50代、男のメガネは近視と乱視とお手元用 ~ いくつに見えると言えばいいのでしょう。
いくつに見えると言えばいいのでしょう。
世の中には答えにくい質問というのがあって、その代表格が年齢についての質問である。男でも女でも、僕はあまり相手の年齢には興味がない。興味はないのだけれど、たまに何かの弾みに相手に年齢を聞いてしまうことがある。または、相手が年齢を聞いて欲しそうにネタを振ってくることもある。「もう、そんな歳じゃないんですけどね」とか「若い頃ならいざしらず、いまはもうねえ」なんて感じで。
で、そういう人には、素直に、ああそうですか、年齢を聞いて欲しいんですね、という感じで「おいくつなんですか?」と歳を聞く。すると、全体の3割。女性に限っていうと全体の5割くらいが「いくつに見えますか?」なんて逆に質問してくる。
これが困る。とても困る。相手が男なら「いくつや、言うてほしいねん!」と笑って返せるけれど、女性の場合はうかつに答えられない。その後の展開が大きく変わってしまう可能性がある。一時期は、返答に困って、ぜったいにあり得ないくらい若い年齢を答えるという作戦に打って出た。しかし、これとて完璧ではない。
こちらが、相手の年齢よりも5つほど下のつもりでいった年齢が「惜しい!」と言われたり(つまりは、思ったよりも相手の歳が上だったということだよね)、もうやけくそだと、30代半ばに見える女性に20歳ですか?と答えて「馬鹿にしてるでしょ」と叱られたり。いやもう、本当に難しい。ましてや、2歳、3歳上に答えてしまうと、もっと微妙な空気が流れている。
どうしても、誰も幸せにならないような質問をしてくるのか、本当に意味が分からないのだけれど、これはもう人の性というものなのだと諦めて、最近では「模範解答は?」とさらに逆質問をしたり、もう本当にそう思った年齢をスリリングに答えることにしている。ま、それでリスクヘッジになるわけではないのだが……。
というわけで、もうそろそろ、誰も幸せにならない「いくつに見えます?」という質問を地球上から駆逐しようじゃないかという提案です。
植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。
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りぃー子
こんにちは。
全く同感で、女性同士でも困る質問です。
まあ、女性同士だと意外と年齢はそこそこわかるので、少し若く言える事が多いんですけれど、それでも面倒だし、やっぱり何を期待してこういう質問するんだろう、と思います。
私はあれこれ相手に気を使わせるのが面倒なので、常に本当の年齢を何のタメもなく公表する事にしていますが、でもそれはそれでどこか紙やすりでこすれるような抵抗があるのです。
何故なのか、自分でもわかりません。
最近はほんとーに、誰が何歳なのかとか、どうでもいいのが本音なんですね。
ちょっと気が合うかなと思った人がたまたま同年代だったりするのがわかると、ちょっと嬉しかったりってのはありますけど。
うえまつ
りぃー子さん
ほんと、なかなか扱いにくい質問ですよね(笑)。
でも、ちょっと気が合うなあ、と思ったからこそ年齢を聞いてしまったのに、答えが「いくつに見えます?」だと、しまった!と思います(笑)