エリコ様最後の日、そして階段落ちにみる野生について。
昨日は職場で働いていた唯一の「派遣さん」、エリコ様の最終日でした。
連日せちがらい話で恐縮ですが、会社は荒れまくってるわ仕事はまわらないわで、このごろ毎日が崖っぷち。ムリムリもうムリ!と思いながら、どうにかふんばって1日の終わりを迎えるという日々でございます。
あ、そういえば先日はふんばれなかったんでした。会社の階段を下りていたら、うっかり足を踏みはずして落ちました。
ああいうときってどうして全てがスローモーションに見えるんですかねえ、天井の色ってグレーだったんだとか、手すりにつかまろうとしたときの自分の指の動きとか、どーでもいいことを鮮明に覚えているんですけどまあそんなことはともかく、「蒲田行進曲」ばりの階段落ちを披露しましたよ。
銀ちゃんっ
ヤスーッ
階段落ちにも前から落ちる「フロントサンダーストライク」、顔から落ちる「キスアンドクライ」、横たわってごろごろと落ちる「サイドスクリュードライバー」、頭から落ちる「バックドロップスープレックス」、いろいろありますよね。いや勝手に命名したんですけどね。
とにかくわたしは階段落ち業界では新参者ですが、かつて駅の階段を降りようとして足を踏みはずしたときは、フロントサンダーのそれも正座状態できれいに滑り落ちる、という新技をくり出したことがあります。ちゃぶ台の前でお茶をすすっているんですか、という姿でズザザザと下まで滑り落ち、両足を血みどろにしながら仕事に向かった甘酸っぱい思い出。取材の途中で気を失いそうになりました。
それ以来の階段落ちです。今回はサイドスクリュー。階段の床の冷たさを全身で味わいました。あんなんだから底冷えするんですよねえ(どうでもいい実感)
それでね、それこそヤスのように転げ落ちたんですね。きりもみ状態でくるくるーってなってね、階段の一番の下まで落ちたところでカラダがくるって回転してね、気が付いたらすたって四つんばいになった
女豹スタイル
我ながら見事な着地でありました。そして落ちた直後こそ多少の痛みはあったものの、擦り傷も打撲も内出血も一切ありませんでした。ちなみに言っておくと、普段のわたしは俊敏とは程遠い、あちこちにカラダをぶつけて生傷が絶えないタイプです。
「ああ野生が戻ってきた」と思いましたね。
この感じに覚えがあります。あれは東日本大震災が起きた直後のこと。やまない余震と計画停電で心身共にまいっていた頃、たまたま以前から予約を入れていた人間ドックの日がやってきました。仕事は完全にストップしていて暇でしたし、病院は稼働中というので受診することにしたのです。すると
これまでで一番いい数値が出たのでありました。
なぜだ。生きるか死ぬかという極度のストレスを経験したのに。スーパーにモノがなくて、いつもよりずっとひどい食生活をしているのに。という話を友達にしたら、「実は私も最近すんごい体調がよくて。ものすごく眠りが深いし、便秘が治ったし、とにかくカラダが軽い」と言っていました。気のせいかもしれませんが、似たようなことを言う人が結構いたので、これが人間の生存本能ってやつなのかね、と改めてカラダの神秘について思いをはせたのです。
それ以来の野生です。
ということはつまり……。
じじょうくみこ、ピーンチ!!
って何の話でしたっけ、あっそうそうエリコ様が最後だって話でした。
我らが珍獣パラダイスのジャンヌ・ダルク、エリコ様は最後の最後まで働きづめでありました。職場で次々と火の手があがり、社員から表情が消えていくなか、エリコ様だけが常にニコニコ笑い、時々「あいつ死ねばいいのに」とか毒を吐き、やるべきことをきっちりやって、やらなくていい雑用までやって、「こんな時期なんで送別会は結構です」と丁重にお断りして、「じゃあまたね」と爽やかな笑顔で去っていかれました。
カッコよすぎるわ、エリコ!!
仕事に対するスキルの高さ以上に、「Aのプロジェクトが今こう動いているから、きっとBも同じことが起きるから気をつけて」とそれとなく教えてくれたり、「Cさん最近病気がちだから」と焼き肉ランチに誘ったり、とにかくいろんなところに目を配ってフォローする力がすさまじいオバフォー女性でありました。こういう数値に表れない能力を、大事にする会社だと思っていたんだけどなあ…。
これでとうとうフロアに派遣がひとりもいなくなりました。
昨日あちこちで花束贈呈やお別れの挨拶がかわされていたので、社員もかなり減るようです。来月のことを考えると野生がますます活発化しそうなので、ひとまず近所のスーパー銭湯でも行って心身をゆるめてこようと思う、月末のふんばりくみこでありました…。
*** 今週のミズシマ(の頭) ***
坊主から着々と髪を伸ばし続けているミズシマ。「まわりの人から怖がられなくなった」と本人はホクホクのようなんですけど
髪、大木凡人になってるよ
と誰か言ってあげてください。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です(第4土曜日休)
朝ドラ「マッサン」の階段落ち、絶対狙ってましたよね。
きゃらめる
私は自宅で競泳400mリレー最終泳者(自由型)スタート的な落ち方をいたしました。
高低差2m弱
直線距離3m強
階段を下りていたはずなのに、気づくと冷蔵庫の前で腹ばい。
首の筋を少しいためた程度でした。
エリコさま退社で忙しさが激化しますね。
どうぞお体大切になさってくださいね(^-^)
私も近々に1ヶ月短期(業務委託)が始まるので、早風邪をなおしたいです。
じじょうくみこ Post author
>>きゃらめるさま
こんにちわー♪いつもコメントありがとうございます(*^_^*)
おお、ジャンプスタイルの方には初めて出会いました。3mとは相当な好成績ですね(笑)
台所へダイブするきゃらめるさまを想像して、生きる勇気が湧きました!
でもお互い、命は大事にしましょうねっ。
いつもの業務委託のお仕事でしょうか。
これから寒さ本番ですので、ムリして体調壊されませんように!
爽子
階段落ち致しました。
大学入って、初めてのクラスの懇親会?での出来事。
初めて飲むお酒に、顔は真っ赤、頭はボー。
急な階段を二段降りて次の段を踏み外し、ドドドと、滑り台落ち。
一瞬なのに、手すりや天井や階段の色や、いろんなものが、何故かハッキリ、くっきり見えました。
途中、背中とお尻は何回か派手に打ったのでかなり痛かったですが、最後の着地は、くみこさんと同じ体勢。
そして、ハッキリした声で、「大丈夫!一人で帰れます。」と言って阪急電車の駅にスタスタ歩いて言ったらしいです。
あまりの痛さに酔いがいっぺんに醒めてしまったんでしょうね。カッコ悪
卒業するまで、何度も蒸し返された話です。そんなこと言ったかなあ。恥
誰が送って行こうか、と、男子学生が心配してくれてたみたいでしたが、階段落ちの後の、態度の豹変にドン引きされました。
自分がお酒を飲めないことも知らずに、好奇心から飲んでしまった。
子供ですねえ。
エリコさま、しみじみ素敵な女性ですね。こんな方とお友達になりたいです。
そして、ミズシマさんの前髪、わたしの現状に似てるかも。
セルフカットは難しい。泣
じじょうくみこ Post author
>>爽子さま
こんにちわー♪いつもコメントありがとうございます(^^)/
意外といますね、階段落ち経験者。心強いですわー。
そしてドドドと落ちた後にスチャッて立ち上がって
「大丈夫です!」ってすたすた帰っちゃう感じがものすごくわかります!
いきなり目覚めた野生に男子ドン引きしてる様が目に浮かんでおかしい(笑)
私もまわりに人がいたら同じことやったと思います(飲んではないけど)
見ていてほしいような、見られたくないような、複雑な乙女心ですよねえ。
エリコ様、本当にかっこよかったです。こんな人がいたんだなあと
いろいろと勉強になることが多かったですね。
2月から社員たちは、抜けた穴の大きさに気づくんじゃないかなあ。
ミズシマ、せっかくのイケメンがだいなしなことになってますw
いまねえ
足の小指などをぶつけて悶絶するのはしょっちゅうなんですが
でも50代となり膝が痛かったり目元もおぼつかない老眼だったりで
気をつけているせいか、階段での事故はおこしておりません。
それよりも怖いと思うのが、下りエスカレータ、特に駅。
東京は渋谷駅の下りエスカレータで私の横を駆け下りていった若い女性が
ハイヒールの靴元をすべらせて階段落ち、尻餅ついてドンドンドン!と行ったのを
眼前にしたときは声も出ませんでした。肩でもぶつかって巻き添えを食う危険性は
高齢の階段を日々登るモノとしては切実なモノです。。
階段でもエスカレータでも足元気をつけてお願いします!
・・って階段注意のお話ではありませんでしたね。。
じじょくみさんの会社の現状、我が社と重なり他人事ではありません。
更に生物の本能として危機的状況下で
生命力が復活する説、眼からウロコ的に納得します!!
じじょうくみこ Post author
>>いまねえさま
こんにちわ〜コメントいつも嬉しいです♪ありがとうございますm(_ _)m
あー確かに下りエレベーターのほうが怖いですね!
特に東京駅はエスカレーターが長い上に幅が狭い(気がする)ので
あそこで足を踏みはずした時のことを想像しただけでふるえが・・・(^_^;)
でも上りで上から人が降ってくるのもいやだなあ〜(なんの比較)
お互い上下左右に気をつけましょうね!!
以前うかがった、いまねえさまの会社の状況、
今まさにうちの会社が同じ流れになっています。
首を切られた派遣の多くが「業務委託」として
時給を下げられた状態で、委託先の会社に雇われて
同じ仕事を続けていることがわかってきました。
ああー黒い!ドス黒いよチキショー!!
生存本能をフル稼働させて生き延びてまいりましょう!!
あっこ
じじょうくみこ様
初めまして。
先週このブログの存在を知り、もう夢中です。
一気に読みたいところですが、勿体なくて、少しずつ味わっています。
私も「正座状態できれいに滑り落ちる」派です。もう3回も落ちました。
どういう体制から正座になるのか、自分でもとっても不思議で、一度客観的に見てみたいです。バックドロップスープレックスも経験があります。落ちそうになり、手すりにつかまったところ、ダウンジャケットだったため、スルっとすべり、頭からやってしまいました。
スローもションも初体験でした。
私もアラフィフィに突入した派遣社員です。
エリコ様と同じ、きな臭い会社や、きな臭い部署に配属されることが多いです。
結構なんでも出来るし、契約外の事もやってしまうので、会社にとっては都合の良い人材ですね。
私も「あいつ死ねばいいのに」と言えるようになりたいです。
じじょうくみこ Post author
>>あっこさま
初めまして、コメントありがとうございます♪気に入っていただけて光栄でございます!!
現時点で74本ありますので、1日1本で2ヶ月以上のお時間を拝借いたします。
どうぞゆっくりと(でも飽きない程度に)お読みいただけると嬉しいです(*^_^*)
それにしても、正座で滑り落ちる、を3回もくり出されたとは!
しかもバックドロップも……。階段落ち界の神セブン入りですね(あと6人誰?)
どうぞお体(と頭)はくれぐれも大切に!
あっこさまも、きなくさい部署に配属されるのですか。
心中お察しいたします。。。(T_T
エリコ様がすごいのは、本人に聞こえる距離で
「死ねばいいのに」と言ってしまうところです。
聞いているこっちがヒャッとなります(笑)
あっこさまも、ほどほどに毒吐きながら
いろんな所から落ちないようにふんばっていきましょうね♪
ハラミ
こんにちは。
お怪我なくて何よりでした〜。
女豹とはさすがじじょくみさま(笑)
幼児期に家の階段上で背を向けて本か何か見ていて、
頭が重いからか、後ろ向きにごろんごろん下まで落ちたことがあります。
気を失うこともなかったですが、頭を打ったのではと布団に寝かされ
近所のお医者さんに来てもらいました。
どこも何ともなく今も元気にしておりますが…。
(もしかしたらどこか打ったままなのかも知れません^^;)
エリコ様、できる女、カッコいいですね!
お会いしてみたいわ〜。
じじょうくみこ Post author
>>ハラミさま
おお〜土曜の友、ハラミさま! コメントありがとうございます〜(*^_^*)
なんと、バックドロップを・・・・下まで!!
子供で逆によかったかもですね。今なら危険きわまりないです。
お互い気をつけましょう(^_^;)
エリコ様、素敵でしたわ〜。ああなりたいと思いましたわ〜〜。
カッコイイ40代、いますねえ。