11月22日はカレー記念日

カレー記念日

落ちてゆく 枯葉のごとし 抜け毛かな

11月22日はカレー記念日

Jane

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.69  A Place of Action

もがきながらも動こうとしている人間が出てくる小説が好きだ。ままならない日々に、くすぶったり逡巡した揚げ句、おもいきった行動に出る‥そんな姿がリアルに描かれていると、なんだか自分が肯定されるようでうれしい。若くなくなってもずっとそうだ。

だから『遠い空の下、僕らはおそるおそる声を出す』(野中ともそ/著)はドストライクだった。

物語の主人公、砂原 一葦(いちい)は16歳の男子だ。ニューヨークにちゃんぽんの店を出そうとする両親と共に、生まれ育った長崎を離れ、マンハッタンのダウンタウンにやってくる。レベルが高いとはいえない学校でもパッとしない彼は、極力声を立てず、目立たず騒がず、とにかくその日を生き延びることを命題にしている。中学時代も似たようなものだったし、とあきらめの言葉をちらつかせながら。

とはいえ、マーベルのコミックと映画が好きなおかげで、一葦にはいわゆるオタク仲間がいる。ハイチ系ドミニカ人で同胞意識の高いパンパ、破滅型ミュージシャンのジャコ・パストリアスを敬愛する頭脳明晰な韓国人のじゃこ、何をやってもイケていて天真爛漫に見える青い目のくじら。一葦は葦の英訳でリードと呼ばれる。

くじらの発案でバンドを結成しようとする彼らだったが、ひょんなことからアカペラコーラスを始めることになる。時は2020年2月、新型コロナウィルスが世界を侵食し始める頃だ。

瞬く間にコロナ禍で非常事態が日常になってしまった一葦の暮らしは平穏とは程遠くなる。いわれなき中傷、治安の悪化、家族の苦労と受難‥と息苦しい日々を強いられる。それでも、3人との音楽は一葦の活力の源になる。

並行して、彼の中学時代も描かれる。心を通わせた同級生の少女すぐりとのたどたどしくも瑞々しい日々。一葦にとって、率直で希望に満ちたすぐりはまぶしい存在だったが、すぐりの身の上に変化が起こり、ふたりの時間はフリーズしてしまうのだった。

すぐりに対する後悔を抱えたまま、それでもニューヨークで仲間と共に自分の居場所を見つけようとする一葦。それを邪魔するコロナ。コロナで助長‥というより、より可視化される差別や偏見。

小説、ノンフィクションという体の違いはあるものの、読んでいて幾度か『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/著)を思い出した。『ぼくは‥』が親側の視点から書かれているのに対し、『遠い空の下‥』は徹頭徹尾、十代目線だ。

十代目線のこの物語は力強くぐいぐい読ませる。特に後半。そこにSNS、line、ZOOMの役割は大きい。そして音楽。音楽が彼らの世界を牽引している。力づくではなく背中を押すように。

タイトルの「おそるおそる声を出す」の「声」は、一葦や登場人物たちだけのそれだけではなく、もっと広義な、人々の思いや希望などが幾重にも重なった集合体に思える。音楽小説の中でも、合奏小説または重奏小説。小説中に何度も登場する「A Place of Action」というキーワードに、一葦が自分なりの意味を重ねたように、声にも声以上のものが重ねられる、どうか重ねてくれ‥という作者の願いを感じた。

十代の成長小説のいいところは、小説が終わっても、物語はそして世界は続いていくのだ、とふつうに思えるところだ。今回は、読み終わってからもしばらく自分の脳内には「スタンドバイミー」が流れるというおまけつき。

悪くない余韻だ。

by月亭つまみ


Amazon


ゾロメ女の逆襲 記事一覧へ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

なんかすごい。

グッドバイ

昭和乙女研究所

映画の思い出vol.1

カレー記念日 今週のおかわり!

お出かけに 欲しいのお洒落な シルバーカー

60代、男はゆっくりご乱心

ダンドリくん

四十路犬バカ日和

ワンオペ生活の大いなるルーティン化

OIRAKUのアニメ

第110回 ONE PIECE FAN LETTER

今週の「どうする?Over40」

「まとまった形で」「時系列で」「思いきり」だれかに話すという自己救済法。

黒ヤギ通信

来年の干支

山あり谷あり再婚ライフ

介護の日は頑固の日?

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.87 かつての竹中直人の芸風の本

ミカスの今日の料理 昨日の料理

ちゃんと楽しそうに:豚なんこつの甘辛煮

かわいいちゃん

大ウサギ

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年5月10日

絵手紙オーライ!

歌を書いてみたくて。。。

母を葬る

(16)一枚の絵

出前チチカカ湖

第201回 最近の宗旨替え

いろんな言葉

That’s Dance!文字起こし 第6回(episode16) やっかみかもしれませんが‥番外編も兼ねて

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

じじょうくみこの崖のところで待ってます

はなやぐお盆、わたしは墓へとタックルした。

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

人生は引き算である

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

11月22日はカレー記念日

カレー記念日

落ちてゆく 枯葉のごとし 抜け毛かな

11月22日はカレー記念日

Jane

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

よもじ猫

無我夢中

猫No.8  by ミカス

猫大表示&投稿詳細はこちら!

無我夢中

猫No.8  by ミカス

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up