Posted on by サヴァラン
〈 いろんな言葉 〉 「言葉」の落とし穴
「言葉」がもっている特徴の一つは、自然を切り分けるということです。
こうおっしゃるのは養老孟司先生です。
解剖学では、実際には切れ目がない一本の管をそれぞれの名称に切り分ける。
地図上では、実際には切れ目のないひとつながりの陸を国境という線で切り分ける。
私たちは言葉の世界に生きているので、
名前をつけると物がきれいに切れて、独立して見える。
男とか女という言葉を使うと、ものごとが切れて見えます。
しかし、男と女だって完全に切れているわけではありません。
それを切れてしまうように思うのは、私たちが「言葉」を使うためなのです。
言葉なしに物事を理解するのは不可能ですが、
言葉にはこうした落とし穴があることを知っておく必要があります。
『 かけがえのないもの 』 養老孟司 (新潮文庫) より
selected by サヴァラン
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sherry
毎回思うんですけれど,本当に奥深いですよね~~~,
この,「いろんな言葉」にでてくる言葉は。
本当に感心しながら,というか,納得しながら,いつも読んでいます。
あんまり感心(納得)しすぎて,普段はコメントできないでいるんですが,
いつも読んでは,「は~~~っ(もちろん,よい意味で)」って思ってます。
これからも,楽しみにしています。
(何か,まとまりのない,変な文ですが,
これが本心なので,このまま。)
サヴァラン Post author
sherry さま
コメントをいただいて、どうもありがとうございます!
お返事、遅くなってすみませんでした。
誰かがどこかで出会った数行の言葉を受け取って
自分の胸の中で膨らませて感じられるというのは
「大人」になったればこそだな~と
わたしはこのコーナーを通じて思うようになりました。
ここで皆さんが選ばれる言葉
どれもが立体的に立ち上がる不思議を感じます。
sherry さまもぜひぜひ。
「いろんな言葉」をここで教えてくださいませ。