ずっと褒めたいと思っていた、グレイヘアの素敵な人を褒めてみた。
スーの散歩のときにグレイヘアの素敵な人とよく会います。50代半ばのメガネをかけた華奢な女性で、髪は肩に届くか届かないかぐらい。いつも無造作に後ろで束ねているんですが、黒と茶と白の髪が混ざり合って陰影があり、ちょっと西洋人風のグレイヘアなのです。化粧っけはなく、最近は白い麻のシャツを着て涼やか。犬は、ピションフリーゼという白い綺麗な小型犬です。
スーは、その犬が大好きで見つけると喜んで駆け寄っていくので、飼い主さんとも言葉は交わすのですが、なかなか「その髪色、素敵ですね」とは言えません。「スー、会えてよかったねー」とか、「しつこくしないよー」とか、「じゃあねえ。バイバイ!」とか、犬の保護者としての会話にすき間がなく、「それにしても…」と切り替えるゆとりがないのです。
でも、昨日は違いました。同じ方向にしばらく一緒に歩くことになったのです。言おうか、言うまいか悩みましたが思い切って「いつも髪色が素敵だなと思っていました」と言ってみました。
「一度も染めたことがないんです」
そう答える様子は、「ああ。この髪ですか。素敵でしょう。私もそう思っています」という雰囲気なのか、すごく淡々とした感じ。特に喜ぶでもなく、照れるでもなく、言葉の端々から自信が伝わってきます。
「グレイヘアが認められるようになってよかったです。半年に一度しか美容院には行かないんですが、美容師さんが、グレイヘアは、髪の毛が多くてしっかりとした髪質の人にしか勧められないと言っていました。薄いとどうしても寂しくなるって」
「そうですよねえ」キャップで見えないもののザ・薄毛のわたしは、深く深くうなずきました。
突然の褒めことばに、驚くこともなく、照れることもなく、謙遜することもなく淡々と受け止めて饒舌に語る、その人の反応がとても面白かったです。ちょっとだけでも「褒めてくれて、ありがとう」という反応がほしかったような気がしないわけではないけど、その人の無造作に見える全体が明確な狙いによってできあがっていることがわかりました。
物腰は柔らかいが、気骨の人だ。
そういえば、去年の夏は、ビーサンで散歩していたな。あれもきっと狙いだ。そもそも、わたしが、1年前の足元を覚えているのも、よほど印象に残ったからだし。
狙いは、伝わるという話。そして褒められたときの反応は、人それぞれ。個性を映し出すというお話。
今日は、ゆみるさんの「黒ヤギ通信」が更新されています。いよいよ、このテーマの最終回になるか。ぜひお読みください。今週もオバフォーはコツコツと更新します。時間のあるときに遊びにきてください。
ちゃま
白髪混じりや胡麻塩頭がグレイヘアと名が付いてから、自分の白髪頭も良き哉と思っています。百貨店内で仕事をしてた頃、白髪が目立つようになったら(若作りするため)白髪染めをするよう圧力がありました。
10年以上通っている美容院で「ちゃまさんは白髪が有る雰囲気でいけるから、毛染めをお勧めしないけど、染めたかったらそめます」と言われました。これまでずっと同じ美容師さんに、パーマかけず、毛染めもせず半年から1年に一度お世話になってます。ヘアスタイルの不満も理想も無いので、多分これからもこのままw。