50代、男のメガネは

イルカの追い込み猟がいけないのは、イルカの頭がいいからだ、という話。

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うちにはマロンというネコがいる。アメリカンショートヘアなのに栗色という珍しい奴で、まだ小学生だった娘が『栗みたいだからマロン』と安直に名前を付けて飼いだしてからすでに数年経ち、いまではすっかりオッサンネコである。

 

もともと動物は苦手な僕であるが、さすがに長年一緒にいるマロンは可愛いと思う。腹の上にのってニャンと泣けば、ニャンだい?どうしたのかニャ?などといいながら、頭を撫でたりする。しかし、ネコはネコだと思う。人間ではないので、例えば、うちの家が万が一火事になったとしたら、さきにヨメや子どもたちを逃がして、マロンは一番最後だろう。正直、よく鉄砲水で川に取り残された犬や猫をレンジャー部隊が助けた、というニュースを見るけれど、人間が危険をおかしてまで助けなければいけないとは思わない。

 

誤解されそうだけれど、助けちゃダメとも思わないし、助けられるものなら助けてあげたいとも思う。だけど、人間が危険にさらされてもとは思わない。少しでも危険があるなら、助けなくていいと思う。

 

とうわけで、イルカの追い込み猟である。

 

イルカの追い込み猟で捕まえられたイルカを購入している日本の水族館は、世界の動物園や水族館の組織から追い出すぞ!と言われて、日本全国の動物園水族館はそれに従うことにしてしまった。
従うことにした理由はよくわかる。伝統的な漁法を守りたいという気持ちは分かるが、世界的な趨勢に従わなければ、子どもたちに新しい動物や魚を見せられる環境が継続できない。そりゃ、「追い込み猟のイルカは引き取りません」と言うしかない。

 

僕が個人で水族館を営業しているとしたら、どうしただろう。自分の祖父が和歌山の出身だということもあるが、ここで屈することはできないと、「いや、これからも追い込み猟のイルカだからって、除外しません」と言ってしまいそうな気がする。

 

もちろん、言った後で、「ややこしいことになったなあ」とは思うのだろうけれど。そして、言ってしまった後で、「よし、それなら世界の動物なんて見せなくていいから、日本国内で捕獲できる動物や、これまでに飼っている動物だけで勝負しよう」と思い直し、地味目なラインナップの水族館になり客足が鈍り、ジリ貧になっていくのかもしれない。

 

もともと、アカデミー賞のドキュメンタリー映画部門で賞を取った『コーヴ』という映画が本当にひどい。クジラを捕る人々を悪魔のように描き、自分たちを悪魔に翻弄される善人のように描く描き方が、エゴイスティックでたまらない。そこから、クジラ、イルカを殺戮している日本人というイメージがどんどん輸出されているような気がする。

 

クジラやイルカが賢いから獲ってはいかん、というなら、牛は馬鹿だから食べてもいい、というなら、その線引きをするお前たちは神か!と思ってしまう。牛には牛の哀しみがあり、羊には羊の哀しみがあるのだ、と思い始めたら、人間なんて生きてはいけんのだと思う。

 

植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。

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コメント、ありがとー!

  • コブ

    まったくもって、同感です。
    これって、野生のイルカを捕獲することがいけないのでしょうか?
    それとも、追い込み猟がいけないということなのでしょうか?
    今に日本で行なわれているイルカショーにも反対運動が起こるのではないでしょうか?

    ちなみに、私の暮らす地域も昔はイルカの追い込み猟をやっていて、「イルカが大好物」という中高年がたくさんいます。鯨を祭った神社もあります。
    捕鯨文化はなかなか欧米のヒトに理解されません。残念です。

  • nao

    食べることが命をいただくっていう意味では
    どの動物も、植物だって同じです。

    イルカやクジラ漁に反対している団体が不愉快なのは
    一方的な価値観を押しつけてきて、しかも野蛮扱いするからですかね。
    クジラを別に無理して食べなくたっていいし
    イルカショーを見られなくなったからってどうってことないけど
    なんであの人達らからそんな言われ方されるだろうかが腑に落ちないのですよ。

  • uematsu Post author

    コブさん
    こういう問題で難しいのは、ひとつひとつ考えて行くと、
    どっちも間違えていない、ということだと思うんです。
    クジラは数が少ない→しかも頭がいい→それなら獲らないほうがいい→そうだそうだ!
    というのは間違っているとは言えない。
    だけど、「こういう獲り方をすれば、ちゃんと数を守れる」と主張しても、
    「いや、だめだ。クジラを殺すのは野蛮だ。虐殺だ」
    となると、これはもう言いがかりにしか聞こえません。
    「じゃあ、牛を殺すのは虐殺じゃないのか」というと、
    「牛は食べるために育てている」と返してきたアメリカ人もいましたが、
    それは苦しい言い訳にしか聞こえませんでした。
    クジラを神聖視することで、過激化した自然保護運動は、
    本当に気持ちが悪いです。

  • uematsu Post author

    naoさん
    そうなんですよねえ。
    僕は太地の人たちを野蛮人扱いして、
    自分たちを知的な教養人だと主張する人たちを
    決して認めることはできません。
    マグロ猟もやめようと言い出した保護団体がありますが、
    もはやほ乳類でもない魚類もだめだとしたら、
    いったい、何を食えと言うんだろうと思います。
    人口的な添加物だけ食べて、生きていくんだろうか。
    未来の人間は。

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