ぬるんで、ゆるむと、死者が帰ってくる。春。
こんにちは、カリーナです。
冬の間使っていた暖房器具をもう使わなくてよくなるとき、寂しくないですか。
うちはガスファンヒーターなんですが、もう、大阪は暖房をつけると暑い。でも、なんか寂しい。朝、起きて着替えるときとか、ファンヒーターの前で着替えたい。
あの、冬だけの、冬の家のなかだけにある「暖かさ」に未練があるんだろうなあ。不思議なもので、ほっとするような、安全基地の中にいるような、独特のくっきりとした「暖かさ」は冬だけのもの。冬にしかありません。それを手放すのがちょっと寂しいのかなあ。
今のこの時期の「暖かさ」は、「ぬるむ」感じ。ぬるんで、ゆるんで、楽になる感じ。
スーと散歩するとき、それを明らかに感じます。犬も、わたしも、からだが、呼吸が、気持ちがゆるんでる。
だからでしょうか。この時期は、よく夫を思い出します。夫は、4月4日生まれで、桜が好きで、桜を見に出かけたがったこともあるんでしょうが、この「ゆるみ」が人の心を柔らかくして、すきまができて、そこに、ふっと死者の居場所ができるのかもしれません。
懐かしさ、とか、愛しさ、とか、さびしさとか、解せなさとか…そんなものと一緒になってやってくるのかな。
うちのマンションの脇には桜があって、小学校1年生の娘は入学式の翌日、「せんせー。さくらのトンネル!」と言いながら帰ってきました。その声を3階の部屋で聞いたなあと思いながら同じ道を歩き、それがもう20年も前だということに驚きました。知っているのに。やっぱり驚く。夫も私も40歳ちょっとだったなんて!そして片方はもう死んじゃっているなんて!片方は今もピンピンしてどこにだって行けるのにさ!なんだって食べるのにさ!
もう、今年の桜も花びらを散らしはじめています。
ゆるんだあとは、わーーーーー!という暑さが来ますね。
それもまたよし。目の前の桜を愛でましょか。
オバフォーは今日もコツコツと更新します。時間のあるときに遊びに来てください。待ってまーす。