腹式呼吸の日々
以前、大きな病気をして手術をしたことがあるので、毎年、胃カメラをのんでいる。もう10年以上になるのだが、おかげさまで特に異常もなく落ち着いている。が、この2年、別の症状が出てきて困っているのだ。食道裂孔ヘルニアというやつだ。これが意外に多いらしく、食道に胃の一部がにょっきり顔を出すのである。
なんの症状も出ない人もいるらしいのだが、最近、胸焼けとかゲップとかそういうのがちょいとひどくなっているのだ。ひどくなっているのだが、どうしようもなく我慢していたのである。しかし、いろいろ聞いたり見たりして調べていると、腹式呼吸が効くらしい。腹式呼吸で横隔膜を鍛えると患部が引き締められて治ることがあるらしいのだ。
ということで、腹式呼吸の日々なのである。息を吸って腹を出っぱらせ、息を吐いて腹を凹ませる。ただそれだけのことなのに、胸で浅く呼吸することが癖になっていたので、なかなか腹式呼吸にならない。意識してやると汗をかくほどに疲れてしまう。
しかし、腹式呼吸を意識し始めると、件の胸焼けやゲップが少しマシになるから不思議だ。というか、腹式呼吸ってすごいなあと思う。そういえば、昔、少林寺拳法を習っていたときには、知らず知らず腹式呼吸になっていたことを思い出した。息を吐きながら腹に力を入れて上段突きを突く。すると、拳に力が集中する。これを繰り返している間、知らず知らず腹式呼吸になるのだ。
そうか、人間、力を入れたい時には腹式呼吸なのか。最近、なんだかちょっと嫌なことに出会ったり、困ったことをされたりすることが続いたので、ここらで反撃に出るためにも腹式呼吸なのか。というわけで、お腹に息をたっぷり吸い込むのであった。
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植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。