第99回 メトロポリス
「メトロポリス」は2001年のSFアニメーション映画です。原作:手塚治虫、監督:りんたろう、脚本:大友克洋、音楽は本多俊之。アニメーション制作はマッドハウス。
==
人間とロボットが共存する科学都市「メトロポリス」にやってきたケンイチは、探偵ヒゲオヤジとともに国際指名手配されているロートン博士を探していました。その途中、地下で起こった火災でひとりの少女に出合います。ところが彼女はある組織の幹部ロックに狙われており、ケンイチは彼女を助け一緒に逃げるのですが…。
==
手描きとCG/3DCGがミックスされた精美な背景。そこにノスタルジーを感じさせる彩色が施され、曲線が美しい手塚治虫のキャラクターが柔らかく動きます。
20年以上前のデジタル作業の過渡期の作品ということですが、全く古びていません。 手描きの廃車の山すら美しい、何度見てもその映像美に驚嘆します。むしろ、ここまで描き込まれた人工物の背景は今では珍しいのでは? 美しいのは背景だけではありません。主人公のひとり、ティマがえも言われぬ美しさです。
ブルースやジャズが印象的な場面で使われており、特にクライマックスで「I Can’t Stop Loving You」が流れるシーンは素晴らしく、キャラクターの表情もさることながら、CGの建物がエモーショナルに演技をしている様に見えてきます。全編を通して聞こえてくるのは、軽やかなテーマ曲「There’ll Never Be Good-Bye」。エンディングではMINAKO OBATAの歌が付き、幸せな余韻を残します。
見ると思わず「おっしゃれ~」と声が出る、大人の名作です。
U-NEXT、アマプラで配信中。
===
先日友人が「『かがみの孤城』見たよ」と知らせてくれました。タイトルを見て、そういえば…と思い出して楽しんでもらえる事が本当に嬉しいです。
今なにが見られるのかと、アマゾン プライム・ビデオをスクロールしましたら、本コラム既出の「金の国水の国」・「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」・「プロメア」・「アイの歌声をきかせて」・「鹿の王」」などの映画、「ぼっち・ざ・ろっく」・「リベンジャー」・「SSSS GRIDMAN」・「ODD TAXI」などのテレビシリーズが配信されていました。
これまで取り上げていない作品では、軽めの「坂本ですが?」・「アトム・ザ・ビギニング」、重めの「火狩りの王」・「不滅のあなたへ」あたりが私のおすすめです。
とは言え、アニメばかりを見ているわけではありません。ただいまU-NEXTでドラマ「三体」を絶賛視聴中!