Posted on by プリ子
だってそのぶんだけ思い出がたくさんになるんですもの
中学生のとき、NHKのラジオドラマで寺山修司の童話を放送していました。その中の一つのお話の最後のセリフ。今でも言い回しを覚えています。
年をとるってすてきなことね
だって、そのぶんだけ、思い出がたくさんになるんですもの
「ああ、年をとるのもいいことなんだな」、ファンタジックな世界観にうっとりしながら、子どもな私はそう受け止めていました。
しかし、これが全くの思い違い。読みなおしてみてびっくりしました。
このお話のタイトルは「思い出の注射します」。過去の思い出をなくしてしまった人々が、思い出の注射をしてもらい、別人の思い出で生きていくというお話だったのです。
もちろん私は注射してもらってはいませんが、それでも、思い出を自分で脚色しているのかもしれません。その場にいたほかの人からしたら、全く別のストーリーになっている、なんてことありますよね。
それはそれで、やっぱり「すてき」なのかな。
ラジオドラマがyou tubeにありました→http://www.youtube.com/watch?v=D6K4NQ3GZQ8
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プリ子
にこりん
うわーなつかしい!
私、この「赤糸で縫い閉じられたものがたり」のラジオドラマが好きでたまらなくて、
シリーズ全部録音しましたよ。
今も、カセットテープが宝物です。
女性の独特の語り口や、悲しげな音楽、耽美的なストーリーにぞくぞくしていました。
まわりに誰も聞いていた人がいなかったのですが、初めてお仲間を発見しました。
「思い出の注射します」は、脱脂綿という名前の看護師が悪さをして、
他人の記憶(人形殺しの腹話術師の!)を注射しちゃう話でしたよね。
薄気味悪いけど、最後のやさしいセリフで、不思議と温かい気持ちになりましたっけ。
プリ子 Post author
にこりんさん、コメントありがとうございます!
わ~、お仲間だ~
私もカセットに録音してたんですが、どこかに行ってしまって、
今回you tubeで久々に聞いて、ナカオサチエさん?の語り口にあらためて鳥肌立ちました。
このセリフ、うっとりしながら言うのがまたいいんですよね。
そうそう、人形殺しの腹話術師!
脱脂綿とか、猫のけむりとか、ネーミングもシュールで面白い。
身体が縮んじゃってすれ違うカップルの話が好きでした。
サヴァラン
思い出の脚色、してる自信満々です。
先日たまたま古い写真を見ることがあったのですが
自分の記憶の中では構図まで変えていて、ひえーっと思いました。
子供の頃は
「以前に読んだ本を読み返したら前には理解できていなかった部分がわかるようになった」という喜びがありましたが
最近それをすると
「以前に読んだときの思い込みや勘違いに気が付いて愕然とする」ことが増えました^^
細かいことはさておき(エッ)
ラジオドラマって本当に趣深いですよね。
お仲間との邂逅、うらやましいです♪
プリ子 Post author
サヴァランさん、コメントありがとうございます!
ラジオドラマって最近きかないけど、昔はけっこうありましたよね。
想像力が刺激されていいですよね~
最近、いとこと話していて、昔親戚内であった事件が、全く違うふうに記憶していることに驚きました。
たまにしか会わないし、それぞれの家庭で別のストーリーを語ってたんでしょうね。
時差が長ければ長いほど、愕然度が増す気がします。