外を一人で歩くとき、何を頼りにしていると思いますか?
前回、質問もどうぞと書いたところ、さっそく聞いてくださった方がいて嬉しく思いました。ありがとうございました。
さて、寒くて縮こまっているころに始めたこのコーナー。あっという間に季節はめぐり、明るく気持ちのよい春になりました。じめじめの梅雨やへろへろの夏がくる前のつかの間のよい季節ではないでしょうか。
そんな季節に相応しく?今回は外を歩くときのお話です。
百聞は一見にしかずなどという言葉を持ち出すまでもなく、人間が目から取り入れる情報量というのはかなりの部分を占めているらしいです。その目からの情報が大変得にくいのが視覚障害者。それは確かにとっても不便なことです。でも、嘆いてばかりいてもしかたがありません。何かを駆使して生活して行かなければなりません。
外出を援助していただくガイドヘルパーさんという存在もあって、これはこれでありがたくはあると思いますが、多少の苦労や危険はあっても一人で歩くと自由なこともあり面白いこともあります。
それでは私が一人で歩くときに何を頼りにしているか?まずはわずかな視力のフル活用。案内板の文字などはまったく見えませんが、たとえば大きな駅では鉄道会社ごとに改札があって、それぞれの周囲の床の色や柄が違っていたりします。なので、こんな床が見えてきたら行き過ぎだからもどらなくっちゃ!という感じ。お店の入口も、色や雰囲気でなんとなく見つけていますが、私以外の人には、いまいち通じない目印だったりもするかもしれません。
とはいえ、やはり頼りない視力だけではあまりに不安。そこで、やはり登場してくるのが音や匂いです。コンビニの匂いや本屋の匂いなどは皆さんにも分かりやすいのではないかと思いますが、食べ物屋さんの匂いは意外に後ろで強く感じられたり、誰かが入ろうとして入口を開けたときでないとわかりにくかったり、風向きにもよったりしてしまうので、役立ち方はときによるというところでしょうか?
そこでやはり大事なのは音による情報です。最近はあまりないように思いますが、駅のホームのアナウンスを少なくして静かな環境にしましょうという取り組みだったのか、「電車がまいります」とだけ放送されていたところがありました。これだと何行きがくるのかが分かりませんよね。そこで私たちの仲間では「そりゃ、ここには電車はくるだろうね。バスはこないよね」などと皮肉なことを言っている人もいました。さすがにそれはなくなったようだと書きましたが、先日、似たようなことはありました。
とある駅の改札を入り目的のホームに行こうとしたときです。エスカレーターの音がするので近づいて行ってみると「○○線ホーム行き下りエスカレーターです」というばかり。これでは下りホームに行くエスカレーターなのか、上りホームに行くエスカレーターなのかがわかりません。○○線というのはこの場合分かっているので、○○番線ホーム行き下りエスカレーターくらいは教えてほしいなあと思ったのでした。
というようなこともあるので、私は駅でホームを探すときには階段の手すりについている点字案内などを便利に利用しています。多少書き方にばらつきはありますが、たいていの場合は「右一番線 ○○方面」などと書かれているので安心です。これをちょっと念入りに確認していると迷っているのかと勘違いされるのか、「大丈夫ですか?」とお声をかけていただくこともあるのですが、あそこには点字が書いてあり、それを確認している人もいるということを知っていただき、そっとよけて通り過ぎていただいてもいいのかも?と思う私です。
Y
それは単に上りと下りが同一のプラットホームです。
KEIKO
先日の私の記事、エスカレーターの付近での案内に関してちょっと付け加えたいことができました。
実は初めて行く駅や久しぶりの駅に行くときは、事前に下調べをしています。
携帯の乗り換え案内で時刻を調べると乗り換えなどの情報と一緒に、階段や改札に近いのは何号車かといった情報も教えてくれます。
また、ウィキペディアで駅を調べると、構造や周囲の情報もかなり分かります。
電車のホームには両側に線路があるタイプと、片側は壁になっているタイプがありますよね。
この片側が壁になってるタイプの場合は下りホームと上りホームは別々ということになりますね。
で、私が書いた例でいうと、私は事前のリサーチで片側が壁になっているタイプのホームであること、自分が乗ろうとしているのは何番線なのかということを知っていたのです。
だから「何番線ホーム行き」と教えて欲しいなあと思ったのでした。
こんな風に下調べをする時間がなかったり、調べてもよく分からないときは素直に?駅員さんに案内をお願いします。
最近はどの会社でも親切に案内してくださり、プラスアルファ情報までゲットできちゃうことも…。
おまけのお話。
昨年、大阪に仕事で行った際、帰りが一人だったので新大阪駅での在来線から新幹線への乗り換えの案内をお願いしたのですが、ものは試しでお土産のお店が並ぶところに送っていただき、駅の方とはそこでお別れ。目的のお店で買い物を済ませたら、その店のお兄さんが新幹線まで送ってくれました。ありがたいお話でした。