カフェ小景・そうかい。キミたちは本日、お泊まりなんだね。
大阪の喫茶店に入って、コーヒーなぞ飲んでいるのである。
休日の阪急うめだ界隈はどこもかしこも混んでいて、コーヒーを飲むのも至難の業である。が、そこはそれ、おしゃれな店なぞ選ぶからいけないのである。煙草を吸いたいがために入るような、昔ながらの純喫茶なら一人二人は余裕で入れる。僕はもう煙草は吸わないので、そんな店できちんと分煙されている店なら大丈夫。ほら、今日もそういう店はちゃんと入れるのである。
入れるのではあるが、こういう店にはやはり難がある。どういう難があるのかというと、ちょいとややこしい人間が多いのである。客にも店員にも。というわけで、本日は左隣がやくざ屋さんで、右隣がズルズルした関係を続けてきた若い男女である。
僕の真横にそれなりに可愛い女の方が座っているのだけれども、こいつがかなりのアホである。どうも、この二人、友だち付き合いは長いのだが、恋人ではない。恋人ではないが、すでに何回か寝たことはある。寝たことはあるが、それぞれに恋人がいて、ちょうどこの夏からのタイミングで、双方がもともとの彼や彼女とは別れて、フリーになった。別にこの二人で付き合うためにフリーになったのではないが、久しぶりに会ったら、お互いフリーだったので、それなら付き合う?という話になり、めでたく、本日お付き合いすることが決まったのである。
えっと、そこまでが僕がこの喫茶店に入店してたった30分のことなのである。ええっ!たった30分だよ!
まあ、昔、沢田研二が歌った『背中まで45分』って歌があったけどさ。それでも45分かけてるのさ。バーであって、廊下をすり抜け、ホテルの部屋で背中触るまで45分。本日のカップル様は腰を落ち着けて、コーヒーとレモンティ頼んで、近況報告し合って、見ず知らずの僕にまでわかるように互いの肉体関係の過去までさらして「じゃ、今日泊めてよ」「いいよ」という話になるまで、たった30分でござる。ちなみに、本日お二人が合体される彼女のお部屋は中崎町にあるおしゃれにリフォームされたマンションの一室だそうだ。
いやもう、プライバシーマークがどうのこうので、仕事で連絡取らなきゃならない相手が会社のフロアにいるかどうか、勝手にドアをあけて覗くこともできないご時世ですよ。見ず知らずにカップルの過去と本日のセクシャルな行事予定を知ることはこんなに簡単なのだ。
えっとまあ、なんの話なんだってことですが、なんか間違ってるぞ!と思うと同時に、人間てどこまで行っても愚かしくて面白いね、という話じゃないでしょうか。たぶん。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
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クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
perako
あるあるですねー。電車の中の女子高生の会話がよく似ています。
個人情報、プライバシーなんて関係ない! って、居酒屋の大人も同じかな?
会話に加わりたくなるような面白い話もあるので、聞いてないふりして聞いちゃってます(#^.^#)
uematsu Post author
perakoさん
ほんと、大人も子供も、情報垂れ流しですね。人のことは言えないけど(笑)。
携帯電話で外で話してて、取引先の名前とか言ってるだけでも、本当はプライバシーマークには引っかかると思うんですけどね。