Posted on 2023年1月30日 by カリーナ

わずかな雪で遭難気分。日常はもろく、私は弱い。

こんにちは！カリーナです。

先週の寒波、みなさん無事でしたか？電車に閉じ込められたり、車で立ち往生したり、水道が止まったり、給湯器が壊れたり…いろんなニュースを見ました。何事もなかったことを祈ります。

わたし、大阪に住んで40年ほどが経ちました。大阪は、本当に雪が少ないんですよ。故郷・長崎のほうが何倍も降ります。そんなふうに、まれにしか雪が降らないので、雪国の人が読むと「なに言ってんの？この人」ってなるに違いないことを恥ずかしながら書きます。

土曜日、朝6時。窓を開けると駐車場の車に雪が積もっていました。道路は大丈夫のようだったけど、少し不安だったので、こんな日のために買ったスノーブーツを履いてスーの散歩に出かけました。

うちのマンションは、丘の中ほどにあり、下りたら上り、上ったら下り…平地はほとんどありません。雪に喜ぶスーと敷地内を歩き始めてなんとすぐ、転倒しました（もちろん、わたしが）。「今かよ」とわれながらあきれました。「かっこわるー。なさけなー」と思いました。でも、このまま大通りに出たら大丈夫だろうとそろそろと歩き始めましたが、ずっと歩道はビミョーです。雪が固まって凍結状態。これほどとは思わず…。暗澹たる気持ち。すでに泣きそうです。

途中、田んぼ脇の地道があり、そこは滑らないのでスーも上機嫌。さあ、帰ろうと再び道路に出て見上げると白く凍結した坂道が続いています。頭のなかで必死に「平らな道」を探しますが、そんなものはありません。ここを行くしかないのか。絶望。

普段なら、タッタッターと数分で駆け上がる道が、急傾斜のスケートリンク状態です。役立たずのスノーブーツ。雪も風もへっちゃらで、むしろ飛ばし気味の犬。落ち着け、犬。がんばれ、わたし。いったいどうしたらいいのか？どこにでもある住宅地で、遭難気分。

あんなに近くに見える家が、こんなにも遠い。

大げさですが、日常はもろい、と思いました。

わずか数ミリの雪。もし、わたし一人なら慎重に道を選べばなんとかなるでしょう。しかし、そこに18キロの元気で力の強い犬。つかの間の自由を満喫したい犬。その同伴でにっちもさっちもいかなくなる。さらにわたしが、もっと若ければ転倒をここまで恐れなかったでしょう。でも、3年前に転倒して足を捻挫したイヤな経験がよぎります。

あさって（今日月曜のことです）から、娘はひと月以上海外へ。わたしは、また朝晩、犬の散歩をしなければなりません。捻挫も怖いけれど、骨折なんてしようものなら目も当てられない。犬の散歩はどうするのか。何があってもケガしてはならぬ。

不格好極まりないよちよち歩きで「スー！！やめてーー！」なんて恥も外聞もなく叫ぶながら、なんとか家に帰りついたときは、疲労困憊。「ああ、地獄だった」とボヤきつつ、犬の体を拭きながら、その前日、自然公園の坂ですれ違った女性を思い出しました。彼女は、「はーっ」と大きな息をついて、腰に手を当て、しばらく立ち止まっていたのです。

わたしは、会釈してその横を通り過ぎたけど、あの人にとってあの坂は、とても急で、長く、おそろしいものだったのではないか。わたしが、今日、凍った坂を見上げたように途方に暮れていたのではないか。わたしにとっての雪は非日常だったけど、あの人にとっては日常なのかもしれない。

ときどき、歩道を歩かず、歩道ぎりぎりの車道を歩く女性とすれ違うこともあり、いつも危ないなあ、なんで歩道を歩かないのかなあ、不思議だなあと思っていたけれど、あの人も、車の出入り口がところどころにあり、街路樹の根っこでデコボコした道の凹凸が怖いのではないか。

日常の困難さは、人によって異なる。当たり前のことをもう一度、かみしめるよい機会になりました。

スーはいま、5歳。あと10年は毎日散歩しなければなりません。雪の朝は、出ない。午後近くまで出ない、という教訓も得ることができました。

転倒はしたけれど、ケガがなかったのは不幸中の幸い。でも、もうこりごり。まだ寒い日が続きます。みなさんも気をつけてくださいね！オバフォーは今週もコツコツ更新します。時間のあるときに遊びに来てください。待ってます。

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