平気な顔で、大人の顔で、更新を。今年もよろしくお願いします。
こんにちは、カリーナです。
5日金曜日の早朝、いつものようにスーと散歩に出ると、それまでと違って頻繁に走る乗用車やトラック。自転車で駅へ急ぐダウンコート姿の中年女性。ロングコートにブリーフケースを持って歩いて行く初老の男性など、さまざまな人たちとすれ違いました。
お正月が開けて、前日の4日やこの5日から仕事という人も多かったでしょう。
行きかう車も交通ルールを守って、目的地へと颯爽と迷いもなく。行きかう人々もぐずることなく、文句タラタラということもなく、淡々と仕事へと向かっています。
偉いと思いました。人は偉い。
颯爽と、も、淡々と、も、そう見えるというだけで、現実には違うのです。足取りの重い人もいれば、始まったばかりの1年に希望の見いだせない人もいる。でも、平気な顔で、大人の顔で、通常に戻ることに何のためらいもないような顔で自分の人生を引き受けている。
一昨日、テレビを見ていると、被災地の倒壊した7階建てのビルの下敷きになった家に住んでいた男性がインタビューに答えていました。
セーターに包まれた腕と手だけが映り、訥々と声を荒げることなく話してくださっています。しばらくすると「妻と娘が亡くなった」「泣きすぎて、もう涙が出ない」「怒りの向け先がわからない」。その手がずっとプラスチックケースから何かを拾い出してビニール袋に移していると思っていたら、(私は海産物か何かかと思っていました)「これは、妻の好きだったパズル。やってみようと思って」。そこまで聞いて、あああああ、と思わず声が出てしまいました。
その男性の横には、パズルのピースでパンパンになった3つほどの袋。
あまりにもつらい弔いの場面。
慟哭の行為。一生、忘れません。
2024年が始まりました。オバフォーも今日からスタートです。
私たちも何事もなかったかのように、平気な顔で、大人の顔で、更新を始めましょう。どうやっても足りないけれど、「偉い人たち」にそうやって敬意を示したい。
心を強くもって、笑顔で、面白く。今年も、よろしくお願いします。
わたしとゆみるさんとの往復書簡も第2回も公開しています。よかったらお読みください。