「言葉だけで伝えようとする人」は、絵や図も使ったほうがいい!
いや、わたしのことなんですけどね。その「言葉だけで伝えようとする人」というのは。
古代を探る歴史ドキュメンタリーなんかで、廃墟にしか見えない遺跡がコンピュータグラフィクスでグググーッと立体化する瞬間。「わー」って思います。古代ローマしかり、ペルシャしかり、中国の秦時代しかり。「わー、こんなだったのかーー!」って、もう、どうしようもないほどワクワクする。
わたしは、家を建てたことないですけど、きっと家を建てるときもそうでしょうね。「あんな家がほしい、こんな家がほしい」ってボンヤリ考えているより、雑誌の切り抜きを集めたり、間取り図を描いたり、模型を見たり、作ったりするほうが「わー!」って思うんだろうなあ。で、古代歴史ものとは違って「図面」や「模型」になったことで「あ!!そこ違う、違う!ほんとはこうしたいの!」なんて理想と現実のギャップも見えてくるんでしょうね。
絵の力って大きいなあ。模型の力も、CGの力も大きいですね。
先日、過疎地の伝統工芸に関わる若いデザイナーに話を聞いたんですけど、「目に見えるカタチにすると、潜在意識から変わるところが面白い」と言っていました。それまで「自分たちの作るものは、ずっと変わらないで時代に取り残されていくんだろうな」と思っていた職人さんたちが、変化したビジュアルを見て「自分たちの作っているものは、カッコいい。世界に通用する」にいつの間にか変わっていく、と。「ヨーロッパ市場は・・・」なんて口ぐちに語りだすこともあると。「いつの間にか」っていいなあと思います。
わたしみたいに「言葉」でばかり伝えようとする人は、ちょっと「絵」を描いて見せる努力をしたほうがいいんだろうな。会話って理解しあえたつもりなっていても「誤差」が大きいリスクが常にありますもんね。
いずれにしろ、日ごろから感じていたことを伝える場面や、今後やりたいと考えていることを伝えたい場面では、「言葉」と「絵(図や写真)」と両方使ったほうがいいんじゃないかと思ったわけです。家づくりやリフォームの場面だけじゃなくてもね。
「どんな場所で」とか「こんな雰囲気で」ってことは、ビジュアル化したほうが伝わりやすいですもんね。相手に伝わっていないなあって思う場面は、意外に、言葉にばかり頼りすぎているのかもなあ。家族とかさ。社内とかさ、そういう場合も。パワーポイントのプレゼンテーションって、ともすれば言葉の力も絵の力も奪ってしまってるところがあるじゃないですか。
言葉は言葉できっちりと、絵は絵できっちりとが理想なんだろな。「今日のこていれ」が人気なのも、そのせいかもしれません。どっちもしっかりしてるもんね。