四十路独女じじょうくみこの「崖っぷちほどいい天気」⑤〜婚活フェアリーの、飛べない日々。
四十路独女の派遣オーエルというのは、なかなか不思議な立場です。派遣社員は正社員ではないので、社内のヒエラルキーからは外れています。とはいえ社外スタッフとも違うので、社内のドス黒い人間関係(愛憎含む)は熟知しています。年齢的には管理職クラス。係長も課長も部長さえもが年下ですが、ド新人からベテランまでいろんな人と働きます。
どのチームとも話すけど、どのチームにも属してない。そんな存在の私を見て、職場の20代女子・ナツカワちゃんがある時こう言いました。
「くみさんって、妖精みたいですよね♪」
うんうんわかるよ親近感があって誰とでも話せるってことだよね最高の褒め言葉だよね、わかってるわかってるんだけどそれってさ、
30すぎて童○の男性は妖精になれるってのと同じ系列かな
※ご存じない方はYahoo知恵袋をクリック。ベストアンサーが秀逸。
春になるとチューリップを探すといいらしい。
そういえば最近、職場で私と組んだ女子が3人続けて妊娠したのでした。そして先月から仕事するようになった女子に先週「赤ちゃんできちゃって、ウプ」とつっぷされた瞬間、ひょっとして自分は40を過ぎて人智を越えたスーパーパワーを身につけてしまったかもしれないと、己のフェアリーぶりが恐ろしくなってきたティンカーベルくみこです。
いやいやいや他人の家族計画に貢献している場合じゃないんですよ。ノーダンナ・ノーライフなんですよ、こないだお会いしたこの「別冊」リーダー・カリーナさんに「本気で結婚するつもりなんですか」つって真顔で聞かれたんですけど、マジですってガチンコなんですってば!
というわけで婚活サイトに登録してみたのです。
婚活と言っても王道の結婚相談所から流行の街コン、オミパ(お見合いパーティ)、はては婚活居酒屋に至るまでいろんな方法があるもんですが、忙しい四十路女がお金をかけずに婚活しようと思うと、スキマ時間にちょこちょこできる婚活サイトが一番便利なわけですね。
ざっくり説明すると、婚活サイトでは年齢や職業、年収、体型、家族構成、居住エリア、喫煙・飲酒の頻度、宗教、子供は欲しいか、家は賃貸か持ち家か、親と同居の有無、場合によっては性癖まで、事細かにプロフィールと希望条件を登録します。
入力はかなーり面倒ですが、そのぶん検索やマッチングサービスで、より希望に近い相手にスピーディにたどりつける合理的なシステム。お互い気に入れば直接メッセージを交わしたりして親交を深め、合意が得られれば直接会ってデート…と、まあそういう流れになっております。
婚活サイトにおいて人柄やスペックももちろん重要ですが、もっと大事なのはズバリ、顔写真であります。写真は登録してもしなくてもいいのですが、こと相手が見えないネット婚活の場合、写真があるっていうのはものすごく大きいわけです。なにしろ写真から読み解ける情報ったらハンパないですからね、事実、写真を登録している人はリアクションも大きい模様。
とはいえ、なにぶん四十路。なにしろビギナー。はたして同世代の女性たちはどうしているものやらと、まずは40代の女性を検索して敵情視察してみることにしたのです。
するとあらまあ、ビックリするほどお美しい写真ばかり! 決してキメキメではなく、あくまで敷居低め、解像度も低めのナチュラルスナップ(ここポイント)。それでいて着実に男子にアピールする絶妙な笑顔ショットをアップしておられる。しかもプロフィールを見ると、「ヤダあんたこんなとこで何してくれちゃってんの?」とツッコミたくなるようなハイスペックさんばかりですよ。これはいったいぜんたい何事か。日本は大丈夫か。
ともかく、こんな百戦錬磨なライバルたちを相手に、似たような写真を載せても埋もれてしまうのは目に見えています。かといってゴリゴリの合成写真や他人の写真を載せても仕方ないし、どうにかしてパッと見で目をひかねば先には進めません。はて、どうしたものかと悩んだ結果、じじょくみ思いつきました。題して
恋のヤッホー大作戦 😳
やっほ♪
※注意:写真はイメージです。わかってると思いますが、じじょくみ本人ではありません。
見る人に「オーイ」と呼びかけて注目を引きつつ、全貌が見えないので個人情報保護も万全。フェイスラインをさりげなく隠して小顔効果バッチリ、ほうれい線もなにげにフェードアウト。見えそで見えなくて「この人どんな人なんだろう…」とチラリズムにほだされたメンズがわんさか寄ってくるという、なんとも大人らしい姑息な手法であります。
少し前に姪っ子と遊園地に行った時、それらしきアングルの写真をたまたま撮っていたので、「これだっ!」とばかりにぽちっと登録。これが恋のアップロード。やがて愛へアップグレード。見えるわヴァージンロード。
すると、なんということでしょう。登録直後から本当にメッセージが、婚活メンズからざくざく届くじゃありませんか!
「面白い」
「なんだこれ」
「ウケるwww」
「叫んでる」
「ムンク」
「ムンクかよ」
「ムンクいるし」
「ムンクキターーーーーー!」
…あ
……あれ
………これってまさか
ムンクってると思われた
しまいには見ず知らずの殿方に「婚活がんばってください」とただただ無意味に励まされ、迷わずぽちっとID削除。
……ヤダなにかしら目から汗が出て前が見えないわ?
婚活どころか写真選別ですでに道をあやまり、この先のはてしない道のりを思って早くも心が折れそうになった、じじょうくみこでありました…。
追伸:困ったことに、これは実話です。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。
バックナンバーはこちら。
はしーば
えー、削除してしまわれたんですか?
そのヤッホー写真を見て、「このひとこそが自分の探し求めていたひとだ!」というレスをして来る男性こそが、真のじじょくみさんを理解できるだけの胆力を持っていると思うのですが。
私、二度目の結婚は婚活サイト登録がきっかけでした。そこで、結婚が三度目の今の夫と知り合ったんです。
写真もプロフも決してハイスペックではない私は、自分を偽ったり、飾ったりしなかったのが、成因だったようです。
おかげさまで、今では一日一笑が、私たち夫婦の合言葉です。
参考になるかは分かりませんが、はじめからある程度は地のままで行くと、あとが楽ですよ。
じじょうくみ子 Post author
>>はしーばさま
こんにちわ、いつもコメントありがとうございます〜(*^_^*)
はい、おっしゃることはよおーくわかるのです、その通りだと思うのですが
婚活サイトって登録すると新着情報としてがっつりPRしてくださるのですよね、
それでちょっとハンパない数の「ムンク発見」メッセージが届きまして心が折れました(爆)
今度はもう少し素直に地を出したいと思っております。。。
かえるちゃん
なんと言う事でしょう!
アタシが男だったら、間違いなくグッときますのにっ!
結婚生活なんて楽しいばっかりじゃないんだから、「楽しむ能力」のある女性を探さんでどーすんのよっ
やはり、婚カツ世代の男達はお約束な「古典的風な」女性がお好みな方が多いのでしょうか
ウチの旦那はちょっと清楚そうな女性をみれば、大騒ぎ
ああいう女性は、頑張りやさんで、絶対に性格もいいに決まってる!とか叫びだす始末
わが友人に、世間知らずかっ!と呆れられております
夢見るおっさんを捕まえなくて良かったですよ
「世間知らずトーク」聞き流すのも結構疲れますから(*_*)
じじょうくみ子 Post author
>>かえるちゃんさま
こんばんわー、コメントいつもありがとうございますm(_ _)m
そうですねえ、私の知る限り「面白い」は婚活の初期段階においてあまりプラスにはならないようですね(笑)
ダンナさまに対する大人の対応、すばらしいです。その手の男性、意外と多いなというのが私の印象ですが、私はいまだにそういう男子への対応がへたくそです。。。
まりー
何気に通りがかって読ませていただきましたが、面白いですね。ムンクってるっていう、ユーモアを理解してくれる方がどこかにいると思います。笑のツボが一緒な人と、出会えるとよいですね。^_−☆
じじょうくみ子 Post author
‘>>まりーさま
先を急ぐ道すがらお立ち寄りいただいた上に
コメントまでいただけるとは、ありがたいことでございますーm(__)m
笑いのツボが同じ、というのはとても大きな存在ですが
ムンクを狙ったわけではなかったので
あまりの事態にギエーー!とマジで叫んじましました…。
次は笑いのツボが同じ人をちゃんと探したいと思いますー。
わに
ワタクシ。。。。昔。。。。チヤホヤされてましたが。。。。
まったく もてませんでした
ムンク系 に 路線をかえたら モテモテで
ダンナが釣れました。
http://ameblo.jp/wani-mama/image-11548337121-12569597417.html
じじょうくみ子 Post author
>>わにさま
おおおおおおおお!
まさか実践される方がおられたとは!
しかもなんという素晴らしいヤッホー写真!!
じじょくみ大リスペクトでございますっ。
不測の事態だったとはいえ、わにさまの潔さ、思い切りの良さ…私に欠けておりましたm(__)m
わにさまにならって私も振り切ってがんばってまいる所存でございます!