お金の区別。視覚障害者のちょっとした工夫は?
寒い日々、そして、今年はインフルエンザの猛威もそろそろ終わり、桜の季節になってきました。そんな季節は別れと出会いのときでもあり、それにからんでお金の出入りもちょっぴり増えるとき。
そんなわけで今回はお金の話題です。
お金の区別。見えていれば何気なくお財布をのぞいて、ささっと取り出していることでしょう?でも、見えにくい視覚障害者はちょっと工夫をしています。
コインを仕分けして持ち歩ける小銭入れや、お札の判別をする機械やスマホアプリなどというものも最近では出てきているらしいです。「らしい」というのは、私はそれらを使っていないからです。
で、どうしているか?
コインならたいてい触って区別がつきます。50円や5円には穴があるのはご承知の通り。さらに50円の周りはぎざぎざ。100円の周りもぎざぎざで「100」という字が浮き出ています。10円は100円よりやや大きめ、500円になるとかなり大きい感じ。逆に1円は軽くて小さい。
そんな感じです。といっても、財布にコインがあまり増えてくると手さぐりで探すのに時間がかかって、ついつい千円札を出して買い物をしてしまい、さらに小銭が増えるなんてこともありますね。
次にお札。このブログの書き手の皆さんであればおそらく高校生くらいのときにお札が変わったのを覚えていらっしゃることでしょう。それ以前と今とを比べると、金種による大きさの違いが減っていることにはお気づきでしょうか?今のお札は短いほうの長さはすべて同じで、長いほうが数ミリずつ違うだけなのでわかりにくい。さらに私のようにちょっぴり見える人にとっては金額の表示の位置の変化も困りもの。以前の5千円という文字は真ん中に印刷されていたのですが、今はすべて左側。
なので、一万円も5千円も3文字で同じ場所に書かれているのでよく見ないと間違えそうになるのです。なので、目に近づけてよくよく見ていたら、匂いで見わけているのですかと聞かれたという笑い話もあったりします。
いろいろ工夫をしてお財布のなかを整理している私ですが、素直にちょっと目をお借りすることも度々です。例えば、おつりをもらったときに「5千円は一番上ですか?」などと確認したり、小銭入れをかぱっとあけて見せて、「50円玉はここにありそうですか?」なんて聞いたり…。
サヴァラン
KEIKOさま はじめまして。
サヴァランと申します。
むすこが去年、中学受験をしたときに、社会科で「ユニバーサル・デザイン」という内容がありました。シャンプーとリンスの見分け方、牛乳パックの開け口、スイカなどのカードの挿入方向、そしてお札やコインの見分け方、などが参考書に載っていました。
お札は、うろ覚えですが、「肖像画のある面を表にしたとき、お札の左右下の部分に、横棒、八角形、L字型といった、お札の種類を示す凹凸の印刷がある」という説明があった気がします。
でもむすこは、「肖像画のある面を表にして、肖像画が上下逆さまにならない」確率は、四分の一だから、この凹凸模様は探しにくいと思う、と言っていました。
周りのひとの目。どうぞ、お借りになってください。「5千円は一番上ですか?」って。わたしの目なら、どんどんお貸ししますので!
KEIKO
サヴァラン様
息子さんの目の付け所、素晴らしいですね!
お札を持ってくるくうる回すなんてことにもなりかねません。(笑)
その前に実は・・・。
あの印はよほど新しい綺麗なお札のときでないとなかなか分かりにくいのです。
以前、友人にカナダドルを見せてもらったことがあって、大きさの違いやマークがとても分かりやすかったように記憶しています。
あずみ
遅ればせながらコメント書かせていただきます。
あずみと申します。
お札のデコボコ、何度かしみじみ触ってみたことがあるんですが、
あまりに はっきりわからなくて、これを頼りにされてる方は、
きっと指先の感覚がとんでもなくすごいんだろうと思っていました。
今回のお話を拝見して、ちょっと、なぜだか安心しちゃいました(笑)
台湾のお札は、カラフルなんですよ。
赤(100元)と茶色(500元)と青(1000元)です。
あまり出回りませんが、緑(200元)と紫(2000元)もあります。
コインは、全部穴無しなので、日本よりちょっと区別が難しいのかなあ。
台湾にお越しの際は、私の目もご利用ください!
KEIKO
あずみ様、コメントありがとうございます。
ときどき、点字を触って読める視覚障害者の指は特別なのではないかとしみじみ見られる方もいらっしゃるんですよ。そして「やっぱり私の指とは柔らかさが違うわ」とかおっしゃる。
そんなわけは決してありません。点字が読めるのは単にそれが必要だからでして…。それにやっぱり、小さいころから触って読んでいないと早くは読めないものでもありまして…。
台湾のカラフルなお札もいつか見てみたいし、台湾はなかなか美味しそうなのでいつか行けたらいいなあ。