ひとつ結ぶ、ひとつひらく。
山口百恵が♪ひとつ結ぶ〜 ひとつひらく〜♪と歌うと、えらく切ないことのように感じられて、愛だの恋だのがそう簡単なものじゃないぞ、という気持ちになった。まだ子どもだったのに。先日、僕がお手伝いしている映画の学校の卒業式があり、その帰り道にiPhoneで音楽を聞いていたら、山口百恵のこの歌が流れてきたのである。
ひとつ結ぶ ひとつひらく 恋という名前の夏の花
ひとつ結ぶ ひとつひらく めくるめく光の中で
という歌詞で始まる『夏ひらく青春』という歌。この歌はひと夏の経験で傷つく女性が主人公なんだけれど、直接は関係なのに「ああ、そういえば、今年の学生たちはちゃんと結んで、ちゃんと開いたヤツが少ねえなあ」と思ってしまったのだ。
で、なんとなく、「この歌は何を歌っているのだろう」と考え始めたんだけれど、やっぱりあれかなあ、恋でも愛でも、ちゃんとひとつひとつ決着つけないと、次の花が開きませんよって歌なんだろうか。そう考えると、卒業式の日にこの歌をたまたま聞いて、あいつらのことか?と思った感覚は当たっているような気もする。
これはもうたぶん、なんでも一緒なんだけど、中途半端に終わると次につながらないってことが多いんじゃないかと思うのだ。脚本も途中で書くのを辞めてしまう学生はビックリするほどうまくならないし、作品も途中で放棄して閉まったりする。不思議と、つまらない脚本でもとにかく最後まで書こうとする学生は、少しずつでもうまくなる。そして、作品を途中で投げ出すことがない。
これって、作品に対してていねいに向き合うってことだし、恋愛ならていねいに生きるってことなのかもしれない。で、ていねいに生きてる人ほど、いい作品やいい恋愛に結びつくってことなのかもしれない。うん?いや、どうだろう。作品はそうかもしれないけど、恋愛はなあ。ひとつひとつていねいに決着付けても、「え?また同じタイプだよっ?」って感じの人と出会って、また同じようにダメになるって人も多いしなあ。
ということで、山口百恵の切ない歌声を聞いて、人って不思議でおもしろいね、と思った春の日でありました。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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okosama
uematsuさん、こんにちは
学生でなくても耳が痛いお話ですわ(汗)
恋愛については知らんけど(笑)
uematsu Post author
okosamaさん
学生はいつも反面教師です(笑)。
恋愛については、僕も知らんけど、です(笑)。