パナソニック野球部が休部する。
最初に言っておくと、僕は野球にまったく興味がないのです。というか、スポーツ全般に興味がない。四十代から五十代にかけて、趣味でマラソンを走っていたこともあるし、高校の部活でバドミントンをしていたこともあるのだけれど、それほど熱心でもなかった。
でも、パナソニックの野球部が休部するというニュースを見ると、なんだかとても残念だなという気持ちと、まあこのご時世、仕方がないのかなあ、という諦めのような気持ちがある。
パナソニックというか、松下電器の野球部は1950年の創部だそうだ。会長だった松下幸之助は、生前、野球部とバレー部、バスケット部だけは絶対になくさないと言っていたそうだ。でも、もうパナソニックはかつての松下電器ではないし、松下幸之助だってとうの昔に亡くなっている。会社は家族だ、リストラなんてしない、と言っていた松下電器も、リストラを断行し、事業を再編して、生き残りに必死だ。
そう考えると、野球部がなくなることなんて、子どもでも理解できる、わかりやすいコストカットだ。社員を減らすよりも前に、野球部の廃止だろう。
と、書いたところで、本当にそうか?という気持ちも出てくる。社員は大切、野球部は無駄、という図式から行くとリストラの前に野球部の廃止だし、もっと言えば、美術館や社会奉仕みたいなことのほうが無駄と言えるのかもしれない。世の中は無駄を排し、必要なものだけでなんとかしようという時代になっているのかもしれない。
となると、少数派の映画が好きだと公言したり、「普通のコピー書いてておもしろいのか」と頼まれもしないのに、ややこしい一文を挟み込んだりしている僕なんて、真っ先に無用の長物認定だ。ま、実際、そうなのかもしれないけど。けど、たった1人でも2人でも、「おもしろい」と言う人がいる映画や文章だって、存在する意味はあるはず。儲からなくてもね。
あ、そうか、だから廃部じゃなくて休部なのか。限りなく復活の目はなかったとしても、休部ということで、可能性だけは残しているのかもしれない。いや、まあ、知らんけど。
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植松事務所
植松眞人(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。

















































































