熱いコーヒーでなんとか立っている。
熱いコーヒーを飲む。エアコンを付けて寝ても、熱中症で死んでしまう人がいるくらいの狂ったような酷暑の中で、熱いコーヒーを飲む。水分をとるのだから、それが熱くても冷たくても大差はないだろう。あるとすれば、「このクソ暑いのに」という気持ちの問題だ。もちろん、汗だくの炎天下ではなく、エアコンの効いたコーヒーショップや自宅での話。部屋の中にいても、ちょっと窓際に行くと外の熱さがじんわりと伝わってくるような毎日なので、ついつい冷たいものが飲みたくなる。でも、冷たい物を飲んでしまうと、いま以上に自堕落になってしまうことが目に見えている。
ストローで無防備に一息に吸い込んでしまえるアイスコーヒーは、さらに次のいっぱいを身体が要求し、ついでに「寝っ転がれるなら、寝っ転がればいいじゃないか」と話しかけてくる。こうなるとお終いだ。何もする気がしなくなり、好きなはずの映画も見る気がしなくなる。そして、ジャンクなものが食べたくなり、ジョギングなんてもってのほか、本を読む気力さえなくなる。
目覚ましにコーヒーを飲もう。冷たいコーヒーか、熱いコーヒーか。この時に、ホットコーヒーを選ぶのが、自堕落な僕をなんとか世の中に繋ぎ止めておく秘策のような気がする。関西人としては、ここで「知らんけど」と呟きたいところだが、たぶん、本当だと思う。熱いコーヒーを買って、ハリウッド映画以外のちょっと短めの映画を見る。そして、その映画がこちらの神経を上手い具合に逆なでしてくれたりすると、もう言うことはない。
今朝、とりあえず入ったコーヒーショップで、ホットのドリップコーヒーを頼みながら、そんなことを考えていた。考えながら、「そんなことで?」と我ながら笑ってしまったのだが、まさに、そんなことばかりで僕はできていて、たぶん、そんなことで笑ったり泣いたりしているのだと思うと、なんとかなると思えてくるのだった。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
「ネコのマロン」販売サイト
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クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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Jane
うーん、ヘミングウェイの『老人と海』の老人が飲むコーヒー(それで生かされてる、って感じのコーヒー)を思い出しました。私も毎朝熱いブラックコーヒーを飲んでいますが、私には効き目がないようです。
最近よく「私はこれさえ飲めば/食べれば/聴けば/観れば」大丈夫みたいなものがほしいと切実に思います。自分がそう思ってるだけ、のものでいいんですけどね。
uematsu Post author
Janeさん
そういうの憧れます。
僕はいつまで経っても、あっちこっちに手を出しては失敗してますね。