷりの肉もぺろりです。
調理のコツは玉ねぎをしっかりと炒める事。玉ねぎの旨味を引き出して下さい。

スペアリブのトマト煮

豚スペアリブに軽く塩胡椒をしておきます。
スペアリブは骨があって自分でカットするのは難しいので、食べやすい大きさにカットされているものを選びましょう。
玉ねぎをみじん切りにしておきます。
鍋に油を引き温めま、玉ねぎを炒めます。
この料理は玉ねぎが味のポイントなので、ここはひとつ、じっくりと腰を据えて炒めで下さい。
少なくとも、うっすらと茶色くなるくらいには火を入れて下さいね。
スペアリブを鍋に加えて周りに焼き色が付くように焼き付けます。
砂糖を加え、全体になじむように混ぜ合わせながら炒めます。
やや多めの酒を加えてさっと炒めたら、水、醤油(少な目に)、トマトペースト、ウスターソース(少々)を加え、蓋をして弱めの中火で煮込みます。
肉に火が通ったら鍋から取り出します。
この後煮汁を煮詰めるのですが、肉も一緒に加熱すると固くなってしまいます。
蓋をしないで煮汁を煮詰めます。元々の煮汁の量によってはちょつと根気がいるかもしれませんがさらさらだった煮汁にとろみが出るまで加熱して下さい。
取り出したスペアリブを鍋に戻し、さっと温めたら器に盛りつけて出来上がりです。