年末だからって、すっきりしない。
だいたい12月31日が1年の終わりで、1月1日が新しい年の第一日目だ!と思っているからおかしなことになるのである。本来、時間というものは刻一刻と積み重なっているというか、続いているというか、終わりとか最初とかいう概念はないのである。ないにも関わらず、僕たちはなんとなく、12月31日は1年間を締めくくる日で、1年間のややこしいこともイヤなことも、全部いったんチャラにしようとしてしまう。
してしまうのだが、時はそんなに都合よくできてはいなのであーる。と、なぜか懐かしい嵐山光三郎ふうに言ってみたりするのだが、まあ、それは真実である。いや、もとい、真実であーる。
ちょっとややこしいなあ、と思っていることがあれば、年内に片が付けばいいなあと思ってしまうし、しんどい仕事があれば、できれば新年に持ち越したくないと思ってしまうのである。いや、もとい、えっと。まあ、である、でいいか。
でも、そんなに都合よくいかねえな、ということくらいもう60年も生きてきてわかっているはずなのに、そう思ってしまうのだから困ったものだ。
で、なんでそんなわかりきった話をわざわざ今年最後の連載で書いているのかというと、思い知ったのである。今年こそ、年末だからっていろんなことがすっきりするなんてことは絶対にないのだということを思い知ったのである。というほどに、すっきりしたかったことがあるということなのだけれど、ここで不思議なことに気付いたのだ。
なんとか、すっきりしたい、ということがあり、それがすっきりしないということを思い知ったことで、なんかすっきりしたのだ。うん。不思議。すっきりしないことを思い知り、覚悟したことでなんとなくすっきりした年末を迎えようとしているなんて。
ということで、みなさん、今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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植松眞人事務所
植松眞人(うえまつまさと): 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。現在はコピーライターと大阪ビジュアルアーツ専門学校の講師をしています。東京と大阪を行ったり来たりする生活を楽しんでいます。
Jane
私も今日の午前中それをもやもやと考えていました。この歳になりますとね。分かってきますよね。人生は積み重ねで明日は今日の続き。年が変わったからって私という人間はそうは変わらない。運勢だって、がらっとは….少なくとも良く変わる可能性はない。
私はクリスマス翌日にガラガラの病院に行って、ホリデーなのに働いている医者に診てもらい、アメリカにしちゃ珍しい速度で検査が予約でき、結果も速攻出て、どよ~んの気分を新年に持ち越しです。せっかくのホリデー気分が台無し?いやそもそもホリデー気分もなかったのでした、人にはハッピーホリデー!とかハッピーニューイヤー!とか口先で言いまくっていますが。
uematsu Post author
Janeさん
ま、そういうことに気付いたからこそ、「ハッピーホリデー」とか「ハッピーニューイヤー」とか「おめでとうございます」とか、笑顔で言うのもしれませんね。
良いお年を!