Posted on by SHOJI
第116回 Flow
世界が大洪水にみまわれ、取り残された猫が、漂ってきた船にのり、旅立つ。
途中いくつかの種の動物が乗り合わせる。
動きが生き物そのものだ。(少なくとも猫と犬は分かるので、他の動物もそうだろう。)
動物の習性を組み合わせたものが、しだいに擬人化されて見えてくる。
せりふがなく、カメラはただただ猫の行動を追う。
猫が行く先、船が流れつく先すべてが美しい映像。
水害が描かれているので胸がぎゅっとなるシーンがあるが、暗いわけではない。
シンと澄んだ気持ちになり、良いものを見たという満足度が高い。
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監督はラトビア出身のギンツ・ジルバロディス。本作「Flow」は2024年アヌシー国際アニメーション映画祭の審査員賞・観客賞などの他多数を受賞。つい先日第97回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞(2025)。オープンソースソフトウェアBlenderで制作し、小規模な体制で作り上げたということで大きな話題になっている。