恥ずかしながら
うまくキャリアアップができなかった。学校を卒業して、そのまま会社に入ってコツコツと努力するという気持ちは最初からなかったし、できる性格でもなかった。
映画の世界で頑張るのだ!と、それなりに努力はしたつもりだったが、生来のさぼり癖もあり、必死になれたかというと、きっとそこまでではないと自覚している。
それなら、コピーライターとしてどうだったのか、と問われれば、うまい具合になれたとは思う。書くことは好きだったし、頼まれた仕事を一生懸命に考えて、今までになかったものを作りたいという気持ちは人一倍あった。そこへ、当時急成長中だったリクルートという会社に所属することができたので、仕事を次から次へとこなすうちに、力を付けることができた。
まだ20代の半ばだったので、やればやるほど力を付けることができたのだと思う。おかげで、すぐに自分の事務所を立ち上げることができたし、コピーライターの会にも入会できた。
問題はやっぱり、人を雇って組織を運営するということがとても苦手だったということだろうか。自分のことで精一杯で、人のことまでこまめに見ることができない。その結果、時代の波に翻弄されて右往左往しながら、あちらこちら傷ついたり、年下の仕事仲間に子供のようにあっさり裏切られたり。
まあ、経営者だとしたら、「なんで気づかない」といわれそうだが、もうそう言われたら「作るしか能がないのです」と言うしかない。ごめんなさい。
いやだけども、今回言いたかったのは、僕には経営者としての才能がない、ということではなくて、ですね…。
最近、テレビなんかを見ていて、順調にキャリアアップした人がテレビに出てきて、「これからは、仕事をセーブして、趣味の時間を増やしていきたいですね」なんてことを言うとるのですよ。
そいういうのを見ていて、「え~!そうなん!そんなふうにできるの?!」と僕は思うのだ。
どうなんですか。みんな50歳も越えると、そんな余裕かましてるんですか、と。それはもしかしたら、僕がキャリアアップの仕方を間違えてきた、というか、もともとキャリアアップとか、そういうところと関係なく生きてきたからですか?
きっと、そうなんでしょうね。いやもう、下手なんだもの。
こないだだってあれですよ、「恥ずかしながら」ってメールを信頼できる友人に出したんですよ。
「恥ずかしながら、年末に向けて、ちょいとばかり仕事の入れ方を失敗しまして、なんか仕事あれば頑張りますよ」
なんてまるで30代で出すようなメールを恥ずかしながら出したばっかりですよ。もう50代も半ばにさしかかろうと言うのに。しかも、返事が「年内はちょっと難しそう」という正直な返事(笑)。
それなのに、テレビを見ると、同じ年代とおぼしき男性が出てきて、「会社を早期退職しましてね。これからは好きなバイクで日本中を回ってみようと思うんです」とか言うんです。
どっから、そんな余裕が出てくるねん!とか思うんですが、まあ、さすがにお前余裕なさすぎやろ!と、若手芸人のようなわかりやすいつっこみをしたくなる今日この頃です。
いやもう、若いみなさん、50代半ばのおっさんみんなが、そこそこしっかりしているなんてくれぐれも思わないでくださいませ。あ、思ってない?それはよかった。では、恥ずかしながら、また来週。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
「ネコのマロン」販売サイト
https://store.line.me/stickershop/product/1150262/ja
クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
http://www.isana-ad.com/maron/pc/
植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
okosama
uematsuさん、こんばんは
父親が自営業だったので、ご苦労はよう分かります。自分はしっかりしてたつもりでも、落とし穴があったり、波をかぶったりしますわね。
uematsuさんのコラムを読んでは、読点はここで打つんやな、(笑)は句点の前に置くんやな、これが文中の「」の使い方なんやなと確認しています。
おばさんの中にも、恥ずかしながら、いつまでも正しい日本語表記が身につかない私のような50代半ば(というか同い年)のおばさんもいるわけで。
uematsu Post author
okosamaさん
僕の表記もええ加減なんで参考にしないでください。だましだまし生きてるんで(笑)。
しかし、自営業とか中小にとっては、本当に厳しい時代ですねえ。
負けんように頑張ります!
アメちゃん
おはようございます!
ああもう、よくわかります。
私は一人で仕事をしてるんですけど、自由業の大先輩が
「こういう仕事をしてたら、浮き沈みの波が絶対あるねん。でも、また上がるから」
と言うんですが
イヤイヤ、これもしかしたら
右肩下がりの坂をずーーっところげおちてるんじゃないか?とかんがえたりして
ゾーーっとしますね。
先日も、同業の先輩(50代)から
「すっごいヒマー。貯金の残高ヤバいー!」とメールがきましたよ。
ま。40代50代になっても余裕かませない分
いつまでも若くいられるのだ!と、思ってなぐさめています^^;。
uematsu Post author
アメちゃんさん
会社員には会社員の、自営業には自営業の、それぞれの楽しさ辛さがありますね。
でも、年を重ねると、なかなか冒険ができなくなってしまいますね。
これじゃいかん!といろいろやって、うまくいかずうなだれて。
だけど、そのなかから、新しいことが細々と始まって…。
そんなこんなで、また頑張ろうと思うんですよね。