シン・ゴジラと東京都知事選
東京都知事選の当日、僕は大阪で仕事があったので期日前投票をした。期日前であろうが当日であろうが、候補者は変わらないので、大方の東京都民と同じように悩み、考え、ため息をついて、ああでもない、こうでもない、じゃあ、いったい誰なんだと空を仰いで、もう一回候補者の顔を見渡して、街頭演説の発言を思い出し、テレビの駆け引きの裏を読んでは読み過ぎかと深呼吸をして、なんとなく納得できないままにたった一人の名前を書いて投票箱へと滑り込ませた。
そして、東京都知事選の当日、僕は関西で映画を見た。僕が実家を出たあとに出来た大きなイオンモールにあるシネコンで映画を見た。
『シン・ゴジラ』は都知事選で思い悩んでいたいろんなことをぜんぶ吹き飛ばしてくれるほどに面白かった。そうだ、こんなことを悩んでいる場合ではない、と思わせてくれるほどに面白かった。
油断していると、アメリカにええようにされるぞ。中国も、なにしてくるかわからんぞ。とまあ、そんなことを『シン・ゴジラ』は思わせてくれてるのであった。
その夜、ゴジラの興奮さめやらぬ僕は速報で、都知事選の結果を知り、さっきまでの興奮があっという間に冷めてしまい、「ああ、ゴジラが現れてあばれるしかないのか、この国は」とまで考えてしまったのだった。
もう、選挙戦がうまかったとか、そんな論評なんて聞きたくもない。誰もが煮え湯を飲まされているような日々が終わることを待っている。待ってはいるけれど、それを終わらせてくれる政治家の登場を待っているわけでもない。経済を何とかしてくれるなら、ちょっとくらいのゲス野郎でも我慢しよう。そう思った瞬間に失うものが多い。
やせ我慢だ。やせ我慢で頑張ろう。
僕はそうゴジラに誓うのであった。いや、ほんと。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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