Posted on by プリ子
(25)オバさん用ホルモン?
戦前の新聞や雑誌を読んでいると、必ず遭遇する広告、それがオバホルモン。
(画像は、宝塚の機関誌『歌劇』昭和12年12月号から。クリックすると拡大します。)
ずーっと「なんだろう…」と思ってたんですよ。
だって「オバ」ですよ、「オバ」。
きれいな女性の絵が描いてあるけど、「オバ」じゃあ台無しだろうと。
自虐? 自虐なの?
この年になって、ふと気が付いた。
ああ、更年期用のホルモン剤か!
あらためて効能を読んでみると…
「結婚期の神経衰弱、月経不順、子宮発育不全、月経痛等」
「初老期の頭痛、腰痛、下腹痛、心悸亢進、四肢冷感、肩凝り、耳鳴等の更年期症状、ヒステリー、憂鬱症」
(「ヒステリー」があるのが、時代ですね~。→前回の記事)
おやっ? おばさんだけじゃなくて、若い人でも生理不順などに効果があるんですね。
へーへーへーへー。
(じゃあ、なんで「オバ」なんだろう。綴りは「OVA」。??)
「オバホルモン」で当時の論文を検索すると、
「頑固な肩凝が「オバホルモン」の注射で全治した例」昭和11年
「四肢の冷感を主訴とする女性患者の治療に就て(オバホルモンベンツアト使用成績) 」昭和12年
なんか、いいことばっかりじゃな~い?
普通に買えたのかしら。
今はこんなふうに雑誌に女性ホルモンの広告載ったりしないですよね~。
ググってみて驚いた。
妊娠した馬の尿からとれるそうな!!
→こちらの記事。
ぎょえー。
さらに驚いた。
今も病院では使われてる!!!
→たとえばこんなページ。
マジかよ。
オバホルモン。それは、息の長~い商品でした。
ということは、婦人科で処方されるかも! オバホルモンを!
昭和7年発売で、『歌劇』の葦原邦子さまや春日野八千代さまの隣に載ってた
あのオバホルモンを!
okosama
オバホルモン。
比較的さらっとした更年期で婦人科に行く機会があまりないので、全く知りませんでした。
商品名(慣用名)なんですね。
やはりオバはあのオバなのか?それではオバさんという呼称はいつからあるのか?ー私には探せませんでした。
横にそれますが、宝塚の会報って、100年前からあるんですか?広告が面白そう(^o^)
プリ子 Post author
okosamaさん、コメントありがとうございますー!
私もまだそれほど困ってないのですが、
もしオバホルモンを投与される事態になったら、そのことだけは楽しめそうです。
宝塚の公式の機関誌「歌劇」は創立の4年後に創刊されたので、
今年は96年です。当初は学術的な雑誌だったんですよ~
ナショナルの広告なんかも載ってました^^
…「オバさん」の歴史も面白そうですね!
親戚の「オバさん」から派生したんでしょうけど、
蔑称みたいになるのはいつからなんでしょうね。
nao
こんばんは。
オバホルモンのオバ(ova)は、卵巣(ovary)が由来だそうです。
それにしても妊娠した馬の尿からってすごいですね!w
プリ子 Post author
naoさん、素晴らしい情報をありがとうございます!
オバさんが由来じゃなかったんですね!!!
そりゃそーだけど、でも、でも、0.1%ぐらいはその可能性もあるかと思ってました^^;
医学に詳しかったら「卵巣」=ovaryってすぐわかるんでしょうね。
okosama
naoさん、ありがとうございます!
Saki
オバホルモンの広告の写真、とても貴重なものを拝見させていただき、ありがとうございました。もし興味がございましたら、こちらのサイトにオバホルモンのことが詳しく書かれていますので、ご紹介いたします。
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/Premarin.html
プリ子 Post author
Sakiさん、古い記事にコメントありがとうございます、
ホルモン剤全体の歴史に及ぶサイトのご紹介、ためになります。やっぱり無理矢理補充するのは危険ですね。
この記事を書いたときよりもさらに女性ホルモンが減少…どころか枯渇しているので、無理矢理補充したい気満々だったのですが、ちょっと躊躇しました^^;