妹のこと・外伝 : 揚げれんこん
ちょっと気取って妹のことなんぞを書いてみた前回。
最後の最後に書きました。
「うちの妹ね、変な人なんですわ」
今日は、その変な人の逸話をいくつかご紹介。
今でこそぺらぺらとしゃべりまくる妹ですが、
子供の頃は、なぜか常に不機嫌もしくは超クール。
何を考えているのかわからない子供でした。
【逸話その1】
もらったお年玉を遣わずに貯金すると言い出した妹、当時小1。
「買いたいものがあるの?」と聞くと黙って頷く。
「何が欲しいの?」と更に聞くと
「金魚のエサ」
・・・・?
その時我が家に金魚はいませんでした。
なにゆえ金魚じゃなくて金魚のエサなのか、その問いには口を閉ざす妹でした。
【逸話その2】
水をいっぱいに満たしたコップを手に茶の間へ入って来た妹、当時小3。
コップを持ったまま畳に座ると、そのままゴロリと仰向けに。
そして、仰向けに寝転がったまま、コップの水を飲むという暴挙に出ました。
案の定すべての水が顔にぶちまけられて、
彼女は畳の上で溺れるというとんでもないことに。
「何でそんなことするのよそんなことするのよ?!」と母に問われて出た答えは
「なんとなく飲めそうな気がしたから」
<なんとなく飲めそう?>
得体が知れない感満載の幼少期を経て、
中学・高校ではマイルドヤンキー臭を漂わせ始めた妹。
良くも悪くも真面目で大人受けする私とは対極で
くるくるドライヤーで毎日必死に聖子ちゃんカットをスタイリングし、
スカートは標準よりやや長め、通学カバンを薄くつぶす”ちょいヤン”ぶりです。
【逸話その3】
ある日高校から帰って来た妹は、
制服のポケットから小さな黒い毛玉を取り出しました。
掌に乗るような小さな小さな猫でした。
まだ誰も何も言っていないのに、
「こんなに小さいのに寒空に放り出せって言うの?!
絶対にイヤだから!! 私が全部責任を取って世話するから!!」と号泣。
いや、まだ誰も反対していないから…
黒いからタンゴ、という超単純な名前を付けられた毛玉は、
結局24年間我が家で暮らしました。
最後の数年、妹は結婚して家を出ていました。全部責任取ると言っただろうが。
身長165センチ、食べても食べても太らずにスリムなスタイルをキープし続ける妹は、
何を着てもそれなりに映えて、
それとは正反対の私は自分の妹ながら憎たらしいヤツだぜ!と
苦虫をゴリゴリと噛み潰す日々を送っていました。
【逸話その4】
就職した妹、一度でいいから高級フレンチなるものを食べてみたいと
友人たちと着飾って銀座へ出かけました。
”高級フレンチ=着飾って銀座”の公式というあたりがThe お上りさんです。
ところがそのお上りさん、銀座の街角である人に声をかけられます。
上等な着物に身を包んだその女性は妹にこう言いました。
「あなた、お店どこ?うちへ来ない?今よりもずっといいお給料出すわよ」
某クラブのママでした。
一瞬何を言われたかわからなかったお上りさん、
その意味に気づいて「私なんて滅相もない!!田舎者ですから」と
丁重にお断りをしました。
田舎者がお断りの理由になるのかは今一つわかりませんが。
今にして思えば、そこでお誘いを断らなかったら、今頃は黒革の手帖を片手に、
カルネどころかルダンも切り盛りするやり手ママになっていたかもしれないのに。
若くして結婚、2人の子供にも恵まれて幸せな毎日を送って来たからか、
40に手が届こうというあたりから第三次成長期を迎えた妹。
日に日に大きくなる体を見るにつけ、あの日銀座のママのお誘いをお断りしてよかったね
とつくづく思ったものです。
【逸話その5】
2人でショッピングモールを歩き回った後、突然彼女が呟きました。
「20代の頃は何を着ても似合うと思ってた。
すべての洋服は私のために作られている、ってくらいにね。
でも、40になった今、何を着ても似合わない」
驚きです。
何を着ても似合うと思っていたなんて。
若いって怖い。
その呟きから数か月、彼女はダイエットを決意し、ゆっくりですが
1年間で10キロ体重を落としました。
またもや驚きです。
おばちゃんってすごい。
この他にも妹に関する逸話をあげていたらきりがないほど。
中身も見た目も、同じ姉妹でもこんなに違うものかと我ながら思うのですが、
唯一、面白いと思うもの、笑いの感覚はぴったりと一致しています。
それがあるので、この年になってまた二人で話をしたり遊んだりを楽しめる。
もう一つ私たちの間で共通しているのは、食べることが好きなこと。
そして、美味しいと思うものが同じだということ。
そこで今週の一品は、私が妹に教えて評判がが良かった『揚げれんこん』です。
これも「教える」と言うほどでもないシンプルなものです。
『揚げれんこん』
- れんこんはさっと洗い皮をむきます。
- 長いれんこんの場合は長さを半分もしくは1/3に切り、その後、縦半分に切ります。
それを更に縦1/4ほどに切り分けます。
長さや太さはお好みで。ただ、縦切りはマスト。その方がゴリっとした食感が楽しめます。 - ビニール袋に1のれんこん、塩、片栗粉を入れ、袋の中で塩と片栗粉がれんこんに
まんべんなく絡むようにします。
袋の中に少し空気を取リ入れて風船のように膨らまして口をきゅっとねじります。
その状態で袋を振れば、塩と片栗粉がまんべんなくれんこんにからみます。 - 鍋に油を底から2センチほど入れ、加熱します。
- 油が170℃ほどになったら、3のれんこんを揚げます。
- れんこんに程よい揚げ色がついて、からりと上がったら出来上がりです。
もちろん揚げたての味が一番。早めにお召し上がりくださいな。子供の頃も、オバフォーの今も、良き相棒である妹。
年を取ってもし妹が一人になったら、また一緒に暮らしてみたいものだねと話したりもするのですが、
でも、考えてみれば、年を取るってあとほんのわずか。
おぉ、くわばらくわばら。ミカスでした。
カミュエラ
なんだか楽しい妹さんですね。
私には2歳下の妹と6歳下の弟がいますが、ミカスさん姉妹のように私と妹も見かけも性格もかなり違います。同じ親から生まれたのにねえ・・・・
うちも妹のほうがスラリと背が高く、私が小学校に入るころには早くも妹に身長も追いつかれてしまい、それ以降彼女より背が高かったことがないので、初対面の人には必ず「どっちがお姉さん?」と聞かれてました。
ミカスさんは子供のころからとてもいいお姉さんだったようにお見受けしますが、私は威張り散らしてばかりの暴君姉ちゃんだったので、大人になってからは罪滅ぼしのつもりで妹と弟には超優しくしてしています。(笑)
大人になってみると妹がいてほんとによかったなと思っています。
連絡を取り合うのは年に数えるほどですが、それでも会えば家族の中ではだれよりも気兼ねなく話せる相手です。
最近妹の次男が結婚したのですが、近い将来妹がおばあちゃんになる日も来るのかと、なんだかわけもなくじ~んとしてしまいました。
ミカス Post author
カミュエラさん
私も決していい姉ではなかったですよ。
取っ組み合いの喧嘩の果てに流血、なんてこともありましたから(笑)
それにしても、姉妹って大抵は妹の方が背が高いですよね。どうしてだろう?
すらりとした妹に、ずんぐりむっくりの私。
コンプレックスでした。
実は、うちも甥に子供が生まれるんです。
偶然ですよね。
妹がおばあちゃんになるって、不思議な感慨を覚えますよね。
れこ
れんこんが家にちょうどあったので、作ってみました!
縦切りの触感がいいですね~。
「豚肉の焼いただけ(←忙しい時のお助けメニューです!)」に続き、
我が家の定番になりそうです♪
私にも6つ年下の妹がいます。
私が小1の時は彼女は1歳、私が中1の時は彼女は小1、なので
子供の頃は一緒に遊んでも全然おもしろくなかったたのですが(ひどい)
妹が中高に上がったあたりから、マンガやゲームなど共通の話題が増え、
逆に彼女から雑誌やマンガ、CDなど色々貸してもらう立場に…。
今でも会うたびに何かしらお下がりをもらいます。姉としてどうなんだそれは…。
あっ、でも身長は私の方が高いです!胸は負けてますが…。
ミカス Post author
れこさん
早速作ってくださったのですね。
嬉しい!
揚げ物は面倒という気もしますが、少ない油でも大丈夫なので、おかずにおつまみにぜひ。
れこさんより背は低いけどボインな妹さん。
セクシーダイナマイトじゃありませんか!
6歳下だと確かに子供のころは遊びや話が合わないですね。
でも、今やお下がり(ある意味お上り?)をもらうほどの仲の良さ。いいですね。
姉妹というのは年を取れば取るほどありがたみが増してきますね。