お得なプランに翻弄される。
携帯電話ショップの前を通る度に、聞いたこともないような割引キャンペーンが展開されている。『家族割り』ならわかるけど、『誰でも割り』とか言われると、なんのことやらわからない。いちいち申し出なくても、月々の利用状況を把握しているんだから、勝手に一番お得なプランに変更してくれ、と思う。
自宅や事務所に電話がかかってくる『NTTのほうから来たんですが』的な人たちの話も同じだ。法律で決まったとか、こっちのほうがお得だ、とか、いろいろ言ってはいるが、結局は営業であって、お得だと、向こうが言い張るサービスに乗り換えるためには、新たなサービスへの加入が必要になり、時にはそれなりにまとまったお金が必要だったりする。
この辺りを考えるのが、本当に邪魔くさい。びっくりするくらい、ややこしい。
それでも人間誰でも損をするのは嫌だから、時々考えてみる。どれがお得なのかを真剣に考えてみる。そして、どれが得なのかさっぱりわからなくなる。わからなくなって、僕はある結論に達したのである。
もし仮に、いまの通信サービスの状況が、もっともお得なプランよりも月々1500円高かったとしよう。1500円と言えば、それなりの料金だし、年間にすれば2万円近いものになる。
しかし、忙しい合間に「どれが本当にお得なのか」ということを考えたり、いささか不愉快なことが多い通信事業の営業マンや携帯ショップの店員と話すことを思えば、月々1500円は安いじゃないかと。
いや、本末転倒なのはわかっているが、そう考えると、もうすべてがどうでも良くなってくる。そして、次々とサービスを作り出し、それを「知らないほうが損をする」という状況を作り上げている提供者側に腹が立つ。だから、腹が立たないように自衛しようと思うと、「損しているかもしている金額」を「そんな状況に付き合わなくてもいいという権利」を得るための金額だと考えればいいのだ!と思っているのだが……。
先日、そんな話をヨメにしたら、「はいはい、私が調べるから、コーヒーでも飲んできて」と呆れ顔をされたのであった。
植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
takeume
私もそう考える方です。
時間単価がいくらで、その元を取るのにどれくらいの年数かかって、
それまでに新しい更に安くなったら・・・とか考えると、
そう考えることでさえ「時間の無駄!」とサクッと切り捨てます。
忙しくなくても、「ボーっとする時間」も「ネットをダラダラ見る時間」も私の個人の時間ですので、
それをこちらが望まないのに裂くことは「私の個人の時間を相手が消費する」事なのですからね。
大体、向こうからの営業にこちらが得することは殆どないと考えてます。
nao
先月引越しして、やっとフレッツひかりとやらに加入したのですが
ひかり電話と、ヤフーのホワイト光電話は違うとか
フレッツも何だかちょっとずつ違う名前のプランが一杯あって
もう何が何だかわかりませんでした。。
私は今までどおりネットが見れて、
親兄弟の家にBBフォンで電話出来ればいいだけなのに!
ケータイも怖くて未だにガラケーです。
uematsu Post author
takemeさん
確かに向こうから営業してくるものに、お得なものはあまりないのかもしれませんね。
uematsu Post author
naoさん
僕も、やって欲しいことは限られているんですよねえ。
それなのに、ややこしいキャンペーンが目白押し。
爽子
家の近所が、しつこい営業に負けたのか、NTTの光に変える工事が相次いでます。
うちの家の前に電信柱があるんです。
工事のたびに、ドアホンを押され、やりかけの用事を中断されます。
でかい作業用クレーンが邪魔して、外出から帰ったときに、スムーズにガレージに入れられないこともありました。
セールスの電話を断るせりふの途中にガチャンときられてからは、どんなに「お得」でも契約するもんかっ!
uematsu Post author
爽子さん
そうなんです。
いくらいいものでも、
「君からは、絶対に買いません!」
と思わせる人がいますよね。
あれは、本当にがっかりします。