香水もヴィンテージ
古い香水も好きです。
もともと香水は好きで、
有名どころだとディプティックとか、サンタマリアノヴェッラとか、
セルジュルタンスとかを持っているのですが、
今は、ヴィンテージの香水にはまっております。
むちゃくちゃざっくり言うと、
1890年頃に合成香料を使った香水ができて、
それが近代香水のはじまり。らしい。
天然香料と合成香料で豊かな世界が広がったけど、
これまたざっくり言うと1990年代ぐらいから、
カジュアルな服装が一般的になって、
香水も、カジュアルなものが人気に。
さらに、環境保護や人間の健康のため、
使える天然香料が極端に制限された。
つまり、昔の香水は、
もう二度と作られないクオリティとテイストである!
というわけで、『香水の歴史』的な参考書を片手に、
1900~1980年代の香水、
ヤフオクとかメルカリとかで安く出てるミニボトルを、ポチっています。
以前は、古い香水って、どれもこれも、
いわゆる「おばあちゃんの鏡台」的な香りだと感じていたけど、
いろいろ嗅いでると、それぞれ個性があって、どれも素敵に感じます。
こちらは、1911年に発売されたナルシスノワール
(このブツ自体はもっと後のものだと思われますが)。
淡谷のり子が愛用していたことで有名なので、
もんのすごく重くて古臭いと思い込んでいたのですが、
確かに今の香水とは全然違うけど、
とにかく美しい!
オレンジの花に顔突っ込んでるみたいな芳醇さ!
現代では、これは絶対に作れない~。
歴史とからめて嗅ぐのも楽しいです。
シャネルの5番が出たのは1922年。
第一次大戦が終わって、
女性が足首を出すようになって、
チャールストンを踊ってたときなんですねー。
子どもの頃、若い頃の、懐かしいあの香水、この香水も、
位置付けが違って、貴重なものに思えてきます。
1970年代から1980年代はじめの資生堂の、
グリーンがきいた爽やかでかっこいい香りたち。
上の画像は1977年のインウイと1981年のスーリールです。
自分はまだ子供だったけど、
嗅いでみると、
「ああ、街中を歩くお姉さんたちから、こんな香りがした!」
と記憶がよみがえります。
でもこれって、資生堂が切り開いたものではなくって、
1960年代からの世界的流行だったということを、はじめて知りました。
フィジーとか、アンプレブーとか、めちゃ似てるやん?
1985年のプワゾン、流行りましたね~。
すごく強い匂いで、当時は香害だと思ってたけど、
ベリー系を使ったのは斬新だったんだ、と理解できました。
今は無い素材、今は無い作り方。
当時使っていた人や社会を想像する楽しみ。
歴史的文脈。
古着の布やプリント、作り方に、ほれぼれするのと、同じかもしれません。