リケジョ・ハニコの華麗なる人生、時々ちゃぱら。
雪降るホワイト・バレンタイン、みなさまはいかがお過ごしでしたか。私は友人の娘ちゃんから、ラブリーな手作り友チョコをいただきましたよ。よもや四十路にして小学生から「友」認定いただけるとは。じじょくみ感涙。
チョコといえばもうひとり、毎年手作りチョコをくれる女子がいます。
彼女の名はハニコ。じじょくみ46年の人生で出会った、最強のモテ女子であります。
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珍獣パラダイス3年目の春、会社で大規模な組織変更が行われました。男所帯だった珍獣の園に、まさかの女子大量投入。それまで男子校ノリだった珍獣パラダイスが一気に共学校へと変貌し、これでようやく落ち着いた部署になるかなと一瞬安堵した私はガガーリン並みに青かった。
「自分、不器用ですから」というセリフを高倉健以上にナチュラルに使いこなすブライちゃん(登場回はこちら→☆)や、血がしたたる肉と味噌汁で心の隙間を埋める才女・クドーちゃん(こちら→☆)をはじめ、今どきのリケジョってみんなこうなんですかね、すごくかわいいし小ぎれいにしているのに、なんかどっか濃い。
たとえば、大学時代はロボットを作っていたというナツカワちゃん。私の婚活仲間、といっても20代後半のピチピチ女子ですが、これがまたゴリゴリのリケジョにして、能年玲奈的なおめめクリクリ小動物ルックス。そしてシフォンブラウスにフレアスカートという王道OLファッション。
にも関わらず、気づくと「おのれはディーバか」とツッこみたくなるほど裸足でうろつき回り(会社なのに!)、パンツ丸出しで床にあぐらをかき(会社なのに!!)、初対面の取引先から「しゃべらなければ可憐なんだから黙っとれ」と説教される(発注側なのに!!!)など数々の逸話を生み出した結果、最終的にニックネームが 野猿 に落ち着きました。
ゲームクリエイターだったモリちゃんは、「プレゼン職人」と呼ばれるほどアピール力がすごい。プレゼン負けなしの猛者なのに、普段はなぜか挙動がクネクネして視線が常に上目遣い。やたらボディタッチが多かったりして、どうにもお水っぽいキャラなのですが、いかんせん「わたし男心知り尽くしてるでしょ」感が全面に出過ぎており、あの珍獣男子すらスルーするという残念ぶり。「私のことフェアリーって呼んでくださあーい♪」とまさかの自己申告もありましたが、却下され続けて現在に至ります。
他にもいろいろキャラが揃っているのですが、要するに珍獣パラダイスに来る女子もやはり珍獣であった、という話。そして、ハニコもその1人でした。
私がいた部署は、ある程度の経験や専門知識がないとできない業務が多かったので、新入社員や畑違いの人が来ることはまずありません。あったとしても、それは本人の強い希望がかなえられた場合のみ。それなのに20代半ばの最年少メンバー・ハニコは、おもちゃとは無縁の部署から、本人の希望でもないのに、ひどく唐突な人事異動でわが部署にやって来ました。
このハニコという女子、とにかくキレイなのです。
シャンプーのCMに出られますよ、というほどサラサラの黒髪ロングヘア。思わず指でプニとしてしまいたくなる、きめ細やかなツヤ肌。見つめられると女の私でもドキマギしてしまう、うるんだ瞳。たとえて言えばそう、あの
ドラマ「半沢直樹」より
壇蜜
そっくりの美女なのであります。
ただ美しいだけではありません。おそらく小さい時から厳しくしつけられたのでしょう、社会人としてのマナーは完璧。電話の対応もパーフェクト。おまけに料理上手。やれ誰かのバースデーだと聞けばケーキを焼き、バレンタインには女子にも手作りチョコを配り、貧血の女子がいると聞けばレバーパテを差し入れ、体調が悪い人がいると介抱にかけつける。
美人な上に、おそろしいほどの女子力。これでモテないはずがございません。事実、ハニコのモテっぷりは、すさまじいものがありました。毎週、話題に出てくる男が違う。ハニコが歩けばナンパにあたる。ハニコと仕事をする男子はみな、ポーと放心状態。
これで仕事がデキるって反則すぎる。頭の回転がすこぶる速いから、何でもすぐのみ込んじゃう。また社内には部下いびりで有名な男がいたのですが、ハニコはどんないびりも笑って受け流しているのです。25歳にしてその手練手管、一体どこで覚えたのか。さらに会社では社長に直接メールできるオープンなシステムがあるのですが、ハニコは勇敢にもありとあらゆるアイデアを社長に直訴。すっかり社長に気に入られ「次の異動では社長室行きになるのでは」ともっぱらの噂。
類いまれなる女子力と脅威の行動力で、すっかり注目の的となったハニコなのですが、一緒に仕事をすることになって初めて彼女と言葉を交わしたとき、打ち合わせしながら彼女はこう言いました。
「私、こびとが好きなんです」
一瞬なんのことかわからずキョトンとしていると、「こびとがね、好き、なんです」ともう一度、ゆっくりと言いました。
「こびと?」「そう、こびと」「こびとね」「集まっちゃって」「なにが」「こびとが」「こびとがね」「そう、こびと」
なんだこの会話、と思いながら彼女の席に目をやると、「こびとづかん」のこびとたちがビッシリと並んでいることに気がつきました。
「ちゃぱらに会うのが夢なんです♪ 会えるといいな、会えたらどうしようくみちゃん、うれしくて泣いちゃうかもテヘペロー♪」
※「ちゃぱら」とは人気ブロガー・かーたんの「あたし・主婦の頭の中」に登場するちいさいオッサン
リアルに「テヘペロ」って言う人、初めて見ましたけどね、冗談かと思ったらハニコの顔には「本気と書いてマジと読む」と書いてありました。
そして。
打ち合わせの後で、一緒にランチを食べようということになりました。私たちの職場はビルの10階にあるのですが、エレベーターの中でもハニコは率先してボタン操作を担当。エレベーターガールよろしく笑顔で乗降客を案内していたのですが(乗り降りする人はさぞ気持ちよかったであろう)、必ずエレベーターホールのほうに向かって「ああ〜〜♪」などと叫びながら、誰かに向かって全力で手を振っているのです。
それは「キャー久しぶり!」とか「また後でね〜♪」的なテンションで、最初は誰か仲のいい子がいたのかな、ぐらいに思っていたのですが、各階停車のエレベーターで毎回それをやっているので「そんなに知り合いがいるのかあ?」と不審に思い、乗客が少なくなったのを見計らって彼女の後ろに回ってみたのです。すると
無人
ハニコは誰もいないエレベーターホールに向かって、笑顔で手を振っていたのです。
あーそうなのねそうなのね
見えないお友達もいっぱいいるのねギャー(((((( ;゚Д゚)))))
見えてる世界だけでも通りすがりに腕をつかまれたりストーカーに追いかけ回されたり、いろいろ大変なのにねえ。つくづく美人じゃなくてよかったと胸をなでおろすじじょうくみこでありました(負け惜しみ)。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。
※2月22日(土)は都合によりお休みいたしますm(_ _)m 次回更新は3月1日(土)です。
takeume
私の友人の子供は小さい頃、トイレに座布団を持ち込もうとして友人に
「トイレの人に使ってもらう」と何度もやっていたそうです。
ハイヒールモモコの息子は小さい頃、自宅で自分で靴の紐が結べたといってきたので
褒めたら「お姉ちゃんに手伝ってもらった」と言ったらしいし。。。
子供にしか見えない誰かが居るとは思います。
リケジョの皆さんはピュアな心の方が多いんでしょうねぇ。
つまり見えない私は「ピュア」じゃないってことだな。
じじょうくみこ Post author
>>takeumeさま
こんにちわ〜コメントありがとうございますっm(_ _)m
どうも子供たちには小さいオッサンやらお姉ちゃんが見えているようですね。
トイレの人、床に座ってじっと見てるんでしょうかガクブル…
リケジョは世俗にまみれてないせいなのか、まっすぐな人が多い気がしますね。
ねっちょりした根回しとか、曖昧な話を嫌うので、仕事は面倒ですが気持ちはいいです。
あと、もちろん私も見えません。ピュアでなくてよかったです(笑)
はしーば
「ちゃぱら」!!
まさか、「崖・天」(勝手に命名しました。すみません)でこの名前を再び目にするとは!
驚きを通り越してやはり、何か人智の及ばない力が働いている?
かーたんさんのブログ、7年前に出会ってからずっとファンで読み続けています。
当時ちゃぱらが見えていた、竜ちゃん、まだ見えているのでしょうか。
じじょうくみこ Post author
>>はしーばさま
こんにちわーコメントありがとうございます(*^_^*)
崖天です(笑) すばらしいです、崖天。
昇天するのか降下するのかわからない感じがいいです。
めちゃ嬉しいです。はしーばさま、グッジョブ!
そしてまさか、ちゃぱらに反応してくださる方がおられるとは!
バナナマン日村似、メキシコ人の小さいおっさん「ちゃぱら」。
見られるものなら私も見たい〜〜〜〜。
あれから5年たってますからねえ、
竜ちゃんもピュアハートを保っておられるでしょうか。
最近はすっかり市民権を得た(?)小さいおっさん、
よごれちまったこの魂では見られそうもありません。。。