50代、男のメガネは近視と乱視とお手元用 ~ もう、一般男子ではないのだ。~
もう、一般男子ではないのだ。
柄にもなくマラソンを走るのです。いやもう、子どもの頃から運動が苦手で、運動会が雨で流れればいいと毎年本気で祈っていたほどの運動オンチ。高校生の時には、「よーい、スタート!」のかけ声とともにコースを外れ、悪友4人とお金を出し合い密かにタクシーに乗り込み、ジュースを飲みながらゴール付近に隠れ、ちょうどいい時間にゴールイン!「今年は楽勝!」と帰ろうとしたところを先生に捕まりました。
なんと汚いことに、いや、なんと律儀なことに、中間地点で掌にマジックで印を付けてもらうことになっていたらしいのです。それでバレバレ。あえなく、もう一度最初から走らされることになったのでありました。
というくらいに走るなんて、苦手中の苦手だったのに、なぜか40歳を過ぎてからランニングを始め、年に1度はフルマラソンを走るようになりました。なぜ?という話はちょっと長くなるので、今度また。
で、こないだマラソン大会にエントリーしようとして驚愕したのです。マラソンのエントリーをするときには、年齢や性別を記入していくのですが、いままで僕は「一般男子の部」でした。ところが、今回エントリーしようとして、年齢を記入したらWEBの画面が自動的に「シニア男子の部」に! これはマラソン大会によって違うのですが、50歳、60歳を区切りにほとんどの大会は「一般」が「シニア」へと切り替わるようです。
そうか、おれはシニアなのか。もう一般ではないのか。あんなことも、こんなことも、今まで通りにできるのに、なんで?どうして? どこかにその理由でも書いてあるのか、と小さなWEBページの文字を追っていると、どうにも目がかすんで仕方がない。ああ、イライラするなあ。
……ああ、シニアって、そういうことか。
植松眞人(うえまつまさと)
1962「年生まれ。A型さそり座。
兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。
現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。