水みたいなアルコール消毒液で手を洗う。
ご近所のスーパーは、都知事に「密ですっ!」と叱られないギリギリな感じで、緊急事態宣言下の営業を続けている。このスーパーの出入り口にはアルコール除菌剤が置かれている。ほとんどの人が、入るときと出るときにシュッと除菌剤を手に取り、手をすりあわせる。
アルコールの除菌剤はアルコールの濃度が70%以上がいいらしい。家にもアルコールの除菌剤があり、それが70%以上なのでわかるのだけれど、濃度が高いとちゃんとアルコールの匂いがする。ところが、である。このスーパーの出入り口に置いてあるアルコール除菌剤はなんの臭いもしないのである。
最初のころは手をすりあわせると、アルコールの匂いが鼻をついてきた。ところが、世の中からアルコール除菌剤が品薄でなくなり始めると、このスーパーの除菌剤からアルコールの匂いが消えたのである。おそらく、水で薄めているのだろう。もしかしたら、ほとんど水なのかもしれない。鼻をつけて匂いをかいでも、まったくアルコールの匂いがしない。そして、手をすりあわせてもアルコールのように乾かず、いつまでたっても濡れているだけだ。
アルコール除菌剤が流通していない。本部からも送られてこない。けど、いまどきどのスーパーも入口にアルコール除菌剤が置いてある。うちだけないと、クレームが入るかもしれない。だったら、薄くてもいいから置いておこう。なに?70%以上でないと効果がない?もうそんなこと言ってられないだろう。いいからいいから。
というようなことなのかもしれない。それなら、あっさり「アルコール除菌剤が切れております」でいいじゃないかと思う。除菌剤で手を洗っていると思っていたら、ただ水をつけていただけ、というほうが怖い。
なんとなく、「ここできちんとしなければ、後の人が困る」という考え方が、もう世の中から失われつつあるのではないかと思ってしまうのだ。もちろん、医療関係など、日々命と向き合うようなところで緊張感をもって働いている人も大勢いるはず。でも、そんな医療の分野にだって、患者から頼まれたからという理由でよく調べもしないで、BCGのワクチンを注射で打つような人もいるらしい。
たかだか、アルコール除菌剤なのかもしれないけれど、こういう所から、いろいろ悪い方向へ流れていくんじゃないの、という気持ちになってしまう。こんなふうに思うのは、僕がいま自粛生活のなかで疲れているからですかね?
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
nao
お疲れ様です。アルコールはうちも玄関に置いて帰るとすぐに消毒してますが、夫から「飲んできた?」と聞かれる位アルコール臭いです。
マスクも通気性のよい!?なんちゃって布マスクになりつつあり、本当は何が正しいのかちょっとわからなくなってきました。
何にしろ無事乗りきりたいものです。
uematsu Post author
naoさん
ほんと、何が正しいのかわからなくなってきますね。
自粛が続いて、気持ちも沈んでくるし。
それでも毎日は続くので、ぼんやりもしてられない。
とにかく、収束してほしいと思う毎日です。
izumi
それは次亜塩素酸水ではありませんか?
安全性が高い除菌剤です。
アルコールが入っていないので
臭いもほとんどなく、水のようであり
いつまでも手が濡れたままですが
手は荒れません。
我が家もこれを使っています。
厚生労働省からも指針が出ていて
食品衛生法でも昔から認められており
食品を洗ったりするのに使用されてます。
なお、ハイターを薄めて作る
次亜塩素酸ナトリウムとは
まったく別のものです。
uematsu Post author
izumiさん
あ、その可能性もありますね。
前に、お店の人に「これ最近、アルコールの匂いしないよね」と聞いた時には、
「在庫がなくて薄めにさせていただいていて」という答でした。
でも、その頃よりもアルコールの匂いがしなくなっているので、
もしかしたら、次亜塩素酸水に変えている可能性もありますね。
今度、聞いてみよう。
ご指摘有り難うございます。