「老いの悲哀」が爽快なのは、老いない体があってこそ!?
2015年からNetflixオリジナル作品として公開されているアメリカのコメディドラマシリーズ「グレイス&フランキー」。4年前に数話見ただけになっていたのですが、今回見たら、今までどこを見ていたのだろうと思うほどおもしろくて驚いています。
ジェーン・フォンダとリリー・トムリンが、それぞれの夫から同性愛の不倫(20年前から続いている!)を告白され、離婚して同性婚したいとレストランで言われるところから物語は始まります。
全員70代。多少の不満はあっても裕福な家庭の妻として、それなりに幸福に過ごそうと思っていたはずなのに、その動揺とショックたるや、いかばかりか。
ジェーン・フォンダは帰宅後、鏡の前で部分ウィッグをはずし、顔をひっぱるクリップを外して見せます。さらにゲイの夫が通販で購入したライアン・ゴズリングの椅子に座ってきゅっきゅっとお尻をこすりつけ「あら。ごめんなさい!ちょっとちびっちゃったわ!」と言うのです。薄毛、シワ隠し、尿漏れをコンプリート!
さらに海辺の家に着いたら、入口は階段の遥か下。手には大きなスーツケース。このシーンを、4年前のわたしは、何も思わず見ていましたが、今回は、「あ。これ、イヤなパターン。重い荷物抱えて階段か。もう、落としてしまいたくなるよね」と思った瞬間、ジェーン・フォンダ演じるグレイスは、パッと手を放して豪快に落としました。だよねー。わかるーー。気持ちも重いとき、重い荷物を抱えて階段は無理!
さらに、リリー・トムソン演じるフランキーが、有料老人ホームの絵画講師の募集を見て面接に行ったら、入居希望者と勘違いされて深く傷つき、「違うの!私は若いの!ほら、こんなに股関節だって柔らかい!」と屈伸して見せるところ!
レジでどれだけ待っても無視されて若い女を優遇され、ふたりでブチ切れるところ。煙草が吸いたくなったとき「痛くない膝ととっかえっこしても煙草が吸いたい!」と「膝」を交換条件にもってくるところ。
もう、全部、わかる。
唯一、「わかるー」といえないのは、この大女優たちの元気さと美しさと体の柔らかさです。リリー・トムソンの屈伸率の驚異的な深さ、半端ない。そして二人とも実際には、1930年代後半の生まれ。このドラマ放送開始時、70代といえども後半なんですよね。いまは、すでに80代。
老いの悲哀を明るく爽快に演じるのは、老いない体が必要なのか。道は険しい。
ジェーン・フォンダは、父ヘンリー・フォンダとの確執が深く長年疎遠だったらしいですが、「現役俳優として主演男優賞が欲しい」というヘンリーの願いを知っていたため「黄昏」の映画化権を買い取り、父にアカデミー主演男優賞を与えたとか(主演女優賞は、相手役のキャサリン・ヘプバーン)。なんとまあ、すごい。親孝行としても親への一世一代の報復としても超一級。
カレー記念日今週のおかわりでCometさんもジェーン・フォンダについて触れていました。Cometさん、これまでのシリーズすべて見ているのかな。最終シリーズは、2022年公開だそう。御年、ジェーン85歳、リリー83歳。立派すぎます。
日曜日、久しぶりにじじょうくみこさんの「崖のところで待ってます」が更新されています。面白さはもちろんのことながら、「えーー!」という驚きなどなどいろんな思いを味わえます。ぜひ、お読みください。
きゃらめる
老いても(というか老いていく途中でも)自分らしく無理なく動けるように、いま、学んでいます。
オバフォのみなさんともいっしょにやりたいです(^^ )
Jane
写真のお二人のような顔の人が周りに何人もいるので驚きました….いやいやそれは言い過ぎだろう。この写真のジェーン・フォンダに似た人は確実に一人は知っている。でも口のあたりに限って言えば、似ている人はたくさんだ。老いれば皆似た顔になるということでしょうね。